健大高崎はなぜそこまで走れるのか!?
脅威の機動力野球の全貌が明らかになる良著!!
〇「機動破壊」を掲げる健大高崎の野球とは?
以前から当ブログで何度もおすすめの書籍として紹介してきた田尻賢誉氏の「機動破壊」なのですが、丁寧に紹介したことがなかったので、今さらですが、改めてここで紹介したいと思います。
他にも走塁にスポットを当てた書籍はありますし、健大高崎高校を取り上げた書籍もあるのですが、田尻賢誉氏の目のつけどころ、取材力が光るこの「機動破壊」がダントツでおすすめです。
健大高崎高校は2012年選抜ベスト4、2014年夏ベスト8と結果を出した高校ですが、何よりも高校野球ファンが驚いたのはその圧倒的な機動力。
2012年には16盗塁。
2014年にはなんと26盗塁で大会新記録を作っています。
この健大高崎が掲げたスローガンが「機動破壊」。
これは健大高崎の葛原アドバイザーの造語なのだそうですが、報知高校野球で取り上げられた効果もあり、その「機動破壊」は高校野球ファンにも浸透し、健大高崎のランナーが出塁するだけで盛り上がるようになるほどでした。
この書籍『機動破壊』では、「機動破壊」に至るまでのエピソードなども詳しく語られています。
〇走塁体質のチームを作るにはまずは指導者の意識!
こちらの動画をご覧ください。
2014年の健大高崎の甲子園での戦いぶりです。
この年、健大高崎は夏の予選で35盗塁というぶっちぎりの群馬県記録をつくっています。
これは当然相手高校にも情報が行っています。
つまり、警戒されている中でこれだけ走ったということになります。
そもそも、群馬県内でもすでに「機動破壊」は有名で、各校が健大高崎対策を練ってきている中で35盗塁をしたわけです。
甲子園でも26盗塁。
どうしてこれだけ走ることができるのか?
「足の速い選手が多かったんじゃないの?」
で済ませてはいけません。
もちろん、プロに行った脇本選手など足の速い選手がいたことも事実ですが、それ以上にチームとして徹底的に走塁を取り組んできたことと、指導者の意識にポイントがあると葛原コーチは述べています。
・指導者が「できる」と思うこと。「走塁のチームを作る」と決めること。まずはこの強い思いをもつことが出発点。
・「1試合5盗塁」「盗塁の新記録を作る」などの具体的な目標と、「内野ゴロでも全力疾走の徹底」など選手への意識づけが重要。
・選手たちが思い切って走りやすい環境を指導者が作り出すことで、選手自身が決断し、自分の意志で走るようになることが大事。
・最初は失敗してもいい。成功したときの喜びを重ねることで、徐々に自信をつけていけば走塁はうまくなる。能力は心理でカバーできる。
「機動破壊」第一章より
このように、普段の練習、練習試合から繰り返し挑戦させ、少しずつ走塁のチームを育てていったことが分かります。
足が速いからたまたまということではないのです。
↑こちらの記事もぜひご覧ください。
〇ためになる数々の走塁テクニック!
当然、具体的な走塁のテクニックも「こんなにおおっぴらにしていいのかな?」と思ってしまうくらい紹介されています。
すぐにでもチームに取り入れられるテクニックばかりですので、ぜひ本をご覧になって欲しいと思います。
このようなテクニックが取り上げられています。
↑私も以前記事にしています。
↑同じく、記事にしています。
↑同じく。
・ディレードスチールのテクニック。
↑記事にしました。
↑記事にしています。
↑こちらをどうぞ。
・ベースのコーナリング。
・コーチャーの役割と重要性。
このようなことをこと細かくまとめてくれている書籍です。
私が記事にしていないテクニックももちろんありますので、興味を持った方はぜひ読んでみてください。
健大高崎関係の書籍やDVDは以下のものもあります。
【追記】
2017年3月に続編である『機動破壊 健大高崎 勝つための走塁・盗塁93の秘策』が発売になります!