中学校野球部!絶対に強くなるヒント集

中学野球や部活動の経営をしている方々のお役に立てるように、野球技術のみではなく、組織づくりのことなど、野球部の経営に役立つ情報をどんどん発信していきます。また、野球小僧を育てたい親御さんに役立つ情報も掲載していきます。宮川理論の公認指導員です。

巨人の2017年シーズンを振り返る。2016年オフの大幅補強は正解だったのか!?

2016年オフ、巨人は山口投手、森福投手、陽選手をFAで獲得!

その他、元楽天マギー選手など外国人選手も獲得!

これが吉と出たのか凶と出たのか!?

2017年シーズンを野球指導者の立場から振り返りたいと思います!

 

プロ野球プレイボーイ 2017年 11/10 号 [雑誌]: 週刊プレイボーイ 増刊

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〇2016年オフの大幅な補強の経緯!

2016年オフ、2017年シーズンに向けて巨人が投手を中心に補強するであろうことは誰の目にも明らかだったように思います。

菅野投手が球界のエースと言えるほどの投手ではありますが、田口投手は大活躍したもののまだ年間を通して活躍したのは2016年のみ。

マイコラス投手もピッチングはすばらしいものの、メンタル面が不安で年間を通じて期待できるのか不安。

内海投手、大竹投手は衰えも見られ、長いイニングの計算が立たない。

今村投手、高木投手、宮國投手らが5・6番手を争うものの勝てる計算のできる投手にはまだいたっていない。

あれだけ盤石だった中継ぎ陣もさすがに西村投手、山口投手をはじめ衰えが見え、マシソン投手に大きく負担がかかることを考えると投手陣の整備は待った無しだったでしょう。

 

しかし、まさか野手もここまで大補強するとは私は思っていませんでした。

今回補強した野手でレギュラーを獲得しそうな選手は2名。

まずは元楽天で日本一に貢献したマギー選手。


【プロ野球、ホームラン集 #17】ケーシー・マギーの全ホームラン2013 楽天を日本一に導いた最強助っ人!1年でメジャーに舞い戻った楽天史に残る伝説助っ人!

お子さんの関係で楽天の日本一に貢献した後にメジャーに戻りましたが、新日家ということで再び日本球界への復帰を希望。

阪神との争奪戦の末に巨人が獲得しました。

ポジションはファーストとサードですから、村田選手・阿部選手とポジションを争うことになりますが、おそらくマギー選手がどちらかのポジションにつくことになるのではないかと思います。

ちなみに楽天時代の成績は打率.292、28本、93打点とかなりの成績を残しています。

 

次に日本ハムからFAで獲得した陽岱鋼選手です。


【好プレー】 日本ハム・陽岱鋼 スーパーキャッチ2発!

陽選手のポジションはセンターで、走攻守揃ったタイプの選手です。

今年の成績は打率.293、14本、61打点とまずまずの成績を残しておりますが、若返りを狙う日本ハムの構想から外れそうなのを彼自身感じたようでFA宣言しました。

2013年には盗塁王を獲得していますが、今年は5盗塁と盗塁は減少傾向にあります。

こう見えて意外と三振が多いのが気になりますが、巨人はセンターを固定できていなかったので、そこを埋める補強となりました。 

報知ジャイアンツカレンダー2018

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〇大補強により出場機会が減る若手選手たち!

この大補強が正解なのかどうかは2017年シーズンだけではなく、数年に渡って見てみないと分かりません。

しかし、指導者の立場から見ると、この補強は長い目で見たときにデメリットは大きいと言えます。

補強組が大活躍して優勝するという可能性を期待しての大補強だったと思います。

しかし、補強組が活躍すればするほど、若手は出場機会を失うことになります。

 

心理学的には「課題が多少難しい場合はモチベーションは高まる」ということが分かっています。

簡単な子ども向けの30ピースのパズルよりも300ピースのパズルのほうが楽しいですよね。

しかし「課題が明らかに困難だった場合はモチベーションは著しく低下する」とおうことも分かっています。

仮に10000ピースのパズルを渡されたら、私だったらハナからやる気が起きません。

 

ここで、14年のドラフト1位、岡本和真選手を見てみましょう。


2016/09/08 巨人 岡本和真 第17号スリーランホームラン!

岡本選手は2016年シーズン開幕前に村田選手と激しくレギュラー争いをしたものの、敗れほぼ2軍でシーズンを終えました。

しかし、2016年シーズンの彼自身のバッティングは2015年よりも圧倒的に良くなっており、2016年のファームでの成績は.261、18本、74打点で打点王を獲得しています。

2015年はホームランがたったの1本でしたからどれだけ成長しているかがお分かりになると思います。

正直、あとは1軍の試合に出て経験を積むだけというレベルまで来ていると私は思っていました(後述しますが、私の予想よりも彼は1軍レベルのボールに対応できませんでした)。

 

彼の気持ちになって考えると、「村田選手に勝てばレギュラーだ!」という思いだったものが、「村田選手とマギー選手に勝たなくてはいけない。」に変わってしまっています。

2軍でこれだけの成績を残しても村田選手が3割打っていますから2016年に関しては納得できたでしょう。

しかし、2017年以降は村田選手とマギー選手がいるわけです。

場合によってはファーストという手もありますが、ファーストも阿部選手、マギー選手、場合によってはギャレット選手がいます(ギャレット選手は2017年で退団)。

正直、岡本選手はバックアップメンバーにもなれない位置になってしまったわけです。

「若手がふがいないから補強されるのだ」という意見もありますが、岡本選手に限って見ると果たしてそうだったのでしょうか?

ドラフト1位で野手を獲得するということはそのチームの数年後の中心になってもらうということだと私は思っています。

岡本選手を育てるという視点が欠落した補強のように私には見えます。

やはり若手を育てるには我慢して使うという時期が必要です。

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〇アマチュア野球でも同様のことが言える。

これは何もプロ野球に限ったことではありません。

アマチュア野球でも同じことが言えます。

特に中学硬式や高校野球などでそういう指導者の方を見ますが「目立ってきたら使う」という指導者の方がいます。

これはこれでありなのかもしれませんが、やはり指導者はチームの完成形を見据えて選手を育てていく必要があると思います。

たとえば、この子は上級生になったら絶対にキャプテンになるだろうという選手がいたら、やはり下級生のうちから中心選手になるべく訓練をしていかないといけません。

我慢して使うということも必要になると思います。

また、全てのメンバーを見渡し、明らかに出場機会を作ることが難しい選手がいたら、コンバートも考えてあげるべきです。

たとえば、サードの3枚目でレギュラーの子が4番を打っているなんていう選手はなかなかレギュラーになることは難しいはずです。

その子のモチベーションが低下しているようであれば

「外野に挑戦してみないか?君のバッティングはいいから守備さえ上手になれば試合にもっと出れるかもしれないぞ」

というようにチャンスをあげるだけでモチベーションは大きく変わってきます。

また、少年野球や中学軟式ではエラーしても我慢して根気強く教えていく指導が求められます。

怒鳴って交代させるような指導では今後野球人口は減る一方でしょうね。

このように指導者は多くの選手がモチベーションを高く保てるように工夫していかなくてはいけないと思います。

少なくとも、巨人は若手のモチベーションを下げることをしてしまったのではないかと私は考えます。

 

以上、巨人の補強から見る選手を育てるということでした。

いろんなチームを見ていて、

「選手にろくにチャンスも与えずに腐らせたままにする指導者は最低だ!」

と思います。

みなさん、ぜひ選手のモチベーションを最大限引き出すようにやっていきましょう!

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〇2017年シーズンを終えて巨人を振り返る。

私の予想は大きく外れました。

陽選手が故障して出遅れてしまったこともありますが、なんと岡本和真選手がレフトで開幕戦先発出場。

逆に昨年サードのレギュラーとして3割打った村田選手が弾かれる形になってしまいました。

これは全くもって私には理解不能です。

はっきり言って岡本選手の外野守備は中学生レベルです。

そんな岡本選手を我慢して開幕スタメンに抜擢したということはかなりの期待をしていることが伺えます。

もし、それほどまでに岡本選手に期待していたのであれば、マギー選手を獲得する必要は全くありませんでした。

私はマギー選手の獲得が岡本選手を腐らせる結果に繋がってしまうのではと危惧していましたが、岡本選手ではなく、村田選手が冷遇されることになってしまいました。

3割20本以上打って、なおかつゴールデングラブ賞を受賞している選手が、何の落ち度もなくスタメンを外されてしまう意味が私には分かりません。

これでは、村田選手ばかりか他の選手も首脳陣に不信感をもってしまうのではないでしょうか?

これについては広尾晃氏が同じような見解の記事を書かれていますので紹介します。

baseballstats2011.jp

先週、私は舞洲の二軍戦でソフトバンクの長谷川勇也が打席に立つのを見た。元首位打者の長谷川だが、故障もあってくすぶっている。その間に、中村晃が出て、上林誠知が出て、柳田悠岐と外野陣を組んだために、長谷川は出る幕がなくなった。同様に、NPB史上屈指の右打者の内川聖一もこのままでは、レギュラーが危ないだろう。機会は当然与えられるだろうが、立場は保証されない。
二人は故障した、その間に若くて良い選手が上がってきた。そしてポジションを奪われた。野球界の「世代交代」とはこういうことだ。ちゃんと理屈があるのだ。
巨人のように、ベストナイン、ゴールドグラブを取った村田修一に、翌年マギーをぶつけるようなおかしなことはしない。

野球の記録で話したい : 巨人のやり方はビジネスモデル足り得ない より

 

結果として、岡本選手は4月下旬に2軍落ちとなり、6月には阿部選手も故障し、村田選手の出番は増えることになりました。

途中からマギー選手がセカンドに固定され、村田選手はレギュラーに返り咲きましたが、納得がいかないシーズンだったことでしょう。

村田選手の心中はかなり複雑なものがあるのではないかと思います。

そしてついには「戦力外通告」!

news.livedoor.com

これはFAだと保障が必要になるため、村田選手獲得を敬遠されることを防ぐために敢えて「戦力外」という形を取ったようですが、それにしてもあまりの冷遇だと私は感じました。

周囲の選手はこの球団の対応をどう感じたのでしょうか?

 

また、岡本選手もこの1ヶ月の1軍生活で得たものもあるかもしれませんが、今後がさらに難しくなりました。

外野手としては正直失格。

バッティングもまだまだスタメンを獲得できるレベルではないと判断されてしまったのです。

期待を込めての開幕スタメン、外野手挑戦が今後の彼の進む方向を混乱させてしまった可能性があります。

なぜ村田選手との真向対決をさせなかったのか?

2018年シーズンは村田選手放出を受けて3塁に再転向するようですがどうなることやら…。

しばらく尾を引きそうな感じがするとともに、こんな感じの首脳陣では、巨人の優勝はしばらくないのではないかと感じてしまうシーズンでした。 

読売巨人軍 非常事態宣言 (宝島社新書)

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野村克也氏もかなり厳しい論調で巨人を批判しています。

 

関連記事です。 

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