なぜ野球部は坊主なのか?
真剣に考えたことはありますか?
みなさんで変な常識を変えていきませんか?
〇野球部といえば坊主。
はい、ドラフト1位注目のスラッガー清宮選手の高校球児のときの動画です。
高校野球といえば坊主頭。
清宮選手も坊主頭でしたね。
甲子園に出場するような野球部はほぼ「坊主頭強制」です。
※思いつく例外は慶應高校くらい?
私の高校も坊主頭強制で、少し髪が長くなってくると呼び出しがかかっていました。
中学野球でも強豪校はほぼ坊主頭ですね。
全国大会に出場するような監督さんとお話ししたことはないので強制しているのかまでは知りませんが、強制しているチームも多いのではないでしょうか?
ちなみに私のチームでは強制はしていませんでしたが、様々な不利益がありました。
これについては次の項で詳しく触れたいと思います。
野球というスポーツは日本で普及しているスポーツの中でも古いスポーツになります。
当時はそもそも学生の髪型が坊主に決まっていたので、野球選手も坊主でした。
後から普及したサッカーやバスケットなどと違って坊主でスタートしたのは歴史の古さにも関係がありそうです。
〇なぜ野球部は坊主を止められないのか?
これに関してはいろいろな意見があると思います。
正解はどれだということは分かりませんが、野球部=坊主を応援している層がまだまだ一定数いるからだと私は思っています。
これは指導者だけではなく、保護者、野球ファンなどの中でもかなりの数いるのではないかと思います。
「坊主の子の方が一生懸命やっている」
「坊主じゃない子は恰好つけている」
「坊主でないと精神が鍛えられない」
などという理由で、坊主対非坊主で試合をした場合、坊主頭のチームの方を応援するという人は実際かなりいるのではないでしょうか?
当然、非坊主を応援する人もいると思うのですが、熱心なファンの中では少数だと思います。
野球はそういう環境です。
実際、私は中学生なのだから坊主がどうこうではなく、「野球が好き」な子に入部して欲しいと安易に考え、坊主を強制はしませんでした。
しかし、その結果、
①坊主ではないという理由で練習試合を断られる。
②大会で坊主じゃないとだらしがないと言われる。
③顧問(私)のやる気がないと思われる。
④「坊主じゃない学校には負けるな」と相手ベンチや応援席からヤジが飛んでくる。
というようなことがありました。
※経験上、低いレベルであればそのようなことは気にならないと思います。県大会常連校とやろうと思うとこういった問題が出てきます。
※2018年くらいからでしょうか?こういったことはあまり気にならなくなってきました。流れが変わってきているのだと思います。
私が退いた後の顧問は坊主強制に変えました。
「坊主の方が一生懸命野球をやれる。坊主のほうが精神的に優位に立てる」という考えでした。
中学野球でさえそんな状況ですから、高校野球は非坊主を貫こうとすれば見えない敵と戦わなければいけなくなるでしょう。
正直、会場ではアウェー、顧問も白い目で見られる、そんなことが容易に想像できます。
その結果、坊主強制に疑問をもつ方であっても、選手に勝たせたいから坊主を強制するという悪循環が起こるのではないでしょうか?
あくまでも私の意見ですが…。
〇非坊主で甲子園に出場した小豆島高校!
2016年春の選抜に出場した小豆島高校は坊主頭ではなかったことに気づいた方も多かったのではないでしょうか?
選手宣誓を務めた主将の樋本くんも坊主ではありませんでした。
坊主ではない選手が選手宣誓をした大会は他にあったのでしょうか?
私は記憶にありません…。
では、どうして小豆島高校野球部は坊主ではないのか調べてみました。
そしたらひっかかったのがこちらの記事です。
こちらの記事から該当部分を引用させていただきます。
野球部=坊主といった髪型がイメージとして定着しているが、香川県立小豆島高等学校野球部では髪型が自由とされている。
野球部の方針として『Enjoy Baseball』を掲げていて、坊主頭を強制してしまうと野球が楽しめなくなるということが理由だ。スポーツマンらしい髪型なら何でもOKという自由さ。
もともとは、「坊主頭にしなくていいなら野球部に入る」という生徒もいたことから決めたルールであるそうだが、坊主頭の選手も在籍していている。
髪型の他にも、体育会系の部活ならではの厳しい上下関係も一切なしで、よくある1年生が掃除・雑用係を担当することもないよう。
そればかりか、1年生が練習中は上級生が率先してボール拾いをするなど、本当に楽しんで野球をしている姿が伺える。
監督は選手を下の名前で呼び、監督に対して選手も委縮することなく、絶大な信頼関係を築いている。
う~ん、ということだそうです。
ちょっと思っていたよりも浅い理由だったので、少しがっかりしました。
個人的には「なぜ野球部は坊主なのか?」ということを選手主体のミーティングで話し合って、「野球界を変えよう」という気持ちで…などという勝手な素敵ストーリーを描いてしまっていました。
しかも、せっかく応援しているチームだったのに、
これですからね。
部員によるマネージャーいじめだったようです。
すごく残念です。
こういうことがあるとさらに「やはり坊主でないと精神が鍛えられない」とかいうよく分からない理論が大きな声で言えちゃう野球界になってしまうのではないでしょうか…。
〇どこかで変えなければ野球の未来は無い!
坊主派の人はどこかでやはりまだ野球人気は安泰だと思っているのではないでしょうか?
以前お話ししましたが、少年野球人口は激減しています。
↑詳しくはこちらの記事を!
坊主頭だけが原因ではありませんが、それも一つの原因になってしまっていると思います。
正直、他のスポーツも魅力的です。
昔のようにみんなが野球という時代はもう終わりました。
しかし、もっともっと野球が広がる努力を怠ってはいけません。
他のスポーツはマイナーだった時代からずっと地道に努力を続けてきたからこそ今があるわけです。
野球はそんな必要がなかったから胡坐をかいていると思われても仕方がありません。
どこかで変えなくては野球の未来はありません。
私は数年前から自作の野球部の教科書を配布しています。
その中に、このような文章を入れています。
「〇〇中学校野球部では坊主を強制することはしません。
私は野球人口の減少の理由の一つが坊主の強制だと思っています。
しかし、強豪チームほど髪型が坊主のチームが多くなります。
私はみなさんに坊主を強要するということはしませんし、推奨もしません。
しかし、なぜ強豪校に坊主のチームが多いのかは知っておく必要があると思います。
坊主を強制しているチームが考えている坊主にすることのメリットは以下の通りです。
・プレー中に髪が邪魔になることなく、野球に集中しやすくなる。
・坊主にすることで「野球に一途に打ち込むぞ」という気持ちになる。
・坊主ではないチームを相手にしたときに「僕たちの方が野球に真剣に向き合ってきたんだ」と心理的に優位に立つことができる。
・高校野球では坊主が普通なので、そこにスムーズに入ることができる。
〇〇中学校野球部も勝ち上がるにつれて坊主頭のチームと対戦することが増えてくるかと思います。
そんなとき、相手チームは「坊主じゃないチームには負けられない!」などと思っているかもしれません。
スポーツは髪型で勝敗が決まるものではないし、盲目的に坊主にしても意味はありません。
みなさんは逆にそんな相手に飲まれないようにがんばり、坊主では無い強豪チームを目指していきましょう。
「野球界の限界へのChallenge!!」ですね。
もちろん、自己判断で坊主にすることは一向に構いませんが、チームメイトに強要したり、坊主にしなければいけないような雰囲気を作ったりしないようにしてください。
坊主でない場合はあまり長くない髪形にし、野球に取り組みやすいようにしてください。
どのラインまで許されるのかは自分で正しく判断しましょう。」
坊主が悪いと言っているわけではありません。
「僕は坊主の方が野球に集中できる気がする!」
全然OKです。
個人で選択すればいい話です。
まずは坊主にするかしないかは選手に選ばせてあげてくれませんか?
※追記
YouTuberのクーニンさんが「高校野球の坊主は必要か?必要でないか?」という議題で座談会を行っています。
クーニンさんは坊主肯定派のようです。
「チームの統一感」ということをおっしゃっていますね。
関連記事です。