部活動は人間形成の場!
日本一の礼儀を目指す取り組みをしました!!
〇堺ビッグボーイズさんに学ぶ
先日、フェイスブック上で興味深い記事を目にしました。
堺ビッグボーイズさんのブログ「まずはここから正しませんか」です。
そのブログでは相手チームのミスを期待して「やるぞ、やるぞ」ではなく、ファインプレーを称賛し、その好プレーを上回るプレーをしようという旨が書かれていました。
ブログの中ではっきりと技術はもちろんだが「人間力」が重要とはっきりと書かれています。
大変素晴らしいことだなと共感しました。
私は「人間形成」という言葉を用いさせていただいていますが、私が目指しているものと同じだと思いました(堺ビッグボーイズさんの実践には及ばないかと思いますが)。
そういえば、数年前に都大会に出場した子たちが「日本一の礼儀」を目指して、自分たちで決めたことがあります。
当時、私のチームには日本一委員会という組織があって、その委員会の子たちが中心になって考えた決め事です。(委員会については以下参照)
先の「まずはここから正しませんか」に関連していそうでしたから、その決め事を紹介したいと思います。
ちなみに、各項目は私のアドバイスをもとに子どもたちが決めたことですが、解説は私の文章です。
〇私が指導したチームの実践
1、立ち止まり、目を見て丁寧に挨拶をする。
…ちなみに私のチームでは、遠くの人には大きな声で挨拶をしますが、近くの人には常識的な声量で挨拶をしています。
社会人と一緒と常々言っています。
↑こちらの記事に書きましたが、野球部独特の謎の挨拶「オシャース!」は正しい挨拶ではありません。
「お願いします。」と正しい言葉遣いで挨拶をしましょう。
2、挨拶は一言で終わらない。
…「田口先生こんにちは。今日も練習よろしくお願いします。」などと、一言で終わらない挨拶を心がけます。
これも社会に出たときを考えてのものです。
一年生はなかなかできませんでしたが、慣れるとできるようになっていきます。
3、審判さんには必ず「お願いします。」
…時短のためにやらないようにと言われたときはしません。
ちなみになのですが、「先生」は尊称ですが、「審判」は尊称ではありません。
必ず「さん」をつけましょう。
同じく、「主審」「監督」も尊称ではないので「さん」をつけないと失礼です。
4、相手ベンチの前を通るときには必ず一礼して「失礼します。」
…コーチャーやランナーが戻って来るときですね。
そしてサッと走って来ないと邪魔になります。
5、ファインプレーやガッツあふれるプレーには敵味方関係なく賛辞を贈る。
…うちのチームでは必ず拍手プラス「ナイスプレー!」です。
敵味方関係ないというか敵のときこそ大きくやろうと言っていました。
そしてその後「うちも負けないぞ!」と声をかけあっていました。
相手を認めることは「人間形成」の大きな一歩だと思っていますし、お互いを尊重することで野球がもっと楽しくなりますよね。
6、キャッチャーの面を拾い、拭いてから渡す。
…インプレーの度にキャッチャーの面は地面に落ちます。
それを拾い拭いて渡す。
たったこれだけのことなのですが、お互いが気持ちよくプレーできるし、時短にもなります。
また、周りが見えていない子はこれができないので、社会に出ても気をつかえません。
「気付ける人になろう」と話をしています。
7、服装も礼儀の一部。
…ユニフォームをしっかりと着こなすことも礼儀の一部です。
ボタンを開けていたり、シャツが出かけていたりしていては相手に不快な思いをさせてしまいます。
これも社会に出て求められることですね。
意外に顧問が出来ていないことが多いです。
練習試合なのになぜかジャージ、ボタンが開いている、帽子をかぶっていない、帽子の上にサングラス(おしゃれ?)、全部実際に見たことがあります。
まずは大人が見本を見せましょう。
8、道具の管理も礼儀の一部。
…7と似ていますね。
バッグの置き方、フォアボールのときにバットは投げずに置くなど道具の管理も大切です。
それを見る人への礼儀でもあるし、道具を大切に扱うことは買ってくれた保護者の方への礼儀でもあります。
これも大人が見本を見せることが大切ですね。
バットを投げたり、ボールを蹴ったりする指導者を見たことがありますが、悲しかったです。
9、感謝の気持ちを大切にする。
…これが無ければいくら上記のことをがんばっても虚礼になってしまいます。
私のチームでは感謝をテーマに道徳を年に10回程度行いました。
その中で保護者の方への感謝、相手チームへの感謝、教えてくださる人への感謝、応援してくれる人への感謝、グラウンドで練習できることへの感謝、などなどみんなで考えていきました。
ときには保護者の方に手紙を書いたり、地域の人たちの家を訪問し、「応援いつもありがとうございます」と伝え、今後の練習日程を渡したりしました。
そうすると次第に虚礼ではなく、心から「ありがとう」という気持ちが出てきます。
子どもは顧問からの「感謝しろ」だけでは絶対分かりません。
みんなで考えるというステップが重要で、その中で子どもの口から「僕のお母さんは仕事で忙しいのに、いつもお弁当を作ってもらって感謝している」などと出てくると徐々に広まっていきます。
以上、日本一の礼儀への挑戦でした。
私は野球を通じて子どもたちの「人間形成」を目指しています。
上記のように書くとガチガチに縛ってやっているように感じるかもしれませんが、実際は「気持ちをこめて」「思いやりをもって」こういうところに気が付く人間になろうねという柔らかい雰囲気でやっています。
できないから怒鳴るというような指導は虚礼を作り出してしまうと思っています。
日本には野球ができる素晴らしい環境があります。
そこで多くの子どもたちが人間として大きく育ってくれたらそんなに嬉しいことはないですよね。
また、そのためにやるわけではありませんが、礼儀を大切にしているチームは強くなります。
「人間形成」は「組織作り」と強く結びついていて、「組織作り」は強いチームを作るためには必須だからです。
勝つために礼儀を重視するのではありませんが、礼儀を大切にすることは強いチーム作りにもつながります。
このあたりのことは以下の記事で詳しくまとめていますのでぜひご覧ください。
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※スポーツマンシップとも絡むかもしれません。
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