教員の仕事は激務!?
この状態を改善するためにはどうしたら良いのでしょうか?
※こちらの記事は2015年に執筆したものです。現在とは状況、私の考えも異なりますのでご注意ください。
〇教員の仕事で削れるものはないものだろうか?
前回、教員の勤務の実態ということでお話させていただきました。
教員の仕事は多岐に渡り、定時までに終わらせることは難しいということ。
定時が17時前後までであるに関わらず、部活動終了時刻がそれよりも後に設定されているということ。
さらには、土日の部活動も常態化しており、休みもほとんどないこと。
以上のような勤務実態を正していく必要があるのではないかということについて述べさせていただきました。
ちなみに、教員の残業代はタイムカードで管理はされておらず、一律の割合(4%)で出るようになっています。
土日の部活動については、かなり安い賃金しか出ません。
以上のような勤務の実態をどうにかして良くしようと考えたときに、どうしても削れない部分があります。
それは「授業の質」と「生徒と関わる時間」です。
生徒に学力を身に着けさせること、生徒の人間的成長を助けることが教員の仕事の本分なわけですから、いくら勤務状況を改善しようとしても、この部分は削ってはいけません。
他の部分を削ってゆとりを持たせ、「授業の質」と「生徒と関わる時間」を確保しなくてはいけません。
また、本音を言えば削りたいけれども削れない仕事として「分掌・行事等の担当としての仕事」や「様々な書類作成」があげられます。
ここ数年で行事はある程度精選された感があるので、多くの学校でこれ以上はなかなか削除できないというところだと思います。
まさか運動会をやらないなどという選択は難しいでしょうから、残った行事の仕事はやらざるを得ないでしょう。
「様々な書類作成」もアンケートなどやらなくてもいいのでは?と思うこともあるのですが、体罰アンケートなど様々な社会的要因があってのものなので、なかなか削ることは難しいのかなと思いますし、これは学校裁量ではどうしようもありません。
では、削れるのは何だろうかと考えたときに、大きく二つ思いつきます。
〇削れる一つ目は授業!
一つは「授業」です。
あれ、さっき削れないと言ったじゃないかと思う方もいると思うのですが
「授業の質」は削ってはいけませんが、「授業の持ち時数」は削ることができます。
多い場合、週に20時間ほどになるため、空き時間が3時間程度しかなくなるという話を前回しました。
それだと本当に余裕がなく、遅くまで残業しなくてはならなくなってしまい、「授業の質」の低下にもつながりかねません。
そこで、授業の持ち時数を最大で15時間程度に減らしたらどうでしょうか。
そうすると週の空き時間が8時間程度になるので、かなりのゆとりが生まれ、その空き時間で仕事をだいぶ進めることができます。
持ち時数を減らすことで教師の数を増やしたり、講師を採用したりしなくてはいけないので当然お金はかかります。
しかし、教育の質を維持するためには必要な措置ではないのかというのが私の意見です。
また、現在多くの学校で少人数授業を採用していますが、この少人数授業は「費用対効果」がかなり低いことが分かっています。
この少人数授業を廃止すれば、少人数授業を採用している英語科や数学科の人員を減らし、その分を他に回すことができますから、持ち時数15時間でもそれほど人件費増にはつながらないのではと私は考えています。
↑少人数授業の費用対効果についてはこちらの書籍をご覧ください。
〇もう一つの問題は部活動!
もう一つ教員の負担を削減できることとして「部活動」があげられると思います。
前回あげたように定時が17時なのに部活動は18時半や19時までというのは明らかに矛盾しています。
また、位置づけとしても「教育課程の一環ではあるが教育課程内ではない」といったように非常にあいまいです。
有名なブログ「公立中学校部活動の顧問制度は絶対に違法だ」の中でブログ主の方が述べているように、全員顧問制を敷いている学校があったりなかったりします。
顧問をしなくてはいけない法律的な定めはないのです。
したがって、全教員に顧問をやらせるかどうかは管理職裁量で、顧問を引き受けるかどうかは個々の教員の判断になります。
とにかく全てがあいまいなのです。
そんな中、多くの学校で教員のほぼボランティアによって部活動がさかんに行われています。
休憩時間であっても、勤務時間を過ぎていても、土日であっても、教員の善意で行われているわけです。
この状況を普通だと思ってはいけないと思います。
ここの部分にメスを入れていかないと教員の勤務状況はいっこうに改善しないのではないでしょうか。
では、どうメスを入れたら部活動は良くなるのか次回提案したいと思います。
↑こちらですが、現在とはずいぶん考えが変わっています。
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