中学校野球部!絶対に強くなるヒント集

中学野球や部活動の経営をしている方々のお役に立てるように、野球技術のみではなく、組織づくりのことなど、野球部の経営に役立つ情報をどんどん発信していきます。また、野球小僧を育てたい親御さんに役立つ情報も掲載していきます。宮川理論の公認指導員です。

野球部の教科書~技術編4~ 走塁【2020年版】

ここまでの野球部の教科書~技術編~ 

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(走塁)

 

 よく走塁にはスランプがないと言われます(実際には少しありますが)。中学野球では特に走塁の出来が勝敗に大きく関わってきます。盗塁や走塁の基本的な考え方をこの項で学んでいきましょう。打てないときでも走塁で点を取れるチームを目指しましょう。ただ、気をつけて欲しいのは、「隙をつく走塁」や「走塁でプレッシャーをかける」ということ自体は良いことなのですが、あまりに度が過ぎて「フェアプレーの精神に欠く」というチームもあります。たとえば、キャッチャーゴロの際にわざと1塁まで内側を走る、ランダウンプレーでわざと転んでタッチを遅らせる、など…。そういったプレーは推奨していませんので、注意してください。

 

1、盗塁

①通常の盗塁を覚えよう。

…ピッチャーが足を上げたと同時にスタートを切る一般的な盗塁です。ピッチャーのクイック、球のスピード、キャッチャーの肩、などと自分の足の速さを比較し、セーフになる確率が高いと思った場合はこの盗塁を行いましょう。根拠があればどんどん行っても構いません。

 

 ②ディレードスチールに挑戦しよう。

…ピッチャーが投げ、キャッチャーミットにボールが収まってからスタートを切る盗塁です。多少のリスクがあるので、通常の盗塁ではアウトの可能性が高いときに行います。キャッチャーが膝をつけてキャッチングしていたり、セカンドとショートのカバーリングが遅かったりと隙がある場合は成功しやすいです。勇気がいりますが、意外と成功率は高いです。また、キャッチャーの返球が山なりだったり、雑だったりする際はそこを狙っても良いでしょう。ピッチャーのコントロールが荒れている場合は、キャッチャーが捕球の際に立ち上がることが多いので、ディレードスチールをやらない方が無難です。 

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③フライングスタート(秒数スタート)に挑戦しよう。

…ピッチャーが投げる前(セットポジション中)にスタートを切る盗塁です。ピッチャーの中にはセットポジションの長さがワンパターンになる選手がいるので、その場合や牽制の可能性が低いと感じた場合に利用します。セットに入って3秒でスタート、2回牽制をもらったらもう牽制はない、などと決めてスタートを切ります。ギャンブル性がかなり高く、リスクがあるため、外されて牽制死は仕方がないと割り切りましょう。右ピッチャーが一挙動の牽制しかしない場合も狙えます(牽制のタイミングと合えばボークとなる可能性が高い)。

 

④3盗をマスターしよう。

…3盗は普通にスタートを切ったら大体アウトになってしまいます。そこで、シャッフルを大きく取り、ピッチャーのリリース時に大きくリードが取れている場合に思い切ってスタートを切りましょう。コーチャーの声も重要になります。大きくリードを取れたとしてもピッチャーのスピードやキャッチャーの肩によってはアウトになる可能性があるので、バッテリーと自分の走力を天秤にかけ、事前にどうしたらセーフになるのか考える癖をつけましょう。

 

⑤3盗ギャンブルスタートを習得しよう。

…3盗のみで行う盗塁方法でフライングスタートの一種です。1塁にランナーがいるときと異なり、2塁にランナーがいる際は常にベースに内野手はいないというところを突く盗塁方法です。ピッチャーが投げる前(セットポジション中)でかつこちらを見ていないときに、ピッチャーを見ながらスタートを切ります。その際、3歩以内にピッチャーが振り向いたら、ストップして戻ります。3歩以上進んでいたらもうそのまま3塁へ向かいましょう。 

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 ⑥ホームスチールに挑戦しよう。

…意外と決まるのがホームスチールです。特に3塁への偽投が禁止になった現行のルールでは威力が高いです。行い方は数種類あって、一つ目はピッチャーがセットに入ると同時にスタートを切り、ボークを狙う方法。右ピッチャーの際に狙いやすいです。ただし、足音でプレッシャーをかけたり、ベンチから「ボーク!」とか「走った!!」という声を出してピッチャーにプレッシャーをかけたりするのはフェアプレーではありません。実際にそういうチームがあります。

二つ目は投げる前にスタートを切るフライングスタートに近い方法。これは左ピッチャーでモーションがクイックではない場合に狙いやすいです。特にキャッチャーが外角に構えている場合はチャンスです。

三つ目はキャッチャーが返球する瞬間にスタートを切る方法。無警戒で返球が山なりの時には成功しやすいです。いずれの場合も狙っている雰囲気をいかに隠すかが重要です。2アウトでバッターが打つ可能性が低いときなどは積極的に挑戦してみましょう。 

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2、走塁技術

①常に全力疾走で先の塁を狙おう。

…1塁への駆け抜けは塁審まで全力疾走、フライのオーバーランはアウトが確定するまで全力疾走を徹底しましょう。駆け抜けもオーバーランもベースを踏む時点でマックススピードになるように目指しましょう。外野前の打球もシングルヒットと決めつけずに常に2塁を狙います。また、2アウト時のフライやゴロの際の全力疾走は相手のミスで点が入るかどうかに大きく関わってくるので、特に要注意です。たとえアウトになったとしても常に全力疾走で先の塁を狙う姿勢は相手にとっては脅威です。

 

②1塁ランナーのリードは4メートル以上を目標にしよう。

…リードを大きくとることでピッチャーにプレッシャーをかけることにつながります。それでコントロールを乱してくれればチャンスは広がります。基本は左手を膝につけ、右手はだらんと脱力しておきます。リードの目標は4メートル以上にしましょう。帰塁は2歩走ってからのヘッドバックができるように練習しましょう(2塁ランナーの場合は危ないので足からのスライディング)。もちろん、個人差がありますので、4メートルを基本として微調整が必要になります。自分がどこまでリードできるかをしっかりと把握しておきましょう。

 

③左ピッチャーはさらに大きくリードを取ろう。

…左ピッチャーは速い牽制がありません。右ピッチャーのときよりもさらに大きくリードを取ることができます。特にワンバックというテクニックを身につけることで大きなプレッシャーをかけることができます。その代わりに第二リードはシャッフル一回だけで構いません。スタートも遅くして構わないのでリードの大きさでプレッシャーをかけましょう。左足を少し後ろに引いてリードを取ると帰塁しやすいのでおすすめです。左ピッチャーの場合はワンバックとワンゴーをはっきりと行うことが重要です。ワンバックをすれば5メートルリードを取ることも十分に可能です。 

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④外野への打球は自分で判断しよう。

…コーチャーはいますが、基本的にはほとんどの打球は自分で判断できます。ライト線など見えない打球はコーチャーに頼りますが、センターからレフトの打球は自分の判断でできるはずです。自分がバッターで左中間、右中間に打球を打った場合、2塁打は確定なので、1塁へはふくらみません。2塁がきわどいプレーになるときだけふくらむようにしましょう。 

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⑤ローボールスタートを習得しよう。

…走塁テクニックとしては必須です。先生はローボールスタートと言っていますが、呼び方は人それぞれで、「ローボールゴー」「ワンバンゴー」「軌道スタート」などいろいろな呼び方があります。ピッチャーが投げたボールがワンバウンドしそうだと思ったら、シャッフルの最後の右足に大きく体重をかけます(身体を先の塁に傾ける)。ワンバウンドしてからではなく、「ワンバウンドしそうだ」と判断したら行うのがポイントです。そして、実際にワンバウンドし、キャッチャーがはじいたらそのままスタートを切ります。もしキャッチャーが捕球したら急いで切り替えして帰塁します。キャッチャーがはじいてからスタートを切ると間に合わないことが多いのですが、このローボールスタートができるとセーフになる確率が大きく上がるので必ず覚えましょう。また、キャッチャーがローボールをボディストップするタイプなのか、ミットで捕りにいくタイプなのかを事前に見ておくことも重要です。常にボディストップのタイプはワンバウンドすると思った瞬間のスタートでローボールスタートがほぼ決まります。ミットでいくタイプは弾いた瞬間スタートでほぼ決まります。 

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3、コーチャー

①1塁コーチャーの役割

…走塁を極めようと思ったら、コーチャーの役割も非常に重要になります。1塁コーチャーは3塁コーチャーと異なり、ランナーが見えない打球を判断することはあまり多くありません。したがって3塁コーチャーの方がより高い技術が求められます。1塁コーチャーが重要となるのは、ランナーが2塁にいる場合です。ランナー2塁の場合、角度的に3塁コーチャーは2塁ランナーのリードが大きすぎたり、小さすぎたりする際に気がつきにくいです。1塁ランナーがどこまでリードを取れるのか大きな声で指示を出しましょう。また、2塁ランナーにセカンドとショートの動きを伝えることも重要です。この際には「1」「2」「3」の数字を用いて伝達します。「1」がセカンドかショートがベース付近にいる状態。「2」がベースから少し離れた状態。「3」は大きく開いた状態です。ランナーは「2」の際にリードを広げ、「3」の際にはスタートを切れるように準備をします。「ショート入った!」などという声かけは不要なので、「1、1、1、2、2、3!、3!」というように数字で伝達しましょう。

 

②3塁コーチャーの役割

…3塁コーチャーはランナーが見えない位置の打球も見えるので、それを伝達する重要な役割があります。特にセンターから右方向の打球をランナーが見るためには振り返る必要があるので、3塁ランナーが早めに大きくジェスチャーをして伝えましょう。ランナーが2塁にいる場合は1塁コーチャーと同じように「1」「2」「3」の数字でセカンドとショートの動きを伝えましょう。

 

③アンフェアな行為は絶対にしない

…いまだにコーチャーを用いてアンフェアな行為をするチームがあります。サイン盗みをして伝達したり、走っていないのに「走った!」などと声をかけたりしてプレッシャーをかけるような行為です。こうした行為はスポーツマンシップに反する悪質な行為です。こうした行為は野球というスポーツをつまらないものにする絶対に許されない行為だということをチームで共有しましょう。〇〇中野球部は疑われるような行為も含めて絶対にせず、見本となるチームを目指しましょう。「野球界の限界へのChallenge!!」です。 

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