中学校野球部!絶対に強くなるヒント集

中学野球や部活動の経営をしている方々のお役に立てるように、野球技術のみではなく、組織づくりのことなど、野球部の経営に役立つ情報をどんどん発信していきます。また、野球小僧を育てたい親御さんに役立つ情報も掲載していきます。宮川理論の公認指導員です。

野球人口激減時代!これからの野球部は地域や他の中学校との連携を強めていくべきだ!

野球人口激減時代に中学校野球部ができることは!?

地域、他の中学校との連携を強めることで野球界の裾野を広げる活動ができるのではないか!? 

 

 

野球人口が激減しています!

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以前、これらの記事でも触れたように、野球人口が激減しています。

高野連の発表では高校野球の部員数は微減にとどまっていましたが、2017年の発表でついに大きく減っていることが分かりました。

これまでも高野連の発表に首をかしげる意見は多かったです。

少年野球クラブや中学野球部人口は明らかに減少しており、少子化も進んでいることから、高野連の発表のみ大きく減少していなかったのはおかしな感じでした。

これは、中学校野球部の部員数は減っても、シニアやボーイズなどの高校野球部に入部する割合の高いクラブチームの部員数はほとんど減っていなかったこと(つまり、中学校野球部からかなり流出している)。

そして、途中退部率が以前に比べて減少したことが主な理由だったようです。

また、高野連は登録人数を数えているので、ここには「助っ人部員」が含まれている可能性も高いです。

そういったことから高野連発表の部員数はあまり減らないできていましたが、ここからは大幅に減少に転じていくことが予測されます。

 

〇特に中学校野球部員の減少が目立つ。

先に述べたようにシニアやボーイズのようなクラブチームの部員数はそれほど減少していないそうです。

これはいろいろな原因があるとは思うのですが、一つ間違いないのは中学校野球部の期待値が下がっているということだと思います。

強豪私立高校で野球をやりたい。

プロ野球選手になりたい。

少なくともそういった選手(またはその保護者)は中学校野球部を選ばなくなってきています。

現に甲子園出場チームの登録メンバーを見てみても、ほとんどの選手は硬式クラブ出身です。

これはある意味当然といえば当然で、硬式クラブの指導者は野球指導の専門家です(そりゃもちろん指導力に差はありますが‥)。

それに対して中学校野球部の顧問は教員が本職であり、必ずしも野球指導が上手とは限りません。

野球経験者でないことも多々あります。

グラウンドも多くの場合、他の部活と兼用ですし、顧問不在の中で練習を行わなくてはいけないことも当たり前のようにあります。

これらは決して顧問の問題ではないのですが、硬式クラブチームと比べた場合に恵まれた環境でないということは認めざるを得ないと思います。

では、中学校野球部はもう役目を終えてしまったのでしょうか?

 

◯野球人口減少に歯止めをかけるためにも中学校野球部は必要!

正直なところ、平均で見て、中学校野球部と硬式クラブチームを比べた場合、硬式クラブチームを選択した方が高校野球で通用する可能性が高いのは間違いないと思います。

もちろん、中学校野球部にも名将と呼ばれる先生や、名門校と呼ばれるチームはあります。

↑上一色中野球部の西尾先生。

 

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↑現在は退任なさってしまいましたが、元修徳中の小野寺先生。

 

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 ↑現在は仙台育英高校野球部監督の元秀光中の須江先生。

 

などなど、中学校野球部でも力のある先生はいますし、そういった先生の元で育った選手が高校野球で活躍するケースももちろんあります。

しかし、公立中の場合は異動もあるため、100%そうした先生の元で学べるわけではありませんし、自分が通う中学校に良い指導者がいるかどうかはほとんど運です。

 

そこで、私は中学校野球部がこれから果たすべき役割として、地域と連携を強めて「野球界の裾野を広げること」を提案したいと思います。

これはどういうことかと言うと、まずプロ野球選手を養成するような指導に関しては初めから諦めます。

また、365日野球をやるようなプロ部活動も目指しません。

簡単に言えば、

「野球が好きな子が野球をやれて、最低限の技術を習得できる場を確保する」

というです。

 

〇地域と連携するとは?

そのためにはどうしたら良いか?

地域にもよりますが、近隣に中学校があると思います。

たとえば近隣、地域に4校中学校があるとします。

この4校で協力し、毎週土曜日に合同練習を行います。

部員が多ければもう少し減らしても良いと思いますが、1校10名程度であれば合計40名です。

ここに各中学校の顧問の先生が集まります。

打撃指導が得意な先生もいれば、守備指導が得意な先生もいると思います。

それぞれの先生の得意分野を活かし、合同練習を行います。

40名いればゲーム形式の練習もたくさんできますし、以前紹介したフリーバッティング試合のような練習試合もできます。

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この合同練習を行うことで、野球未経験の先生しかいないチームは救われることになります。

練習会の最後には、次の週までの課題として「平日の練習はこういった内容をやってきましょう」という確認をすれば、野球未経験の先生も指導しやすくなります。

また、こうした合同練習会に地域の少年野球チームも積極的に参加してもらい、中学生が小学生に技術指導を行う場も作ります。

部員の総数が増えることで、金銭面に余裕ができ、講師の方をお招きして指導を受けるということも可能になるかもしれません。

そういった経験を通して「中学校でも野球をやりたい」という子を増やしていきます。

そういった少年野球チームの指導者の方にももちろんノックをしてもらったり、保護者の方にも見学に来てもらう(当然強制ではなく)ことで、大人の目を増やし、中学校野球部の先生の負担を減らすこともできます。

4校で集まるので、交代で中学校の先生が休むということも可能になり、現在問題になっている教員の勤務の負担軽減にもつながります。

 

※1 毎回同じA~Dの4校が集まる必要は無いと思います。A校は練習試合に出るから今週は3校で行う。別のE校を呼び4校で行う。ということで構わないと思います。

 

※2 実際には、現在の制度のままでは、たとえ他の中学校の顧問の先生や保護者の方が見てくださっていてもそこに顧問不在ということは問題になると思います。「大人の目がしっかりとあるのであれば良いのではないか」という形で、そこも変えたいという提案です。

 

※3 私立の中学校野球部では高校ほどではなくとも、学校経営上、勝利を求められる場合もあるので今回の話からは切り離して考えさせていただきます。

 

〇中学校野球部をいろんな子の受け皿にしたい!

この提案は簡単なようで実際は相当に難しいことです。

現状として、野球の指導がしっかりとできる先生のチームは上位大会進出を目指し、積極的に強豪校との練習試合を組んでいます。

「市内のチームとは練習試合は組まない」

などと公言なさっている方もいます。

レベルが低いからという意味です。

確かに野球未経験者が顧問を務める、キャッチボールもろくにできないようなチームと練習試合や合同練習をしても、強豪校にメリットはほとんどありません。

こういった指導者の方々は選手のために、強いチームを作るために一生懸命にやっていらっしゃるわけで、それを批判したり、やめさせたりすることはできません。

私もまだ我武者羅に自分のチームを強くすることだけを考えていたときには、余りに弱いチームとの練習試合は敬遠してしまっていました。

公式戦で当たったときに、50点以上の点差がついてしまい、「もう二度とやりたくない」と思ったこともあります。

 

しかしそれでも、本当に野球界を盛り上げようと思ったら、周囲の中学校や地域と協力し合いやっていくべきなのではないかと思います。

そして、その合同練習を行っているチームの中から上位大会に進出し、勝ち進むチームを出していこうという考え方をもって取り組んでいくことが今後の野球界のためになるのではないのでしょうか。

 

本気で甲子園やプロ野球を目指したい選手は硬式クラブでがんばってもらってもいいでしょう。

「下手だけど野球を続けたい」

「スポーツ経験はないけれど、中学校では運動部に入りたい」

「金銭的な事情で硬式クラブではやれないけれど、野球が上手になりたい」

そういった子たちの受け皿になることができれば、中学校野球部の存在価値はまだまだあるのではないでしょうか?

まだまだ思い付きのレベルの提案です。

突っ込みどころ満載かと思いますが、これからの野球界のために今後も提案していきたいと思います。 

 

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