「荒れた学校」よく聞きますが、なぜ荒れるのでしょう?
〇学校はなぜ荒れるのか?
その手抜きが荒れをまねく―落ち着いているときにしておく生徒指導
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荒れには必ずルールがある―間違った生徒指導が荒れる学校をつくる
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さて、今回はいろいろと思うところがあって
「学校が荒れる理由」について書いていきたいと思います。
「荒れた学校」については人それぞれ基準があって、どこからが荒れているか異なると思います。
授業が成り立たない学校、不登校生徒が多い学校、いじめが多い学校、校内暴力がある学校、指導が入らない生徒がたくさんいる学校、人それぞれイメージするものが違うのではないでしょうか。
そこの定義までは書かず、みなさんの基準におまかせし、「学校が荒れる理由」について書きたいと思います。
私の勤務校は現在でこそ非常に落ち着いている学校と言われていますが、私が赴任した8年前は市内で一番荒れていると言われてしまっている学校でした。
私も赴任したばかりで勝手が分からない中、一生懸命指導にあたりましたが、なかなか改善せず、校舎は穴だらけ、校内暴力、いじめ、喫煙、万引き、そんな対応に毎日追われる日々でした。
そんな中、あるとき、他校の野球部でお世話になっている先輩教員(非常に尊敬している方です)とお話をしたときにそんな現状を愚痴ると、その先生からこんな問いかけをされました。
「田口くん、なんで学校は荒れるか知っているかい?」
私はそんなこと全く考えたことがありませんでした。
少し考えて、「特別支援が必要な子が多いからですかね?」と答えたことを覚えています。
それを聞いてその先生は、
「大人が子どものことを好きじゃないからだと思うよ。」とおっしゃいました。
正直そのときは「えっ、こんなにがんばっているのに我々のせいだって言うのか」と一瞬ムッとしてしまいました。
しかし、その先生の言葉を自分の中で何度も反芻し、普段の自分たちのふるまいを振り返ってみると、その先生の言わんとすることが分かってきました。
「またアイツか」、「あの子どうしようもないな」、「もういいかげんにして欲しい」
そんな言葉を職員室で平気で口にしている自分、教員集団に気付きました。
確かに生活指導に追われ、みなさん疲れ切っていたと思います。
しかし、そんな私たちの姿勢、子どもたちの見方はきっと子どもに伝わってしまっていたのでしょう。
〇全ての子を絶対に見捨てないという信念を!
もちろん、「学校が荒れる理由」は一つではないと思います。
家庭の貧困、校舎の環境、親の育児放棄、などなどいろいろな理由があるでしょう。
しかし、「大人が子どもを好きではない」、それも「荒れた学校」にしてしまった一つの理由だったのだと思い知りました。
それ以降、私は絶対に子どもを悪く言いませんし、全ての子に対して「大好きだよ」という姿勢を貫いています。
非行を繰り返す子に対しても、こちらから飛び込むようにしました。
叱るときは思いっきり叱ります。
でも、最後まで絶対見捨てないからなという姿勢は崩しません。
以前お話した「積極的な家庭訪問」はその一つです。
私の学校では、嬉しいことに次第にそんな先生が増え、今では非常に落ち着いた学校になっています。
「大人が子どもを好きではないと子どもは荒れる」
これは学校以外でも言えると思うのです。
たとえば、家庭。
親が子どもに対して愛情がなければ、それは子どもは荒れるでしょう。
そして、部活動、クラブ。
どんな集団であっても大人が子どもに愛情がなければ子どもは真っ直ぐに育ちません。
または職場。
上司が部下に愛情を持たなければ本当には育たないのではないでしょうか?
集団がうまくいかないとき、「自分が愛情をもって接することができているか」考えてみてはいかがでしょうか。
人間ですから苦手な相手、嫌いな相手いるかもしれません。
でも、そんな相手こそ思いやりをもって、その人の懐に飛び込んでみて欲しいと思います。
叱るときは叱り、褒めるときはおおいに褒める、愛情たっぷりに接したら絶対に理解し合えるはずです。
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