高校入学後は任せるしかない部分が多い!
というか任せましょう!!
親御さんの力が特に必要になるのは入学までです!!
〇いよいよ高校生!
野球小僧を育てたいパパさんとママさんのために中学校教員だからこそできるアドバイスをしています。
前回まで3回にわたって書いてきました。
今回はいよいよ高校生期になりますが、どちらかというと高校入学までのほうがパパさんママさんにとっては大変なときになると思いますので、そちらを中心に書いていきたいと思います。
前回までの記事はこちらです。
【高校生期のポイント】
①まずはお子さんの野球の実力をお子さんと一緒に客観的に把握する。
②高校野球での優先順位をお子さんと話し合う。レギュラーでなくても甲子園に行きたいのか、レギュラーになりたいのか、プロに行きたいのか、大学野球を目指すのか。
③高校を何度も足を運んで選ぶ。試合だけではなく、練習も見る。また、もしOBと接触できれば話を聞いておく。
④野球人生のその後も検討する。どんな職業につきたいのか、野球に携わっていきたいのかなど。
⑤選んだ高校に入学できるのか顧問の先生、担任の先生と入念に相談する。
⑥高校入学後は今までと違って、技術的なアドバイスをするのではなく、精神的な支えになれるようにする。
ということでほとんど入学前のことになります。
もう15歳も過ぎて大人になってきていますし、野球の技術的にはパパさんママさんが指導できる範疇を越えてきていると思います。
ここからはどちらかというとパパさんママさんは精神的な支えとしていろんな相談にのれるようにしたほうが良いと思います。
まず、お子さんの野球のレベルを把握しなければいけませんが、これは率直に指導者に聞くのが良いと思います。
現状まだ足りないところがあっても、「身体が大きくなれば高校でも十分に通用する」「今はチーム事情でピッチャーだけれど、高校ではバッティングで勝負できる」など、パパさんママさんが試合を見ているだけでは分からないところも教えてくれると思います。
また、夏休みなどに行われる練習体験の際に高校の指導者の方から意見をもらうということもできればしておきたいです。
こうしてお子さんのレベルを把握できたら実際に高校を選ぶわけですが、
「たとえレギュラーになれなくても甲子園に行きたいのか」
「レギュラーになって試合で活躍したいのか」
などをお子さんと徹底的に話し合って欲しいと思います。
また、高校野球の後はどうしたいのかも重要です。
プロ野球を目指して大学に行くのか、野球は高校までで就職したいのか、大学に行って教職に就きたいのかなどまでも考えないと後々困ることになります。
これはパパさんママさんの非常に大事な役目で、お子さんはまだそこまで深く考えていない場合がほとんどです。
中学3年になったあたりからこのあたりの話し合いを入念にして欲しいと思います。
硬式クラブチームの場合、高校野球とパイプがあるのは良いことなのですが、そのパイプを切らないようにするために指導者のほうから「〇〇高校に行ってみないか?」と声をかけてくることがあります。
その高校もそこそこ有名な私立だったりするので、子どもは「〇〇高校から声がかかった!」などと浮かれてしまうこともあります。
本当に実力があって声がかかるのであれば良いのですが、そうでない場合、そこまでの実力もなく、ただパイプを切らないために野球留学させられ、3年間スタンドで応援するということになってしまいます。
ですから、指導者から声がかかったとしても、家族で入念に話し合って、結論を出すようにしてください。
私が担任をした生徒でもそういった子がかなりいます。
もちろん、私はクラブチームでの練習の様子を見ているわけではないですし、その子の実力や伸びしろを把握できているわけではないのですが、
「運動能力も普通で、クラブチームでもレギュラーではないこの子が本当にあんな強豪校に野球留学するの!?」
というケースがかなりありました。
そして、そういうケースで高校進学後に素質が開花し、レギュラーになったかというと、やはり厳しいです。
というか、超強豪校に進学した生徒はみんなベンチにすら入れませんでした。
それでもいいのかお子さんと入念に話し合うようにしてください。
個人的にはおすすめしません。
もし野球留学を希望する場合は、できれば一度寮生活の様子を見せてもらいたいところです。
また、OBの方と連絡が取れれば連絡を取り、部活動の様子だけではなく、寮生活の様子も聞くようにしてください。
さらに、ネットで野球部の評判を調べたり、SNSなどを駆使して、その学校の野球部の生徒の様子も見たりすることができたらなお良いです。
野球留学は本当に大変です。
他の高校生の数倍は大変だと思います(私は経験ありませんが、生徒を何人も送っています)。
せっかく野球留学するのですから、環境の良いところを選ぶべきです。
中には顧問の目が届いておらず、寮生活がめちゃくちゃで、言い方は悪いですがクソ野郎のたまり場のような部屋があるところもあると聞きます。
また、四六時中一緒ですから、悪質ないじめが横行している場合もあるようです。
できるだけ事前に情報を入手し、きちんとした寮生活を送れる学校を探すのは保護者のの方の仕事かもしれません。
また、当然野球留学でない場合も事前に情報を入手することは非常に重要です。
特に「部員数は多いのに近年結果に結びついていない高校」は組織がうまくいっていない可能性が高いので地雷です。
過去に実績があっても注意する必要があります。
また、当然高校ですから、無条件で入れるわけではなく、入学試験が行われることになります。
野球推薦という形になる子もいると思うのですが、今までの進路指導の経験上、「学校の成績は全く関係ありません」という話は聞いたことがありません。
過去にトラブルになった例として、クラブチームの指導者の人に「〇〇高校に話をつけておいたからもう大丈夫。学校の先生にもそう伝えなさい。」と言ってもらった子がいました。
こちら側からすると野球推薦で話がついたのだと思っていたら、実は入試に合格したら「野球部に受け入れる」という話で、その子は内申に「1」があったのでその話自体無くなってしまったということがありました。
いくら「野球推薦」といった形でも当然高校では授業も受けることになるので、授業についていけないと困るわけですから、内申の基準はあります。
したがって学校の成績を全く無視して高校に行けるということは、とんでもなくスーパーな選手以外はほとんどありませんので、その点も注意してください。
そうして高校に入部したら厳しい練習が待っていることと思います。
入部できても最後まで続けられるかどうかはまだ分かりません。
最後まで悔いのないようにがんばれるように支えるのがパパさんママさんの仕事になってくると思いますのであとひとふんばりがんばりましょう。
くれぐれもモンスターペアレントにならないように気をつけてくださいね。
ということで以上、高校生期でした。
ちなみに高校選びに関してはこちらの本が非常に参考になります。

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今回で野球小僧を育てるためのアドバイスは終わりになりますが、何か質問などありましたらお気軽に相談ください。
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