バッテリーサインで「首振り」のサインは作っていますか?
球種が絞られてしまうような場面で使うことで大きな効果を発揮します!
ぜひバッテリーサインに加えてみましょう!
〇ピッチャーが「首を振ること」の意味とは?
上の動画のように、プロ野球などでピッチャーがサインに首を振るというシーンを見ることがあります。
ピッチャーが首を振るということはどういうことなのでしょうか?
単純にキャッチャーの要求した球種(もしくはコース)が自分の投げたい球種では無かった場合が一番多いです。
キャッチャーとしてはインコースの真っすぐで空振りを取りたい。
でもピッチャーとしては外角のスライダーで勝負がしたい。
そのような形で投げたい球種と要求された球種が異なる場合に首を振ることになります。
多くの場合、ピッチャーが首を振ることはあまり良しとされません。
リードはキャッチャーがするもので、ピッチャーはそれに従って投げることが仕事という考えが強いです。
そもそもピッチャーがサインを出すことは野球規則で禁止されていることから、野球とはキャッチャーがリードしていくスポーツなのです。
「それでもどうしても!」という場合に首を振るわけですが、首を振ることで相手に球種を逆に読まれてしまうこともあります。
たとえば、ストレートに相当な自信がある強気なピッチャーがストレートのサインに首を振るということはあまりありません。
私がバッターで、そういうピッチャーと対戦し、1-2などのピッチャー有利のカウントで首を振ったら、「ああ、キャッチャーは変化球のサインを出したけれど、ピッチャーは真っすぐで空振りを取りたいんだな」と考えてストレート一本に絞ります。
こんな感じでキャッチャーやピッチャーの性格を見ていると、首を振ることが球種を絞るヒントになってしまうことがあります。
〇逆に「首振り」のサインを作ることで球種を絞らせないことも可能である!
ということは、逆に「首を振る」サインを作ることでミスディレクションを誘うことも可能ということです。
たとえば、変化球が全くストライクが入らずに3ボールになったとします。
普通のキャッチャーであれば、ここで出すサインは99%ストレートです。
バッターもストレートのみに的を絞ることになるでしょう。
こうなると厳しいコースに投げることも難しいでしょうから、甘いところにストレートが入ってくる可能性が高いです。
バッターが待っているボールが甘いところに来るわけですから、かなり高い確率打たれることになるでしょう。
ヒットならラッキー。
最悪ホームランかもしれません。
そこで、ここで「首振り」のサインを出してみましょう。
普通であればストレートを投げるケースです。
そこでキャッチャーが出したサインに対してピッチャーが首を振る。
バッターからするとちょっと考えさせられることになります。
「99%ストレートのケースなのにピッチャーが首を振ったぞ? まさかここで変化球か?」
と少しでも思ってくれれば儲けもの。
投げるのはどっちにしろストレートだとしても、バッターが100%ストレートに絞って待っているか、少し変化球も頭に入れるかで被打率は大きく変わってきます。
このように、「首振り」のサインを作ることで、少しだけバッターに考えさせることができます。
また、他にも次のようなケースでも有効です。
①ウエストをする際に、直前に「首振り」のサインを入れることでバッター勝負だと思わせることができる。
通常の場合、球種サインに首を振ってからのウエストなんてあり得ません。
②「首振り」サイン直後に牽制をすることで牽制アウトが取りやすくなります。
サイン交換中は牽制が無いと油断しているランナーも多いです。
〇「首振り」のサインを使用する際の注意点!
1、多用しすぎると守備のリズムが悪くなり、守りづらくなってしまう!
…「首振り」のサインはあくまでも必要な場面に限定して使うべきです。
あまりに多用しすぎるとテンポが悪くなり、守りづらくなってしまいます。
これでは、自分で自分の首を絞めることになってしまいます。
また試合時間を短くすることに協力するというフェアプレーの観点からも多用はおすすめしません。
2、「首振り」も練習しておかないと上手にできない!
…私は大学生のときに「首振り」のサインを教えてもらうまで、ほとんど首を振ったこがありませんでした。
その結果、試合で急に「首振り」のサインが出たときに演技が下手過ぎて先輩に笑われたことがあります。
上手にできないと相手バッターにもバレてしまうので、ブルペンなどで練習しておくことをおすすめします。
3、配球を考えていないバッターには意味がない!
…考えて野球をしている選手には有効な「首振り」ですが、何も考えずに打席に入っているバッターには「首振り」のサインを出しても何の意味もありません。
正直に言うと、レベルの低いチームでは配球を考える指導までされていない場合が多いので、相手チームの力量を見てサインを出すようにしましょう。
中学軟式だと半々くらいかもしれません…。
以上、「首振り」のサインのすすめでした。
細かいことですが、リード面のプラスアルファの工夫としてぜひ取り入れてみてください!
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