自主練習はどのようなメニューを行っていますか!?
やみくもにやるのではなく、自分に何が必要か考え、効果が高いことをやりましょう!
もちろん、個人の目標と関連させて行う必要があります!
〇せっかくやる自主練は短時間で効果のあることをやろう!
私は家での自主練習について部活動通信に掲載し、どのような自主練習をしたら良いかアドバイスしています。
今回は野球部の家での自主練習についてまとめてみます。
もともとは部活動通信に掲載したものを土台としていますが、毎年改訂しています。
現在の物は2024年版です。
〇家での自主練習について
いつも言っているように、一番大切なものは家族、その次が学校、最後が部活動です。
したがって、家に帰ったら一番大切なことは家族との団らんを大切にしたり、お手伝いをしたりすること。
そして、宿題をしたり、授業の予習や復習をしたりすることが重要になります。
そこまでをしっかりとできるようになったら、野球の自主練習に挑戦してみましょう。
やらなければいけないことを終えてからの時間ですから、10分でも20分でも構いません。
以下に効果のある自主練習を紹介しますので、自分で考え、日常生活に支障のない範囲で取り組んでいきましょう。
1、おすすめする自主練習
①素振り
…普段の学校での練習では絶対的にスイング量が足りません。
そこで、少しは自主練習で素振りをできると良いのですが、気を付けなくてはいけないことも多々あります。
とにかく数をこなすことでスイングする力はつくかもしれませんが、誰も見ていないところでやみくもに力任せに振ると、軌道がおかしくなったり、オーバースイングでケガをしたりするリスクがあります。
おすすめは宮川理論のL字逆手や4足などの脱力して行う素振りです。
以前お話しした素振りのまとめと宮川理論の記事を参考にしてください。
また、携帯電話やデジカメでフォームを確認することができるならフォームの確認もできるので、先生に言われたフォームのチェックをしても良いと思います。
雨天の際には室内でブラッシングやプラバットでの軌道確認がおすすめです。
※ブラッシングは手塚一志氏が提唱している骨盤を動かす練習です。
②ゴロ捕球
…普段の学校で教えているゴロの捕球を丁寧な形でとにかく数をこなしましょう。
おうちの人に転がしてもらえるならお願いしてもいいでしょうし(ただしお礼はしっかりと)、壁に当ててやってもいいと思います。
守備はとにかくこの基本の繰り返しで上手くなります。スローはしなくても良いですが、持ち替えとステップまではしっかりとやりましょう。
雑にやると学校で練習している意味が無くなってしまうので、「グラブを叩く」「ステップをしっかり」といった注意点をしっかりと意識して行いましょう。
③シャドウピッチング
…できれば鏡の前で行いましょう。
投手をやりたい人は非常に重要です。
タオルは使用せずに行うBPL理論式がおすすめです。
ただし、肩は学校での練習で酷使されています。
フォームの確認に留めておきましょう。
ピッチングフォームについてはこちらの記事を参考にしてください。
この際にピッチング全体の練習を行っても良いのですが、基礎を習得するためには分集法がおすすめです。
・セットから接地までの練習
・リリースからフィニッシュまでの練習
などといったように動作を細分化して反復練習すると良いと思います。
④天井投げ
…天井投げは肩にほとんど負担がなくリリースの練習ができるのでおすすめです。
室内でやる場合はテニスボールでも構わないと思います。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
また、リリースに課題がある選手の指導についてはこちらの記事を参考にしてください。
⑤ストレッチ
…普段学校で行うストレッチをより丁寧に時間をかけて行いましょう。
柔軟性を高めるとともにケガの予防になります。
お風呂に入った後に行うとさらに効果が高まります。
こちらの筋膜リリースもおすすめです。
⑥チューブトレーニング
…チューブでインナーマッスルを鍛えます。
これもケガ予防になるので、積極的に行いましょう。
また、インナーマッスルを鍛えると力まずに腕を強く振れるようになるので、遠投力がつき、速いボールを投げることができるようになると言われています。
特にピッチャーをやりたい子は毎日行えるといいですね。
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チューブは一般に市販されているもので大丈夫です。
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⑦体幹トレーニング
…腹筋や背筋など回復力の高い筋肉は毎日鍛えてもかまいません。
ダイヤゴナルクロスや片手片足伸ばしなど体幹を鍛える時間は平日なかなかとれないのでおすすめです。
ただし、腹筋や背筋は正しいフォームで行わないとケガをするおそれがあります。
こちらの記事でおすすめしている腰割りもおすすめです。
⑧野球の知識を身に着ける
これは自主練習とはちょっと異なるかもしれませんが、野球関連の本を読んだり、インターネットで調べたりすることも重要です。
現在は様々な理論が提唱されていますし、野球のルールについて学ぶことも上達への近道になります。
最近はYouTubeでも参考になる動画がたくさんアップされていますね。
2、おすすめしない自主練習
①ハードなランニングやダッシュ
…中学生の体力では普段の学校の練習で疲れてしまっています。
ランニングやダッシュは使う体力のわりに野球の技術にすぐ結びつくわけではありません。
疲れて朝起きられなくなったり、家庭学習ができなくなったりするのが目に見えているのでおすすめしません。
効果がないわけではないので、オフの日に行うのは良いと思います。
特にシンスプリントにならないように注意してください。
②キャッチボール
…普段の学校での練習で十分に肩は酷使されています。
先生は学校での練習で投げている量だけを考えてみんなのコンディションを把握し、メニューを考えています。
自主練習で肩を酷使してしまうと先生が思っている以上の球数を投げてしまい、ケガにつながってしまいます。
特に本気のピッチング練習はやめておきましょう。
逆に長期のオフ(テスト休み、盆休み)などには軽くでもいいのでたまにキャッチボールできるといいですね。
③ノック
…友人と一緒にノックをしたり、おうちの人に打ってもらったり、楽しいかもしれませんがおすすめしません。
グラウンドと同じようにできるならいいのですが、こういうノックで雑なキャッチングが身についてしまうことは非常に多いです。
やるなら手で転がしてもらうゴロ捕球やショーバンにした方が短時間で効果は高いです。
やる場合は普段の練習と同じく丁寧にやることが条件になります。
④高負荷な筋力トレーニング
…いろんな説がありますが、先生は中学生には自重筋トレで十分だと考えています。
ダンベルなどを使った高負荷なトレーニングは高校生になって身体ができてから行いましょう。
腕立て伏せなどの自重筋トレなら行ってもかまいません。
ただし、終わったあとには必ずストレッチを行いましょう。
⑤マスコットバットでのマン振り
3キロ鉄バットを100スイング!普通のバットがおもちゃに感じるレベル
当たり前のようにマスコットバットを練習で用いているチームが多いですが、高校生ならまだしも、小学生や中学生のように身体が出来上がっていない選手が1kgなどの重いマスコットバットを繰り返しスイングするとオーバースイングで腰を痛めてしまいます。
特にいわゆる「マン振り」のように、全力でスイングしてしまうと故障のリスクがかなり高くなってしまうので、自主練習でもやらないようにしましょう。
もし、重いバットを振りたいのであれば、普段使用しているバットよりも少しだけ重い物にする程度にしてください。
以上のことを参考に「自分に必要な練習は何なのか」ということをしっかりと考え、せっかくやるのならば意味のない時間にならないように取り組んでみましょう。
くれぐれも家庭生活→学校→部活動の順番を忘れずに
「自主練で疲れて家でだらしない」と本末転倒にならないようにがんばっていきましょう。
以上、「野球自主練習マニュアル2024」でした。
上記はあくまでも私の考えです。
人によっては自主練習でノックやランニングをすすめる人もいるかもしれません。
それはそれでかまわないと思います。
ただ、肩の酷使だけはやめるように年度初めに確認しておいた方が良いです。
いくら顧問が球数や肩のケアに気を使っても、帰宅後に全力投球をして故障、よくあるパターンです。
この時期に自主練習についても部員に周知することは非常に重要だと思いますので、ぜひ自分なりにアレンジして配布してみてください。
また、自主練習を行う際には「個人の目標」とリンクしていることが大切です。
個人の目標があって、それを達成するために自主練習をするのだということをミーティングでしっかりと浸透させたいものですね。
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