なんちゃってアクティブ・ラーニングだった私の授業。
『学び合い』から学び、もう一度リスタート!!
〇『学び合い』の第一印象
私は読書も趣味で、いろんなジャンルの本を月に5~6冊程度読んでいます。
読書家の人からすると少ないと思うのですが、就職してからはどうしてもこのくらいしか読む時間が取れないのが現状です。
ただ、丁寧に読むのは5~6冊ですが、ささっとエッセンスだけ取り出すような本もあります。
最近読んでいるのは社会科関連の本の他にやはりアクティブ・ラーニング関連の本になります。
これからアクティブ・ラーニングを本格的に行っていくことになるということで、教育本はアクティブ・ラーニングで溢れています。
アクティブ・ラーニング実践の手引き―各教科等で取り組む「主体的・協働的な学び」 (教職研修総合特集)
- 作者: 田中博之
- 出版社/メーカー: 教育開発研究所
- 発売日: 2016/03/22
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↑こんな感じでAmazonでもたくさん扱っています。
その中でも際立っていると私に見えるのが上越教育大学教授の西川純先生です。
西川純先生は昔から『学び合い』で活躍していた方なので、存じていましたし、著作も読んでいたのですが、イマイチピンと来ていませんでした。
一応『学び合い』も西川先生の著作からどういうものか簡単に引用しておきます。
『学び合い』は教授・学習法ではなく、考え方で、その基本となるものはたった二つです。第一は「多様な人と折り合いをつけて自らの課題を解決することを学ぶのが学校教育の目的」という学校観です。第二は、「子どもたちは有能である」という子ども観です。『学び合い』の様々な教授・学習法はこの二つの考えから演繹されます。
『サバイバル・アクティブ・ラーニング入門』P80 より
以上のような考えをもとに、たとえば「数学のP10~11を全員が分かるようにする」というような課題を与え、時間内にその目標を達成できるように求め、教員はファシリテーターに徹するというような授業を行います。
それ以外の縛りはありませんので、一人でもくもくとやってもいいし、友達のところへ聞きに行って協力して取り組んでも良いというまさにアクティブ・ラーニングを先取りした形になります。
『学び合い』を初めて聞いたという人はなかなかこれだけでは分からないと思いますので、ぜひ西川先生の以下の著作を読んでみてください。
クラスと学校が幸せになる『学び合い』入門<会話形式でわかる『学び合い』テクニック> (THE教師力ハンドブック)
- 作者: 西川純
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『学び合い』について何も知らずにこれらの西川先生の著作を読んだ私は、『学び合い』の効果を認めつつも、否定的な意見も持っていました。
その否定的な意見というのは、『学び合い』をすでに取り入れている人からするとクスリと笑われてしまうテンプレート的な意見「それで授業規律は大丈夫なのか?」であったり、「ぼっちになってしまう子がいたらどうするんだ」といった意見だったわけです。
私はすでに佐藤学氏の提唱する「学びの共同体」の授業を実践していました。
学校を改革する――学びの共同体の構想と実践 (岩波ブックレット)
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※学びの共同体はこちらの本を読めば分かります。
それでいてそういった意見を持ってしまったということは『学び合い』はおろか、「学びの共同体」も真には理解できていなかったということになります。
ようするに、西川先生がおっしゃるところの
「やったふりアクティブ・ラーニング」の典型的な例をやっていたということになるのでしょう。
※私の授業はこちら。
〇「子どもたちが30年後に生き残れる教育とは」
サバイバル・アクティブ・ラーニング入門<子どもたちが30年後に生き残れるための教育とは> (THE教師力ハンドブック)
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この言葉は先に挙げた『サバイバル・アクティブ・ラーニング』のサブタイトルになっています。
西川先生は、子どもたちが30年後に生き残れるように教育することがアクティブ・ラーニングの目的なのだとおっしゃっているのです。
私は一度目に読んだときには「へえ~」くらいで終わってしまっていました。
しかし、西川先生の著作には幾度も
「これから日本は少子高齢化が訪れ、不景気になる。」
「そのとき企業が必要とするのは即戦力。」
「企業には人材を育てる義務はない。」
「社会人基礎力は学校教育でつけていかなくてはいかない。」
というような言葉がでてきます。
こういった話を何度も見ているうちに、
「果たして、私が行っている授業で社会人基礎力は身についているのだろうか?」
「私の授業を受けて、子どもたちは30年後に生き残れるのだろうか?」
という思いをもっていきました。
汎用的能力をつけるアクティブ・ラーニング入門<会話形式でわかる社会的能力の育て方> (THE教師力ハンドブック)
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〇見通しが甘かった私。
生徒が入学したときから、その生徒がどんな姿で卒業していくか、どんな生徒に育って欲しいかを見通して指導していくことが大切だと思っていました。
以前は、自分よりも若手の教員に、「その日暮らしじゃダメなんだよ。」「今年一年じゃなくて、三年間を見ないとダメだよ。」と教えるようなつもりでいました。
今思えば、その程度しか見通せていないのであれば、私の授業を受けて「30年後に生き残れる生徒」を育てることなどできるはずがありません。
西川先生や『学び合い』を実践している方々とは見ている次元が違うと今更ながらに気づいたわけです。
〇30年後に生き残れる生徒を育てるには?
ここで初めて私はアクティブ・ラーニングのスタート地点に立つことになります。
「一人の子も見捨てない」を実現するために、「すべての子が30年後に生き残る」ために、これから自分なりのアクティブ・ラーニングを考え、実践していきたいと思います。
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