中学校野球部!絶対に強くなるヒント集

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リフォーカス!先頭に四死球を出してもリセットするテクニックを身に着けよう!

メンタルトレーニングのテクニック!

先頭バッターに四死球を出しておろおろしてしまっているピッチャーはリフォーカスを身に着けよう!

 

〇先頭バッターへの四死球とヒットは特に変わらない

先頭バッターに四死球を出すとものすごく怒られた経験が私にもあります。

「先頭に四死球が一番点につながりやすいんだぞ!!」

ピッチャー経験者なら誰でも言われたことがあるのではないでしょうか?

しかし、実は先頭バッターを四死球で出塁させようが、ヒットで出塁させようが、あまり変わらないということがプロ野球の統計上分かっています。

以前どこかでも見たことがあるのですが、このたびサンスポが阪神を例に調べてくれたのでこちらに引用させていただこうと思います。

 【球界ここだけの話】

 先頭打者に四死球を与えると、失点につながりやすい-。野球界でよくささやかれるこの“定説”が真実なのかを検証するため、担当する阪神タイガースの今季143試合で「先頭打者の打席結果」と「イニングごとの得点結果」を記録してきた。その結果を、ここに報告したい。

 

(中略)
 
 阪神の攻撃で、相手投手が先頭打者に四死球を与えたケースは86度あった。後続がつないで得点につながったのは30度で、結果的に奪った得点の合計は58点。「34・88%」の確率で得点が入り、得点数ごとの確率から計算する期待値は「0・674」だった。阪神の守備では同じケースは100度で、失点につながったのは37度。合計72点を失い、失点確率は「37・00%」だった。失点の“期待値”も「0・720」とやや多かった。

 これらと比べたいのが、先頭打者が単打を放ったケースだ。阪神の攻撃で、先頭打者がシングルヒットを放ったのは219度。得点が入ったのは79度で「36・07%」。計160点が入り、期待値は「0・731」だった。阪神の守備では同じケースは203度。失点したのは90度で「44・33%」。計172点を失い“期待値”は「0・847」だった。

 攻守において、先頭打者の四死球より単打の方が点につながっており、「先頭打者に四死球を与えると(単打で出塁を許すより)失点につながりやすい」という定説は、今季の阪神には当てはまらなかった。

 単純な印象の悪さが、定説を定説としている面があるように思える。先頭打者の四死球は投手の失策だ、という見方さえある。先頭打者の出塁を許した無死一塁と、打ち取った一死走者なしではそれほどの差がある。今季、阪神の守りで先頭打者を打ち取ったのは883回。そこから失点したのは111度。失点確率は「12・57%」、期待値は「0・220」だった。みすみす歩かせるのが「もったいない」と受け取られるのは、先頭の結果次第で失点確率が約25%も違ってくるからだ。

 

(後略)

(阪神担当・長友孝輔)

本当に先頭打者への四死球は失点につながりやすいのか…2016年の阪神で球界の“定説”を検証 (サンケイスポーツ) - Yahoo!ニュース より

まあ簡単に言うと、先頭を出してしまえば点につながりやすいのは一緒ということになります。 

 

〇ではなぜ四死球だけが悪いとされるのか?

これはあくまでも私の意見になってしまうのですが、理由は三つあると思われます。

①アマチュアではそもそもコントロールが悪いから四死球を出している。

②守備やベンチの雰囲気が悪くなる。

③定説になってしまっているせいでピッチャーのメンタル面への悪影響がある。

どういうことかというと、先のサンスポの例はプロ野球での話になります。

プロ野球のピッチャーですから平均を取れば絶対にアマチュアのピッチャーよりはコントロールが良いはずです。

つまり、プロでは勝負の末に出た四球であったり、珍しいコントロールミスでの四死球であったりする可能性が高いわけです。

したがって次のバッターに対しても四死球を出すというケースは少ない。

しかし、アマチュアだとボール球続きで修正が効かない。

そして次のバッターも四死球でピンチを広げてしまう。

そういうケースも多いのではないでしょうか?

そして、ベンチで「先頭フォアボールなんて最悪だぞ!」と怒鳴り散らす指導者も中にはいますから守っている側も雰囲気が悪くなる。

その結果、ピッチャーがメンタル面で「今日はダメかもしれない」となり、さらにストライクが入らなくなったり、置きにいったりしてしまう。

これは私のイメージですが、こうしてアマチュア野球では「先頭の四死球=失点につながりやすい説」が完成したのではないでしょうか?

 

〇ではどうしたら良いか?

簡単に言うと切り替えましょう。

「いやいやそれが難しいんだって!」

と思うでしょうが、実はこの切り替える力も練習次第で向上します。

ストライクが入らなかったり、変化球が曲がらなかったりした際に、ピッチャーはどうしても小手先の技術的な面で修正しようとします。

しかし、ストライクが入らないということがメンタル面でまたストライクが入らないという負のスパイラルを生んでしまっていますから、このメンタル面を持ち直さないと技術面も修正できません。

これはなんとなくご理解いただけると思います。

ですから、まず切り替えないといけない。

その切り替えるテクニックをリフォーカスと言います。

 

〇リフォーカスとは何か?

リフォーカスとは再集中することです。

しかし、パニックになっているときに、漠然と「よし、再集中しよう!」と思ってもできるわけがありません。

そこで、リフォーカスする際に行うことを事前に決めておきます。

一般的には「一点を見つめる」という行為を行います。

この定めた一点のことを「フォーカルポイント」と言います。

フォーカルポイントを見つめることに集中し、心を整える。

このテクニックはいろいろなスポーツでアスリートが取り入れています。

野球であればグラブの内側を見たり、ボールを見たり、帽子のツバを見たりすることが一般的です。

このリフォーカスする際にセルフトーク(自分との会話)を行うとさらに効果が高まるとされています。

 

たとえばオリックスの西投手はリフォーカスのメンタルトレーニングに取り組むことで成績がアップしたそうです。

西投手以外にも、桑田真澄氏もボールを見てセルフトークするやり方でリフォーカスしていました。

これを普段の練習からピンチに陥ったときに繰り返し行うことで「切り替える」力がついていきます。

私はリフォーカスする際に帽子のツバに書いてある言葉を見て、「よし、切り替えよう!」とセルフトークをしています。

これがメンタルトレーニング的に「切り替える」テクニックです。

もう一度言いますが、切り替える力はトレーニングで身に付きます!

先頭バッターを歩かせたとしても、満塁のピンチになったとしても、このリフォーカスを使って切り替えられるように日々トレーニングしていきましょう!

 

以上、リフォーカスというテクニックを紹介しました。

メンタルトレーニング関係の本はたくさん出版されていますので、ぜひ一冊本屋さんで手に取ってみてください。

こちらおすすめの物です。

誰でもできる 最新スポーツメンタルトレーニング (GAKKEN SPORTS BOOKS)

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