食トレは体重を増やすことではない!
正しい食トレをしよう!
〇プロ野球選手が甘い物で体重増加!?
先日、Yahoo!ニュースで中日の小笠原選手が「甘い物を食べて体重を増やして球速を上げる」というスポーツ報知の記事が掲載されていました。
残念ながらリンク切れでもう貼ることができないのですが、
その記事を見て、野球少年たちは一体どう思うのでしょうか?
野球少年の保護者は一体どう思うのでしょうか?
無知な野球指導者は一体どう思うのでしょうか?
まあNumberでこんな記事を掲載していたら抗議の電話をするところですが、スポーツ報知だから仕方ないと思うしかないのでしょう…。
もちろん小笠原選手は本気でそう考えているわけではなく、ネタの無いオフシーズンだから記事になってしまっただけだと思うのですが。
この記事だけ見ると体重を増やせば球速がアップする、野球がうまくなると捉えてしまう人がたくさんいることでしょう。
はたしてダルビッシュ投手や大谷投手は甘い物をたくさん食べて体重を増やしたのでしょうか?
違います。
トレーニング以外にも徹底した食事管理と食事回数を増やすなどの努力をしていることをダルビッシュ投手は公言していますし、大谷投手もダルビッシュ投手と共に自主練を行い大きな影響を受け、同じような方法で体重を増やしています。
こんなダルビッシュ投手のような体重の増やし方ですら賛否が分かれています。
「出力を増やす」という言い方をしていますが、ダルビッシュ投手はトレーニングと食トレで出力を増やしているわけです。
専門家の中には出力が大きいほど故障のリスクは高まるなどと言ってダルビッシュ投手と意見が分かれている人もいますが、そういう次元の話ではないのです(どちらが正しいかは分かりません)。
↑競技は違いますが、テニスのジョコビッチ選手も食事で生まれ変わった選手です。
〇体重を増やすことだけを考える食トレは間違っている!
近年、中学生以下の野球チームでも食トレと呼んで食事について指導することが増えてきています。
「食トレ」ブームと言ってもいいかもしれません。
野球太郎などの雑誌を見てみるといわゆる「タッパ飯」と呼ばれるタッパーにご飯をいっぱいに詰め込んだ弁当(3合くらいあります)を食べさせているチームが何度も紹介されています。
これだけにとどまらず「1か月に3kg増やすこと」のようにノルマを課し、体重を増やすためなら菓子パンでも、ひどいところではスナック菓子でもいいから食べろと指導しているチームもあります。
空想の話ではなく、私が実際に練習試合をしたチームでも何チームかありました。
昼食の時間に吐いている選手も見たことがあります。
その後、その選手(2名いましたが)は午後の練習に参加できず。
これを食トレと呼んでいいのでしょうか?
栄養価について指導したり、捕食に適した物は何か教えたりするのが食トレなのではないでしょうか?
以前から何度も話していますが、ただ太らせることを食トレと言わないでいただきたいものです。
だから野球選手は引退後に太っている人=不健康な人が多いことになぜ気が付かないのでしょうか。
〇正しくない練習は嘘をつく
ダルビッシュ投手の名言に
「練習は嘘をつかないって言葉あるけど、頭つかってやらないと普通に嘘つくよ」
という言葉があります。
なるほどと唸らされる言葉です。
練習もそうですが、「食トレ」だってそうです。
「頭をつかって=正しい知識のもとに」トレーニングをしないと大変なことになってしまいます。
お菓子を食べて体重を増やしても、足が遅くなるだけではなく、足腰への負担が増し、ケガのリスクも高まることでしょう。
バランスの良い食事を摂り(特に中学生はタンパク質とカルシウム)、適切なトレーニングをして体重を増やしていかなければいけないのです。
指導者のみなさん、ぜひ嘘をつかない食トレを教えてあげてください。
↑こちらは指導者ならぜひ読んで欲しい本です。
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