中学校野球部!絶対に強くなるヒント集

中学野球や部活動の経営をしている方々のお役に立てるように、野球技術のみではなく、組織づくりのことなど、野球部の経営に役立つ情報をどんどん発信していきます。また、野球小僧を育てたい親御さんに役立つ情報も掲載していきます。宮川理論の公認指導員です。

「コの字型の授業形態」とアクティブ・ラーニング!

アクティブ・ラーニングを導入する際にぶつかる壁とは?

「コの字型の授業形態」にしたときに起こることと似ています。

 

〇アクティブ・ラーニングのこと分かっていますか?

久しぶりに野球以外のことを書きたいと思います。

次の学習指導要領の改訂の目玉となっているのが「アクティブ・ラーニング」ですね。

従来型の黒板を用いて授業者が一方的に話す一斉授業ではなく、発見学習だとか問題解決学習、グループワークなどを用い、生徒が能動的に学ぶ(アクティブ・ラーナーとなる)授業をアクティブ・ラーニングといいます。

 

すぐわかる! できる! アクティブ・ラーニング

すぐわかる! できる! アクティブ・ラーニング

 

西川純先生の書籍に代表されるように、アクティブ・ラーニングに関する書籍はたくさん出版されていて、全てに目を通すことはとてもできていません。

はっきり言って勉強中というのもおこがましいレベルです。

 

しかし、アクティブ・ラーニングとして研究したわけではないのですが、以前私は勤務校で「学びの共同体」研究を行った際に、3年間ほど中心的に活動したことがあります。

そのときの経験からできた私の授業スタイルをまとめた記事が以下のものです。

www.taguchizu.net

www.taguchizu.net

 

今回はこの記事でも触れている「コの字型の授業形態」についてお話ししたいと思います。

学び合う教室・育ち合う学校: ~学びの共同体の改革~ (教育単行本)

学び合う教室・育ち合う学校: ~学びの共同体の改革~ (教育単行本)

 
教育の方法 (放送大学叢書)

教育の方法 (放送大学叢書)

 

 

〇「コの字型の授業形態」で出てくる生徒の様子

「コの字型の授業形態」とは正確には教師から見て「Π」のような形に座席を配置して行う授業形態のことです。

よく小学校で取り入れられていますが、中学校以上ではあまり見たことがありませんでした。

しかし、私の勤務校では「学びの共同体」を取り入れるということで全クラス全授業一斉に「コの字型」で行うことになりました。

私自身も「コの字型」で授業を行うことは初めてでした。

 

すぐに教員から不満の声が上がったことを覚えています。

・私語が増えた。

・向かい合っている生徒同士で笑っている。

・作業に集中して取り組まなくなった。

こんな意見が多く、「早くコの字型をやめないと授業が成り立たなくなる」という意見まで出るありさまでした。

 

実は私も初めは同じような不安を感じたのですが、あるときふと子どもたちが前よりもいきいきとしていることに気づきました。

先に出た不満をもう一度見ていただきたいのですが、これらの不満には「授業とは静かに先生の話を聞き、作業の時間は一人でもくもくと取り組むべきだ」という教員の一方的な思い込みからきています。

それが学力をつけることにつながるのだと信じているわけです。

「アクティブ・ラーニング」を考える

「アクティブ・ラーニング」を考える

 

 

〇黙って聞いていれば学力は上がるのか?

しかし、生徒の様子をよく観察していると、私語が増えているわけではなく、ぼそぼそと分からないところを聞き合ったり、違うページを開いている友達に「今はここだよ」と教えてあげたりしているシーンが多いんです。

確かに周囲の生徒と笑顔でいることもあるのですが、それは「僕はもう解けたよ」という笑顔だったり、「今の先生の話おもしろかったね」という笑顔だったりするのでした。

作業も当然静かにはしません。

分からないところは友達に聞きたくなります。

 

私は「コの字型」+「4人組グループワーク」を取り入れ、昨年度学年160名からとった授業アンケートでは「授業が分かりやすい」と「授業が楽しい」の二項目で100%を達成しました(もちろん他の工夫もありますが)。

そして驚くことにテストの平均点も10点ほど上昇したのです。

 

「コの字型」=アクティブ・ラーニングではありません。

「コの字型」で一斉授業を行う人もいます。

では一体何を言いたいのか?

今まで一斉授業でひたすら自分が話していた人は、先にあげた「コの字型」で授業を行う際の不満、

【・私語が増えた。・向かい合っている生徒同士で笑っている。・作業に集中して取り組まなくなった。】

という教員の思考がアクティブラーニングを実施した際にぶつかる壁になると思うのです。

アクティブ・ラーニングは生徒主体の能動的な学習です。

おしゃべりなく、一人で作業をするアクティブ・ラーニングなど存在しないと思います。

アクティブ・ラーニングにこれから取り組もうという方は、まずこのある意味教員の一方的な思い込みを捨てるところから始める必要があると思います。

 

おまけなのですが、「コの字型の授業形態」自体もなかなかおすすめです。

良い点としては、

①どこの座席の生徒も周囲の子の表情が見えるので安心して授業を受けることができる。

②周りが手を挙げているのが見えるので自分も挙げてみようという気持ちになれる(従来型だと前の子は後ろの子が手を挙げているかどうか分かりません)。

③ディベート形式の授業が盛り上がる。活発に意見を吸い上げることができる。

などがあげられます。

今回のテーマとは関係ありませんが、①の安心して授業を受けることができるというのは意外と重要で、不登校対策にもなります。

 

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