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バントはバッターボックスの後ろに立ってやると実はメリットが多い!【野球戦術】

バントをする際に「打席の前に立て!」と指導された経験はありませんか?

実は後ろに立つとメリットがたくさんあります!

考えた上でどこに立つか決めてみましょう!

 

〇「バントは打席の前に立て!」は正しい?

私もそうでしたが、バントをする際に「打席の前に立ってやりなさい」と指導されてきました。

打席の前に立つことで以下のメリットがあるということがその理由だと聞きました。

①フェアゾーンを広く使えるので、バントがフェアになりやすい。

②変化球が曲がり切る前にバントができるので失敗しにくい。

③1塁に近くなるので打者走者も生きやすい。

特に①を大きな理由としてみなさん教わってきたと思います。

 

しかし、近年「バントは打席の後ろに立った方が良い」という意見が多く出るようになってきました。

こちらの動画をご覧ください。


本塁打は最多 だが小技も健在! 全バントヒット集(2017 夏 甲子園)

どうでしょうか?

どちらかというと真ん中から後ろよりに立ってバントをしている選手が多いと思いませんか?

今回はバントを打席の後ろでやることのメリットについてお話ししたいと思います。

 

〇バントを打席の後ろでやることのメリットとデメリット。

【メリット】

実はバントを打席の後ろに立ってやることのメリットはたくさんあります。

 

①バントの角度が浅くてもライン際のいいバントになる。

…これは下の図をご覧ください。

 
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ご覧のように後ろに立つことで「角度の浅いバント=簡単にできるバント」でもライン際に決まります。

前に立つとライン際に決めるためには「角度をつけなくてはいけない=難しいバント」になってしまいます。

 
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②バッテリーが盗塁を警戒する。

…ちょっと野球に詳しい指導者であれば、定石として、「盗塁の際は打席の後ろに立つとキャッチャーが前に出れないのでセーフになりやすい」と指導しています。

つまり、「バッターが後ろに立つ=盗塁の可能性がある」と勝手に勘違いしてくれる場合があるということです。

この辺りはランナーも盗塁があるそぶりを見せるなど連携することが大切です。

余計な警戒をしてミスをしたり、ボール球が続いたりすることもあります。

 

③ストレートが増え、結果的にバントを決めやすい。

…②に関連しますが、盗塁を警戒すると変化球は投げにくくなります。

結果的にストレートが増え、バントを決めやすくなります。

ちなみに後ろに立っている分、ボールがミートポイントに到達するまでの距離が長くなることもバントが決まりやすい要因になります。

 

④ボール球の見極めがしやすい。

…後ろに立つのでストライクやボールの判断を少し遅らせることができます。

フォークボールやスライダーのボール球を見逃しやすくなります。

ただし、これは後述するデメリットにもなり得ます。

 

⑤相手の守備がバントシフトを敷きづらくなる。

…「バント=前に立つ」という定石があるため、後ろに立たれると盗塁やバスターなどを頭に入れるため、思い切ったバントシフトを敷きづらくなります。

これは相手のレベルにもよりますが。

 

【デメリット】

もちろんデメリットもあります。

 

①変化球を追うようにバントせざるを得ない。

…ストレートが増えるとは言え、当然変化球が来ないわけではありません。

打席の前で立つと変化球の曲がりっぱなをバントできるのですが、後ろに立つとかなり曲がっているところをバントしなくてはいけません。

メリットにストライクとボールの見極めがしやすいとありますが、ストライクだった場合はゾーンいっぱいの変化球を追うようにバントしなくてはいけないので難易度は上がります。

これが一番のデメリットだと思います。

追い込まれたら前に移動するというのも手です。

 

②1塁ベースまで遠くなってしまう。

…2歩分くらい1塁ベースまで遠くなります。

前に立っていれば打者走者も生きることができたケースであってもアウトになってしまいます。

ただし、ランナーを送ることが一番という状況ではあまり気にしなくてもいいかもしれません。

セーフティバントの場合は悩みますね。

うまいところに転がせる可能性が高いほうを取るか、1塁に近いほうを取るか。

これは両方試してみて合っているほうでいいのではないでしょうか。

 

〇メリットとデメリットを考え、自分に合った方、チームに合った方を選ぼう!

以上のように、バントをする際に打席の後ろに立つことで得られるメリットもたくさんあります。

デメリットもありますが、ライン際に決めやすくなるのは選手にとって気持ちが楽になることと思います。

ですから、「バントは打席の前でするものだ!」という固定観念は捨てて、両方を試した上で合っている方を選択して欲しいなと思います。

そのためには練習で両方を試し、練習試合でもやってみることが必要になります。

ぜひ取り入れてみてください。

 

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