そのリード、本当にピッチャーが投げやすいリードですか?
ピッチャーの力を引き出すのもキャッチャーの仕事です!!
〇キャッチャーのリードについて考えてみましょう!
今回はキャッチャーの「リード」についてお話したいと思います。
以前、野球部の教科書の技術編でも簡単に触れました。
よく練習試合などで
「あそこはインコースだろ」「なんで真っ直ぐだったんだ」などという声を聞くことがあります。
そのような結果論的なリード指導には疑問です。
私はキャッチャーの配球はまずは「いかにバッターが打ちにくいリードをするか」ではなく、「いかにピッチャーが投げやすいリードをするか」だと考えています。
私は大学時代にピッチャーでした。
サイドハンドで、球はそこそこ速いものの、あまりコントロールのつくタイプではなく、四球から崩れてしまうことも多かったです。
キャッチャーもいろんな人と組みましたが、一番投げやすかったのは私が一番ストライクを取れる球種、コースを要求してくれる人でした。
インコースは抜けてしまうことがあるので、基本的には外角を中心に組み立ててもらえると投げやすかったです。
そうしたリードの場合、結果として打たれることもありましたが、四球で崩れることは少なかったです。
一番困るのは、「このバッターはインコースが苦手だから」と言ってインコースばかり要求される場合です。
その結果真ん中に甘く入って打たれる。もしくはデッドボールになる。
それで「コントロールが悪い」と言われる。
これは一番悔しいパターンでした。
自分でもそこに投げきれないのは分かっているわけです。
分かっているのに「バッターが打ちにくいリード」にしたがために打たれてしまう。
これは果たしてベストのリードでしょうか。
もちろん、一番良いのはピッチャーにコントロールがあって、「いかにバッターが打ちにくいリードをするか」できることです。
高いレベルで勝つためにはこれが必要になるでしょう。
実際、私の大学でもエースはそんなピッチングができていました。
そういうピッチングができなかったから私は大学時代エースにはなれなかったわけです。
さて、小学校・中学校のレベルではどちらの選手の方が多いでしょうか。
そこまでのコントロールがないピッチャーが圧倒的多数だと思います。
また、ある程度のコントロールがある子であっても、試合の緊張感の中で常に投げきれるメンタルを持っているかというと、それもまたないと思います。
ですから、中学生までは「いかにピッチャーが投げやすいリードをするか」がベターだと思うわけです。
そのピッチャーによって投げやすいコース、球種は違うと思います。
そこはバッテリーでしっかりと意見を交換し、「ピッチャーの投げやすいリード」を作り上げていく必要があります(キャッチャーの構えも合わせて)。
よく、ブルペンなどでインコースの出し入れなど練習しているケースを見かけますが、基本は外角低め、いわゆる「原点」に投げることが中心であるべきだと思います。
※原点についてはこちら。
私はインコースに投げる練習はほとんどさせません。
高い確率で外角にコントロールできるようになって初めて内角という選択肢が出てくるわけです。
その内角という選択肢が出てくるのは高校生になってから(もしくは高校生級の選手になってから)でもいいのではないかなというのが私の持論というわけです。
その場合も「ピッチャーの投げやすいリード」の中でバッターの打ちにくいボールも混ぜていくという発想が良いと思います。
それでは勝てないのではと思われるかもしれませんが、外角低めにコントロールできるなら都大会レベルまでは十分勝てます。
以上、「リード」について考えてみました。
ちなみに、同じ理由で
「追い込んでから一球外す」もいらないと思っています。
賛否あると思いますが、参考になれば幸いです。
高校生レベルになると里崎氏の考え方は参考になると思います。
〇里崎氏が語る「配球」と「リード」の違い!
配球とリードは違います。配球とは机上の理論。
でも、こちらのピッチャーのレベルや調子、相手のレベルや調子、状況によって、幾万通りと違ってきます。
それに応じてボールを選択していくのがリードです。引退・ロッテ里崎が野村克也氏、古田敦也氏より優れていた知られざる記録 (THE PAGE) - Yahoo!ニュース より
里崎氏が引退後のインタビューで語っていた「配球」と「リード」の違いの説明です。
こちらを見ると、私が上記で話したことは「配球」よりも「リード」が大事だということになるかと思います。
当然、理想の「配球」を考えることは大事です。
しかし、投手がその「配球」を投げ切る力が無ければ意味はありません。
やはり投手に応じた「リード」が大切になってくると改めて感じる里崎氏の言葉ですね。
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