野球ノートの取り組みは行っていますか!?
上手に活用すれば選手のためになる一方、選手の負担になってしまう場合もあります。
選手の学校生活を考えた上で取り組んでみましょう!
〇野球ノートの効果とは?
みなさんは野球ノートを選手に書かせていますか?
高校野球の多くのチームも野球ノートの取り組みを取り入れているようです。
中学野球部でも取り組んでいるチームは増えているようですね。
↑こういった書籍シリーズも人気です。
私も高校生のときは毎日野球ノートに練習の内容や個人の反省、先生からいただいたお話しなどをまとめて書いていました。
練習試合などで他の中学校の先生とお話しをすると書かせているチームは半分くらいでしょうかね。
また、野球部に関わらず、他の部活動でもノートに反省を記入させる取り組みは一般的になってきているようです。
私の勤務校でも、バスケットボール部やバレー部、サッカー部などで部活ノートを取り入れています。
野球ノートの効果としては以下のような内容があげられます。
①練習内容を記録しておくことで、その後の自主練などに活かすことができる。
②野球ノートに書く作業を行うことで、その日の練習を自ら振り返る時間をもつことができる。
③指導された内容を書いておくことで、後日振り返ることができ、スランプ脱出などの効果が期待できる。指導内容の復習ができる。
④書き続けることで自身の努力が積み重なり、自信につながる。
⑤顧問が添削することで、選手へアドバイスを送ることができる。
このように良いところはたくさんあります。
〇デメリットはないのか?
しかし、野球ノートの取り組みをする上で注意しなければいけないことがあります。
それは書かせる内容や、量によっては選手の負担がかなり大きくなってしまうということです。
以前、野球部の教科書で野球ノートについて触れたときに、私は1行でもいいから書くように指導すると書きました。
そして、提出できない場合は書き終わるまで練習に参加できないなどと取り組んだこともあるのですがやめました。
これでは選手も私もあまりに負担が大きいと感じたからです。
1行でもいいとは言っても、多くの選手は一生懸命に書いてきていました。
おそらく家で30分以上かけて書いていたのだと思います。
また、家で書くことができなかった選手は残念なことに学校で書いていて注意されることもありました。
ごく稀にですが、意識の低い選手が授業中に書いていたこともありました。
これはまだチームが成熟していなかった時期でしたが、今考えるとその選手だけではなく、私にも責任があったと思います。
また、私も丁寧に添削することがなかなか困難でした。
部活のノートを見るよりも先にやらなくてはいけない仕事が増えたからです。
そんないろんな経緯もあり、現在は野球ノートの回収を基本は週1回としています。
しつこいですが、私は野球部の目的を「人間形成」としています。
また、文武両道も目指していますし、部活よりも学校、学校よりも家庭が大事だということも話しています。
それを考えたときに、野球ノートを毎日提出することは負担が大きすぎると感じたからです。
もう一度言いますが、真面目な子は毎日1時間近くかけて、1ページは野球ノートを書いてきます。
また、書くことは苦手な子はほんの少しの量でも30分以上かかっているようでした。
生徒は部活動を終えて19時ごろ帰宅し、夕食を食べたら20時くらいだと思います。
そこから野球ノートに30分~1時間もとられていては家庭学習をする時間も、家族と話をする時間も無くなってしまいます。
また、生徒によっては部活動の後に塾や習い事に通っている子もいます。
そういった事情を考えると、野球ノートの効果は分かっていても、他のことに支障が出るのであれば毎日書かせることはどうなのかなと思ったのです。
だからといって、ほんとに簡単な内容の野球ノートだと効果は薄いでしょうから、時間があるときにしっかりと書かせて、週に1回提出という方針に落ち着いたということです。
生徒は部活動だけで生活しているわけではありません。
学校生活、家庭生活も大切にできるように指導をすべきではないかと思います。
ただ、週に2~3回のシニアやボーイズの活動であれば、書く余裕はあると思いますから、毎回の練習を振り返らせることはアリだと思います。
もし仮に5分程度で書ける内容で効果をあげようと考えるのであれば、ノートに工夫をすると良いと思います。
たとえば、顧問がパソコンで書式を作る。
月 日( )
自分の反省(1・2・3・4・5)
( )
チームの反省(1・2・3・4・5)
( )
こんな形だと5分程度で記入できてちょっとした効果も期待できるかもしれませんね。
私の意見は野球ノートの効果を否定するものではありません。
むしろ野球ノートの効果は非常に高いと思っています。
野球ノートを活用する場合は、選手の生活への負担とのバランスまで考えて取り組もうということです。
安易に取り入れるのではなく、どういう行い方が最善なのか考えてから取り組むようにしてみてください。
以上、野球ノートについて私の意見でした。
※追記
フォーマットがおすすめできるベースマン野球ノートが新発売になりました。
ぜひこちらの記事をご覧ください。
どうせノートを用意するのであればこちらも良いかもしれません。
※さらに追記
近年は「野球ノート」ではなく、「質問ノート」という形式にしてみています。
なかなか効果が高く、おすすめです。
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