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WBCを終えて、小久保監督の総括と今後の侍ジャパンに期待すること!

WBCは準決勝でアメリカに惜敗も日本中に感動を与える戦いぶりだった侍ジャパン!

小久保監督のこれまでの総括と今後の侍ジャパンに期待することをまとめていきます!

 

〇惜しくも準決勝でアメリカに敗れた侍ジャパン!

もうすでにいろいろな方がブログ記事にしていますが、侍ジャパンは準決勝でアメリカに惜敗という結果となりました。 

私が愛読しているブログでも侍ジャパン敗退の記事が書かれていましたが、みなさん侍ジャパンの健闘を称える内容で、メディアなどでの取り上げられ方も同様でしたね(ちょっとほっとしました)。

私は終盤の大事なところで仕事の電話がかかってきてしまい、全部生で見ることはできませんでしたが、1次ラウンドから準決勝まで感動を与えてくれた侍ジャパンのみなさんには心の底からありがとうという気持ちです。

今回の記事では2017年のWBC本戦の戦いだけではなく、小久保監督になっての4年間を総括、及び今後の侍ジャパンに期待することをまとめていきたいと思います。

 

〇WBC2017年大会を振り返って。

【1次ラウンド】

キューバ戦 11-6 〇 (松田1号、筒香1号)

オーストラリア戦 4-1 〇 (中田1号、筒香2号)

中国戦 7-1 〇 (小林1号、中田2号)

 

【2次ラウンド】

オランダ戦 8-6 〇 (中田3号)

キューバ戦 8-5 〇 (山田1号、山田2号)

イスラエル戦 8-3 〇 (筒香3号)

 

【準決勝】

アメリカ戦 1-2 ● (菊池1号)

 

という戦績でした。

私が今大会を見ていて(全て視聴できたわけではありませんが…)感じたことは、侍ジャパンの打線が侍ジャパン史上最強だったのではないかということです。

打順は変動しましたが、アメリカ戦の打順でみてみましょう。

1番 山田 (.296 2本)

2番 菊池 (.267 1本)

3番 青木 (.182 0本)

4番 筒香 (.320 3本)

5番 中田 (.238 3本)

6番 坂本 (.417 0本)

7番 松田 (.333 1本)

8番 秋山 (.300 0本)

9番 小林 (.450 1本)

この他に内川や鈴木、田中などもある程度打席に立っています。

正直、打順については物申したいこともありますが、話がそれるので置いておきます。

坂本選手こそ本塁打は出ませんでしたが、1~7番くらいまで本塁打を期待しても良い打線です。

チーム打率は.298で5位なものの(それでも高い!)、チーム本塁打数は11本で準決勝終了時点でプエルトリコと並んでトップなのです。

前回、2013年大会は打率.279で本塁打8本でした。

短期決戦なので、単純比較していいものか微妙なところはありますが、個人的な印象では明らかに今大会の侍ジャパン打線の方が破壊力があります。

優勝した2大会は2006年大会こそ10本打っていますが、2009年大会はなんと本塁打4本のみ。

これには正直驚きました。

 

というのも、私は以前こんな記事を書いているからです。 

www.taguchizu.net

この記事の中で「スモールベースボール」からの脱却こそが侍ジャパン、ひいては日本球界の課題だと述べているからです。

しかし、結果はこの破壊力のある打線。

これはすばらしいと言えます。

ですが、ご批判を承知で言わせていただきたいのですが、これは結果論に過ぎないです。

なぜか?

 

〇日本球界の長期的な展望とは何か?

実は小久保監督は就任会見でこんなことを言っています。

――侍ジャパンを率いるにあたって、どんなチーム作りをしたいですか?

やはり若さというのが、現役選手としてはかなりベテランで引退したのですが、監督としては若いということになると思いますので、現役選手たちに近いということで、その選手たちの視点でと言いますか、コミュニケーションを含め、若く、勢いがあるというところは見せていきたいなと思っています。

――日本の野球の強みとは?

やはり投手力を中心とした守りというのは基本になってくると思います。これにプラスして、日本の野球で短期決戦の中で一番武器となってくるのは、やはり細かいプレー、送りバントが細かいプレーに入るのかどうかはわからないんですけれども、1点を取りに行く野球という部分を磨いていかない限りは、パワー・スピードでやはり圧倒される国に対しては厳しいのかなという思いもありますので。そういった細かさ、緻密さという部分の野球というのは、しっかり目指していきたいなと思っております。

質疑応答|野球日本代表 侍ジャパンオフィシャルサイト より

前半部分に関しては小久保監督は自身が述べているようにできたのではないかと感じました。

正直、シーズンを通して戦うということを考えた場合、ただの兄貴分ではうまくいかないと思いますが、短期決戦では小久保監督というよりも「小久保先輩」のような部分が上手に活かされて侍ジャパンはまとまったのではないでしょうか?

事実、中田選手は「小久保監督じゃなかったら辞退していた」という旨の発言をしたとされています。 

 

注目して欲しいのは後半部分。

実は就任時点では、小久保監督はいわゆる「スモールベースボール」を掲げているのです。

そもそも日本はパワーやスピードで圧倒される部分があると述べているのです。

 

もちろん、これは就任時点での彼の意見ですから、強化試合などを通じて小久保監督のビジョンも変わったのかもしれません。

筒香選手や山田選手のように、就任当時よりも若手で打力のある選手が頭角してきたということもあるでしょう。

しかし、将来的、長期的な日本の野球を展望していく際にはこれではいけないと思うのです。

 

これは小久保監督のことを言っているわけではありません。

むしろ小久保監督は4年間の中である意味臨機応変に戦い方を変え、監督経験が無い中厳しい批判にも耐え、成長した尊敬に値する人物ではないかと思います。

彼を批判するなら、監督・コーチ経験のない彼を選んだ側を批判すべきです。

日本球界には日本球界の長期的な展望が無いのです。

ですから、侍ジャパンにも長期的な展望が無い。

日本球界はどこを、何を目指しているのでしょうか?

〇サッカー界と比べてみると…

サッカー界は長期的な展望があります。 

aboutj.jleague.jp

「Jリーグ百年構想」というプロのことだけではなく、裾野を広げ普及していく長期的な展望があります。

もちろん、日本代表のビジョンもあり、まずはW杯決勝トーナメント進出、将来的には優勝という展望があるようです。

また、日本代表をどのようなチームにしたいかもサッカー協会の方でしっかりとしたビジョンがあるようですね。

歴代の代表監督は就任会見で、日本人の良さとして「規律正しい」「真面目」といったところをあげています。

そして目指すチームとして「組織的」という言葉が大抵出てきます。

正直、サッカーは全然詳しくないのでこの記事のために調べたのですが、どの監督もそういったことを述べているので驚きました。

これだけ歴代の監督が似たことを述べているということは、サッカー協会が「組織的」なプレーを強化するのが得意な監督を選んでいるのだと思います(詳しくないので違ったらすみません)。

今回の小久保監督のように監督選びが先に来て、その後にどんなチームを作るかではないわけですね。

 

〇スモールベースボールからの脱却を!

次の侍ジャパンの監督として原辰徳氏が候補として挙がっていますが、そうなるとまあ間違いなくスモールベースボールに舵を切ると思います。

もちろんバントや盗塁、小技も大事ですが、ハナから「パワーやスピードではかなわない」という思考は捨て去らねばいけないと思うのです。

日本球界が「スモールベースボールからの脱却」を掲げ、アマチュアの段階からパワーやスピードでもメジャーリーガーに負けないような選手作りを行っていく。

長期的な展望ではメジャーでクリーンナップを打てるクラスの選手(実際にメジャーでプレーするかは別にして)をコンスタントに輩出することを目指してはどうでしょうか?

「そうしたパワーやスピードで負けない侍ジャパンを率いる監督は誰が適任なのだろうか?」

そんな順番で考えていくことが大切なのではないでしょうか?

 

繰り返しになりますが、感動を与えてくれた侍ジャパンのみなさん、本当にお疲れ様でした。

各チームに戻ってのシーズンでの戦いにも期待しています。

 

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