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申告敬遠制の採用と2段モーションの解禁が決定!野球規則改訂!!【2018年】

2018年の野球規則改訂が発表になりました!

2018年シーズンから、申告敬遠制が正式に採用決定!

また、ピッチャーの2段モーションも解禁されることに決まりました!

 

〇申告敬遠制が採用決定!

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毎年この時期に野球規則の見直しが行われています。

昨年は主だった見直しとして2塁への併殺崩しのスライディングが即守備妨害となるという変更が行われました。 

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↑詳しくはこちらの記事をご覧ください。

 

この野球規則の見直し、変更は基本的には前年のMLBのルール変更を受けて行われています。

MLBでは昨年、大きな変更として「敬遠の申告制化」が行われました。

これも既に記事にしています。 

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この申告敬遠制は投手が投げずとも監督が審判に敬遠することを告げると敬遠が成立するというルールです。

ソフトボールでは既にあったルールらしいのですが、試合時間の短縮を目的として行われることとなりました。

2017年シーズンで実際に運用されましたが、個人的にはあまり時間短縮になっている感じはしませんでした(実際、MLBの試合時間は延びたそうです)。

賛否両論ありますが、イチロー選手はこの申告敬遠制で敬遠された際に批判しています。

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MLBのルールを追従するのが例年の流れですので、この申告敬遠制も日本で採用されるのは確実視されていましたが、やはり採用となりました。

しかし、プロ野球、社会人は採用するものの、それ以外のアマチュア野球では採用しないという非常に中途半端な規則改訂になってしまいました。

正式に高校野球などで不採用が確定するのはもう少し先になるそうですが、おそらく不採用でほぼ決まりかと思われます。

同じ野球なのにカテゴリーによってルールが異なる、統一できないというのはどうなんでしょうね?

敬遠申告制の是非はともかく、野球界が統一できないのはどうなんでしょうね?

アマプロそれぞれ事情はあると思うのですが、「日本野球界」として考えることができていないことは野球人口の減少にもつながってしまうことだと思います。

このあたりは以前『野球崩壊』の書評記事でも言及させていただいています。 

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野球崩壊 深刻化する「野球離れ」を食い止めろ!

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〇2段モーションが解禁!

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ネット上の反応を見ていると、申告敬遠制の方に注目が集まっているように感じますが、私が驚いたのはむしろこちらの方です。

2段モーションが解禁となりました。

昨年、西武ライオンズの菊池雄星投手が2段モーションでボークを取られ、大きな問題となったのは記憶に新しいと思います。


二段モーション? 埼玉西武ライオンズ 菊池雄星 ブルペンでの投球練習

昨年大問題となり、厳格に2段モーションを禁止したわりにあっさり2段モーション解禁するんですね汗。  

 

2段モーションが厳格に禁止となったのは2006年。

私が大学生だったときでした。

私はまさに典型例な2段モーションで投げていたために春季リーグが始まる前に慌ててフォーム修正を迫られたのでかなり鮮明に覚えています。

この2段モーションの禁止によって、プロ野球選手も大きな影響を受けました。

その当時はかなり厳格に2段モーションを取り締まったため、岩隈投手など、多くの投手がもろに影響を受け、成績を落としました。 


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2段モーションが禁止となった理由としてはバッターを欺く行為と見なされたためです。

ただこれは正直誤解です。

実際は2段モーションを採用する投手は、より良いボールを投げるために2段モーションにしています。

先の日刊スポーツの記事にもこのように書かれています。 

打者のタイミングを外すためなら、どんなフォームでもいいわけではない。中本氏は「3回も足を上げたり、これ以上エスカレートするならやめさせる方向にいくと思う」。NPBの井野修審判技術委員長兼野球規則委員(62)は「反則にならなくても何でもやっていいとはならない。マナーの問題。人をだましてというのは、スポーツの根本としてありえない」。ただし、昨季時点の菊池、井口らのフォームなら、今季は反則投球には取られない。

 規則委員会では今後、2段モーションなど動きを意図的に止めるフォームが、科学的に優位性がないという検証を外部の研究機関に依頼するという。

https://www.nikkansports.com/baseball/news/201801120000066.html より

この書き方、言い方では2段モーション=バッターを欺く卑怯スレスレのような投げ方と捉えられてしまいそうですが、2段モーションにしている投手は打者を欺くことが目的ではなく、単純にそちらの方が強いボールを投げることができるからです。

2段モーションに科学的に優位性がないという検証を依頼するとありますが、これは検証の仕方によっては優位性が無いと結論が出てしまうかもしれません。

私もそうですが、

4スタンス理論でいうところのA2・B1のパラレルタイプの投手は2段モーションの方が強いボールを投げやすい傾向にあると感じています。

クロスタイプの投手にはあまりメリットはありませんし、当時はクロスタイプの投手指導が主流でしたから、珍しい2段モーションの投手は欺くために用いられていると解釈されたのではないでしょうか? 


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タイプチェックをしたわけではないので完全に私見ですが、桑田投手はクロスタイプの投げ方をしています。

自由な足を上げた際に軸足と交差するような形で自由な足を使っています。

グラブを持つ方の肩口がバッターの方を向くのも特徴です。

桑田投手のフォームは長らく投手の見本となっていましたし、このように指導する指導者も多かったはずです。

このクロスタイプの投手からすると2段モーションはそれほど優位性はありません。

自由な足をクロスすることで股関節をかませることができているので、2段モーションにする必要がないからです。


近鉄 岩隈 2段モーション時代.wmv

改めて岩隈投手を見てみると自由な足はクロスせずに、肩もバッター方向には向いていないことが分かります。

岩隈投手の場合、こちらの方が股関節をうまくかませることができ、強いボールを投げることができるということになります。 

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決して欺こうという卑怯な投げ方ではないということを指導者の方々はご理解いただければと思います。 

 

なんにせよこれで2段モーションが解禁されたわけですから、2段モーションが投げやすい投手は2段モーションを採用しても良いでしょう。

また、2段モーションの投手でもしっかりとタイミングを取れるように練習をしていく必要も出てきますね。

具体的にはシンクロ打法ができれば2段モーションで投げようがクイックで投げようがちゃんとタイミングは取れるので、シンクロ打法をできるように取り組んでいきましょう。 

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※追記

残念なことに、高校野球以下のカテゴリーでは2018年も引き続き反則投球として扱われることが決定しました。

mainichi.jp

 

(注)

4スタンス理論に関する記述は私見です。

4スタンス理論の専門家ではないので誤っている部分があればご指摘ください。

また、4スタンス理論を野球に応用する研究もまだ完全なものではないと思いますので、参考程度にしていただければと思います。 

「4スタンス理論」バイブル

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キミは松井か、イチローか。―野球革命 4スタンス理論

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