一人100球のように続けて行う個人ノック!
当たり前のように行われていますが、本当に効果はあるのでしょうか?
もっと効果の高い練習が無いのか考えてみましょう!
〇野球経験者なら一度は経験したことがあるであろう個人ノック!
よく部活動の合宿などで行われるイメージのある個人ノック。
151120 高橋周平選手 絶叫ノック 中日ドラゴンズ秋季キャンプ
1人(もしくは2人などの極少数)で連続100球のように続けて行うので、「しごき」「鬼ノック」「地獄ノック」などとメディアが伝えることもあります。
私も中学・高校・大学と全てのステージで個人ノックを経験しました。
アマチュア野球だけではなく、プロ野球のキャンプでも行われているようです。
巨人でも2017年開幕前に高橋監督が坂本・村田・阿部の3選手に1時間ノックをしています。
さて、何の疑いもなく当たり前のように行われているこの個人ノックですが、果たして効果の高い練習と言えるのでしょうか?
〇個人ノックのメリットとデメリット!
そこで、今回は個人ノックのメリットとデメリットを考えてみたいと思います。
【個人ノックのメリット】
・たくさん打球を受けることで反復練習になる。
・続けて受けることで練習効率が良い。
・連続で受けることで体力がつく。
・疲れ切ったところからさらにがんばることで根性がつく。
【個人ノックのデメリット】
・疲労が溜まる練習なのでケガをしやすい。
・終盤は身体が動かず、技術を習得する練習としては効果が期待できない。
・受ける側からすると練習効率が良いかもしれないが、1人に対して1人のノッカーが必要になるため、チーム全体で見ると効率が良いとは言えない。
・体力的に個人ノックを終えた後の練習に悪影響が出る可能性がある(翌日以降も含む)。
・疲れた状態で繰り返すため、間違った捕球姿勢が見についてしまう可能性がある。
というように、私が思いつく範囲ではデメリットが目立つ気がします。
しかし「個人ノックを受けることで上手になる」という意見は根強いです。
ノック100球はおよそ20分くらいだと思います。
よく考えてみて欲しいのですが、普通のシートノックなどで100球も受けることはありませんし、できません。
100球も受けるのですから上手にならなかったらそれこそ異常です。
ですが、他のやり方で同じくらい上手になることはできないのでしょうか?
たとえば、ノッカーが3人で部員が30人いるとします。
そうすると1人20分×10で200分で全員が個人ノックを終えることができます。
20分で100球ではなく、200分で100球なのがお分かりになりますでしょうか?
そして、終わってすぐに本隊に戻って強度の高い練習をこなすのは難しいと思われます。
そう考えると、メリットで挙げた「効率が良い」はちょっと違う気がしますし、反復練習になると言っても200分で100球は微妙ですし、「根性がつく」というのは精神論なのでこれまた微妙なメリットな気がします。
メリットの中で、本当にメリットっぽいのは「体力がつく」という点ですが、体力がつく練習は他にたくさんあります。
それならば、こんなにデメリットの多い練習を採用する必要はあるのでしょうか?
〇練習効率やケガ予防の視点を入れてメニューを考えよう!
個人ノックを他の練習に変えることは十分に可能です。
先の例で200分練習時間があるとするなら、
1、ゴロ捕球
↑ゴロ捕球はこちらの記事とセットで確認ください。
2、フライノック
3、ベースノック
4、ダブルプレーノック
など様々なノックを休憩を挟みながらやったほうが目的が明確になりますし、集中力も続くはずです。
つまりこちらの練習の方が上手になる可能性が高いと言えます。
選手の体力は有限ですし、無理をさせればケガをします。
そういったところまで考え、なんとなく自分が現役時代にやったからというような理由ではなく、しっかりと効果まで考えて練習メニューを組んで欲しいと思います。
野球界で常識のように行われている練習の中には、効果が疑問なものも多いです。
常識にとらわれず、効率や選手の身体のことも考えて練習メニューを考えていきたいですね。
↑たとえばそもそもシートノックも非効率だと私は考えています。
また、マスコットバットを使用した素振りなんかもおすすめしていません。
↑よろしければこのあたりの記事もご覧ください。
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