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イップスになる恐れのある指導一覧!こういう指導はおすすめしません!!

思ったように動作ができなくなる動作障害「イップス」!

治すことはなかなか難しいので、「イップスにならない」指導を心がけましょう!!

 

〇イップスとは?

みなさん、イップスをご存知ですか?

私が子どものときは知られていませんでしたが、ここ15年ほどで野球界にも急速に広まった動作障害のことです。 

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↑詳しくはこちらの記事を読んでいただきたいと思います。

今回は簡単にWikipediaから引用させてもらいます。

イップス (yips) は、精神的な原因などによりスポーツの動作に支障をきたし、突然自分の思い通りのプレー(動き)や意識が出来なくなる症状のことである。本来はゴルフの分野で用いられ始めた言葉だが、現在ではスポーツ全般で使われるようになっている。

https://ja.wikipedia.org/wiki/イップス より

 

これは経験したことがある人でないとなかなか理解することが難しいのですが、イップスになると今までできていたことが急にできなくなります。


アーニーエルス Mastersで6パット

ゴルフの映像ですが、トッププロがこんな短い距離を何故何回もミスするんだと思ってしまいませんか?

 


【中日二軍】 ルーキー桂依央利捕手はピッチャーへの返球がまともにできない・・・

こちらはプロ野球の2軍での映像です。

捕手が完全にイップスになってしまっています。

これでもひどいと思いますが、もっとひどい選手は投げた瞬間にワンバウンドしたり、意味不明な方向にすっぽ抜けたりしてしまいます。

イップスを経験したことが無い方は、歩き方だとかまばたきだとか普段全く意識しないで行っていることを意識的に行おうとしてみてください。

考えれば考えるほど動作が不自然になっていきます。

それが極度にひどいものがイップスだと考えてください。

こういった症状が出てしまうのがイップスです。

 

実は正確な原因や100%治る治療法というのは確立されていません。

明確な治療法は無く、克服出来るかはその人間次第である。最終的に克服出来たとしてもイップス発症から数年・数十年経過しているケースも珍しくない。

よく行われる治療法としては、最初は原因を発見して失敗した場面を直視することから始まり、無意識に身体が拒否反応しているので小さい部分から徐々に成功体験させて自信を体感させる行為がある。しかしこれは精神的に覚悟や開き直りを求める行為でもあるので新たに精神に負荷をかけてしまう恐れもある。また別に、単なるスランプや緊張からくるあがり、あるいは精神的な病気が原因ではなく、運動障害であるジストニアが疑われる場合には、職業性ジストニアの治療に準じた治療が少数の医療機関にて行われつつある。

https://ja.wikipedia.org/wiki/イップス より

メンタル面が主な原因と言われていますが、技術面が問題の場合のイップスもあると言われており、さらには上記にあるようにジストニアから来る場合など原因も多岐に及びます。

イップスを克服する方法も書籍やネット記事などで様々なものが挙げられていますが、どれも個人として「〇〇して良くなった」という類いの物で、こうしたら100%全員が治るという治療法は無い非常にやっかいなものになります。

 

私もいろいろな指導でイップスの選手を治そうと取り組んできましたが、完全に治療することはできませんでした。 

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内野手でイップスになってしまった選手にワンバウンドスローで投げさせることで試合に出場できるレベルにしたことはあります。

しかし、ノーバウンドで投げることはかなり難しかったです。

実は私自身も現在軽度のイップス(投げ方は気持ち悪いがなんとか相手に投げることができるレベル)で、いろいろな練習をしていますが、なかなか治りません。

プロ野球選手でもイップスが原因で引退してしまった選手が多数います。

引退までいかなくともソフトバンクの内川選手のようにコンバートを余儀なくされるケースも多いです。

イップスになってしまうとなかなか治すことは難しいので「イップスの選手を治す」よりも「イップスの選手を作らない」指導が非常に重要になります。

そこで今回はイップスになりやすい指導を紹介します。

そういう指導をできるだけしないようにしていただけたらと思います。 

 

メンタルによる運動障害「イップス」かもしれないと思ったら、まず読む本

メンタルによる運動障害「イップス」かもしれないと思ったら、まず読む本

 

↑こちらの書籍の河野先生は「イップス先生」として有名です。

私も2020年3月に河野先生のイップス研究所に相談に行かせていただきました。

やはりそこでも、まずは「イップスにしない」「予防をすること」が重要とおっしゃっていました。

別件になりますが、もしもイップスで悩む選手がいたらイップス研究所をおすすめします。

 

〇イップスになる恐れのある指導一覧!

1、暴投をすると指導者や先輩が怒鳴ったり、不機嫌になったりする。

…私は中学1年生のときにこれでイップスになりました。

怖い先輩がいて、送球をミスしたときに不機嫌になるので、その先輩に投げるときは細心の注意を払って投げるようにしていたらイップスになってしまいました。

それ以降、キャッチボールで正面に投げようとしても、投げた瞬間にワンバウンドしてしまったり、真横にすっぽ抜けたりするようになりました。

幸い、オフシーズンにノースローで過ごしたらだいぶ改善されました。

私の場合は先輩でしたが、指導者からのプレッシャーでなる選手もかなり多いです。 

基本的には技術的なミスに関しては技術指導をするべきです。

怒鳴れば良くなるわけではありません。

 

2、ストライクを投げないと捕らない。

…これもかなりイップスになりやすい指導になります。

よくコーチなど指導者自らバックホームのキャッチャーを務めたり、ファーストを務めたりすることがありますよね。

このときにボール球は捕らないなんて人もいます。

これもかなりのプレッシャーになるのでやめましょう。

ブルペンで指導者が受け、

「ミット動かさないからな!」

みたいなことをする人もいますが、絶対にやめましょう。 

 

3、リリースの細かな指示をする。

…スローイングやピッチングの際のあまりに細かすぎる指示をするとイップスになってしまうことがあります。

私は基本的にはリリースには触れないようにしています。 

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こちらの記事を参考にして欲しいのですが、正しいフォームで投げることを教えれば、大体のコントロールは身に着きます。

そこからの細かいコントロールに関してはリリースの問題になってくることが多いので、そこは自分で感覚を掴んでいくしかないと私は指導しています。

もし、指導者が「指をこういうふうに使いなさい」などといちいち細かく指示を出すと考えすぎてしまい、投げ方が分からなくなる選手が出て来ます。

私は別に誰かから言われたわけではないのですが、腕の振りを考えすぎて、現在絶賛イップス中です。 

 

4、ブルペンで指導者がキャッチャーの後ろに立ったり、バッターボックスに立ったりする。

…これは絶対ではないのですが、指導者の人柄や選手との関係性にもよります。

選手から見て、ものすごく怖い指導者がこれをやると選手はけっこうきついですね。

1とも被りますが、そこでコントロールミスを叱責されたり、間違えて当ててしまったりした場合にはイップスになってしまう危険性は高いです。

よく自分からバッターボックスに入っておいて、デッドボールを当てられて

「ふざけんな!」

という感じで怒鳴る人がいるんですが、あなたがふざけるなと思ってしまいます。 

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こちらの記事にも書いたのですが、藤浪投手は金本監督の視線を必要以上に気にしているようです。

阪神・金本監督 ドラ2小野を「1位以上の価値がある!」と絶賛

↑こちらの記事にもありますが、金本監督は毎年ブルペンでバッターボックスに立っています。

絶対にブルペンでバッターボックスに立つなとは言いませんが、金本監督は自分のキャラクターをもう少し理解してやらないといけないと思います。

記事の写真を見てもらいたいのですが、エルボーガードもヘルメットもしていません。

もし金本監督の頭部にでも当てたら、もう投手としてはやっていけなくなるかもしれないですね。 

 

以上、四つですがイップスになる恐れのある指導を紹介しました。

基本的には細かな部分にプレッシャーをかけることでなりやすいと言えます。

上記の例だけではなく、選手に無駄なプレッシャーをかけることは極力避けた方が良いと思います。

イップスは場合によっては選手生命を絶ってしまうような運動障害です。

指導者の手でイップスになる選手を出してはいけません。

今一度このような指導をしていないか振り返ってみてください。 

 

※追記 

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↑こちらの書籍もおすすめです。

 

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