ピッチャーを指導する際にどこを見たらいいか困っていませんか!?
こちらのピッチング指導チェックリストをご活用ください!!
〇投手の指導で大切なこととは?
以前ピッチャーの「原点」についてお話ししました。
今回は引き続き投手育成ということで、ピッチングの基本についてお話したいと思います。
ピッチングはバッティング以上に個人の感覚に左右される部分があります。
特にリリースについては指導で変えることはなかなか難しく、逆に過度な指導はイップスに陥ってしまう可能性があります。
↑イップスについてはこちらをどうぞ。
しかし、リリース以外の部分はどんな投げ方であれ、共通して言える部分も多くあります。
そこで、ピッチングの基本についてチェックリスト形式で作成してみましたのでご覧ください。
できるだけ、どのピッチャーにでも言えることをまとめましたが、ピッチングは指導方法がかなり多様なので異なる意見ももちろんあることをご理解ください。
【ピッチングの基本チェックリスト】
1、ワインドアップの際に肘を内側に絞れている。
…外側に開いたときよりも内側に絞ったときのほうが背筋を使えます。
ピッチャーに実際に両方試させると違いがすぐ分かります。
意識しているかは分かりませんが、前田健太投手はしっかりと内側に絞っています。
ちなみに巨人のマシソンは…
開きまくって160km…( ゚Д゚)
2、足を上げた際にしっかりと軸足で立てている。
…練習では軸足で3秒キープしてから投げるなど、軸足に体重をしっかりと乗せることが大切です。
足を上げたらすぐにキャッチャー側に突っ込んでしまう子が多いので、この項目は要注意です。
こんな感じで練習しましょう(私がふらついてる…。
この点に関しては練習さえしていれば「3点スイッチ」指導であっさりと修正できます。
詳しくはこちらの記事を読んでいただきたいのですが、足を上げた際に「ピッ」と言ってあげる、意識させてあげるだけで軸足でしっかりと立てるようになりますよ。
ちなみに、4スタンス理論のA1とB2のクロスタイプの選手はこの際に軸足と自由な足を交差させた方が投げやすいです。
3、前へ踏み出す際に軸足の膝が3塁側(左投げは1塁側)に折れていない。
…股関節を使い、キャッチャー側に倒れていくのが正解です。
3塁側に膝が曲がると股関節の力が逃げます。
そのせいでボールが行かず、力んで肩を痛めてしまう子もいます。
練習方法としては手塚一志氏の「かませ歩き」が有効だと思います。
詳しくはこちらの書籍DVDで紹介されています。
また、前に体重移動していく際に、軸足の膝が極端に内側に絞られていると、そこから回転できる範囲が狭まってしまいます。
軸足の膝は少し外側を向くくらいのつもりで接地に向かってください。
4、踏み出す足が接地する際につま先及び膝が開いていない。
…膝から踏み出す意識だと開きやすいです。
開くとボールはシュートしますし、肩を痛めやすくなります。
個人的には足や膝を下ろす意識よりもお尻から出していく意識の方が開きにくいと思います。
アウトステップは修正した方がいいですが、多少のインステップなら大丈夫です。
ひどいインステップは故障の原因になるのでそれまた気をつけましょう。
ブルペンにラインを引くといいと思います。
5、踏み出す足が接地した瞬間(直前)に利き腕と軸足との間でCアーチが作れている。
…接地した瞬間で動きを止めてみるか、動画で確認してみてください。
接地した瞬間は利き腕の手がまだ下にあり、ボールがセカンド方向を見ているのが正解です。
どんな投げ方でも利き腕と軸足との間にCの形(Cアーチ)ができるはずです。
接地時にCアーチができているのが確認できると思います。
また、この接地時にも軸足の膝が内側を向きすぎていると回転円が狭くなってしまい、強いボールを投げることができなくなってしまいます。
接地した瞬間はまだ膝が外側を向いているようにしましょう。
6、投げ終わりの際に踏み出した足で立つことができる。
…投げ終わりの際にすぐ右側に倒れてしまう、後ろに倒れてしまう、前に突っ込んでしまう、全部ダメです。
踏み出した足で立っていられるバランスでフィニッシュできれば良いバランスです。
これも上の大谷投手の動画を見ると分かると思います。
が、しかし、メジャーではこの投げ方ではない投手も多く存在します。
キンブレル投手ですが、私が言うように踏み出した足でしっかり立っていないですよね。
1塁側に倒れるようなフィニッシュをしています。
実はメジャーではこのようなフィニッシュの投手が多く、そのことについて、
BPL理論で有名な塚口洋祐氏が「ターン&タンブル」として提唱しています。
私も挑戦してみたのですが、なかなかしっくりきます。
どちらが正しいとは言えないと思いますが、試してみてしっくりくるほうにしてみてはいかがでしょうか?
BPL理論については以下のリンクをどうぞ。
個人的には日本式フィニッシュとMLB式フィニッシュの間を取った「ターンフィニッシュ」を推奨しています。
《THE FEATURE PLAYER》あふれる躍動感!! L菊池 『脚ピン奪三振』まとめ
ライオンズの菊池投手のようなフィニッシュですね。
軸足が身体の前方に来るものの、MLB投手のようにグラブ側に倒れはしないフィニッシュです。
このフィニッシュだとコントロールとスピードを両立しやすいです。
ぜひ試してみてください。
以上、ピッチング指導チェックリストでした。
当然指導する際にはこれ以外の部分で個人個人に合った指導をします。
しかし、上記の項目については共通してピッチャーに指導しています。
上記の項目ができるようになった子を試合に使うようにしたり、新しい変化球を教えたりしています。
よろしければピッチャーの指導の際にご活用ください。
これ以外にももちろん指導することはありますので、ご質問等ありましたらお気軽にどうぞ。
また、ちょっとルールが複雑なボークについては以前まとめていますのでご覧ください。
バッティング指導チェックリストはこちら。
変化球シリーズはこちら!