中学校野球部!絶対に強くなるヒント集

中学野球や部活動の経営をしている方々のお役に立てるように、野球技術のみではなく、組織づくりのことなど、野球部の経営に役立つ情報をどんどん発信していきます。また、野球小僧を育てたい親御さんに役立つ情報も掲載していきます。宮川理論の公認指導員です。

宮川理論に関する勘違い!?宮川理論はフライを上げるための理論ではない!

宮川理論はホームランを目指すための打撃理論!

良い軌道と大きなフォロースルーをマスターできる理論です!

フライを賛美する理論ではないことに注意しましょう!

※私は2017年12月に宮川理論公認指導員になりました。当記事は公認指導員に認定される前に書いた記事ですが、公認指導員になった後、公認指導員としての見解を追記してあります。元の記事は外から見た意見としてそのままにし、追記部分は太字にしていますので、参考になれば幸いです。

※2019年10月をもって宮川理論の公認指導員をいったん辞めましたが、2020年8月に復帰しました。

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〇宮川理論とは?

当ブログではすでに何度も取り上げていますので、ご存知の方も多いと思いますが、改めて宮川理論について簡単に説明したいと思います

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詳しくは上の記事を見ていただきたいのですが、宮川理論は元広島工業高校監督の宮川昭正氏が提唱しているバッティング理論です。

「転がせ!ダウンスイングをしろ!」という指導を否定し「ホームランを目指す!」という理論で、SNSを中心に急速に広まりを見せています。

具体的に宮川理論の特徴としては、

①レベルスイングの概念をしっかりと説明している。

②フォロースルーを大きく取るフィニッシュを推奨している。

③「甘球必打」という、厳しいボールをヒットにする必要はなく、甘いボールを見逃さずに捉える待ち方を勧めている。

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宮川理論のすばらしいところは、ただ単にこういったスイングや考え方を勧めるだけではなく、レベルスイングや大きなフォロースルーをマスターするための練習がはっきりと示されているところです。

また、公認指導員も多く、直接指導を受けることができます。

ちなみにYouTube動画にも練習がいくつか紹介されています。

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↑これは宮川理論の代表的なスイング練習「逆手」と「L字」の動画になります。詳しくは宮川理論紹介記事をご覧くださいwww.taguchizu.net 

 

宮川理論の特徴としては他に、

④「練習は練習」という考え方を採用している。 

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⑤既存の古い野球界の常識に一石を投じる考え方をもった指導員が多い。

⑥選手のオリジナリティも大事にする。

といったところも挙げられます。

個人的には、指導員になった理由として、もちろんバッティング指導のレベルを向上させたいというのもありましたが、既存の変な野球界に一石を投じる考え方に共感したという部分もあります。

特にダウンスイング、「とにかく叩け」といった指導には辟易していた部分もありましたので…。 

 

 〇「フライ革命」と「ゴロ禁止」!?

先に述べたように、宮川理論はホームランを打てるスイングを目指しています。 

これはとてもすばらしいことだと思いますし、この点が魅力的だから多くの方が宮川理論に興味を示しているのだと思います。

私も従来の、特に軟式野球に多い、

「転がせば何かあるぞ!」

ダウンスイングで叩きつけろ!」

という指導には嫌気がさしていました。

もともと私は、教え子には長打を打つ喜びを教えたくて宮川理論と違うアプローチでしたが、バッティング指導に力を入れてきました。

宮川理論を多少学んだ今は、練習に宮川理論を積極的に取り入れ、そこから自分に合ったバッティングスタイルを考えさせています。

そんな中でも宮川理論のレベルスイングの概念、フォロースルーを大きく取ることをマスターすることは重要だと思っています。 

 

しかし、ここ最近、気になっていることがあります。

宮川理論がダウンスイング批判や叩きつけるバッティングを批判していたのは、それでは長打の可能性が低いからだったと思います。

またダウンスイングをしたからと言って、必ずしもゴロにならないことを宮川理論では指摘しています。

「転がせ」という指導のダウンスイングでは確かに長打は出ませんし、ボールの下に当たれば小フライ。

これでは野球はつまらないものになってしまいます。

 宮川理論はこの点を指摘して多くの賛同者を集めたのですが、この時点では「叩きつけるバッティング」の批判はしていましたが、結果としてのゴロは批判していなかったように思います。

ダウンスイングが必ずしもゴロにならないように、宮川理論のレベルスイングも必ずしもフライになるわけではありません。

ボールの上を捉えれば当然ゴロになります(このゴロは叩きつけるバッティングのゴロとは違い、カンガルーゴロになりやすく、強い打球か多くなります)。

ですから、とっかかりとして叩きつけるバッティングを批判はしているものの、ゴロを批判している=フライを賞賛していたわけではないと思っていました。

 ところが最近の宮川理論公認指導員の方のフェイスブックページには「フライ革命」「ゴロ禁止」などと言った言葉が出てくるようになりました。

これはどういうことなのでしょうか? 

 

◯「フライ革命」と「ゴロ禁止」は勘違いを生むのではないか?

宮川理論の公認指導員の方は「フライ革命」や「ゴロ禁止」を先に話したように、「ダウンスイングや叩きつけるバッティング批判」という意味で使っていらっしゃるのかもしれません。

しかし、宮川理論をしっかりと理解せずに「フライ革命」と「ゴロ禁止」というインパクトのある言葉だけが先行することはあまりいいことだとは思いません。

宮川理論では内野ゴロで「あるぞあるぞ!」という野球を批判しています。

しかし、アウトになるのはショボい外野フライでも同じことです。

ダウンスイングで結果的にフライになることがダメなのと同じように、宮川理論のレベルスイングで強い内野ゴロを打つことは私はOKだと思います。

「フライ革命」と「ゴロ禁止」という言葉だけが先行し、宮川理論の技術的なことを十分に分かっていない指導者が「フライは打て!」「何でゴロを打っているんだ!」という指導になったら、結局現在批判されている「叩きつけろ」指導者と変わりません。

そもそも、そうするとエンドランなんて作戦は無くなります。

これは宮川理論の公認指導員の方々が悪いわけではないと思いますが、これから宮川理論を学ぶ方には注意して欲しいと思います。 

現にフェイスブックなどでは大振りなだけのフルスイングやアッパースイングが賞賛されたり、フライを褒めるような投稿が増えてきています。 

 

これは当時感じていたことをそのまま書いたのですが、二つばかり誤りがありました。

一つは「フライ革命」は別に宮川理論の造語ではなく、MLBでセイバーメトリクスの発達により、ゴロよりもフライの方がアウトになる確率が低いことから広まった考え方「フライボールレボリューション」の日本語訳です。

上記の書き方だと宮川理論の造語のように取られてしまいますね。

すみません。

2017年は特にMLBで「フライボールレボリューション」が話題になり、日本のプロ野球選手でも影響を受ける選手が多く、日本のメディアでも話題になりました。

そのため、長打を打つ確率を上げるには「ゴロよりもフライ」ということをもともと発信していた宮川理論でも「フライ革命」の言葉が頻繁に用いられるようになったわけです。

宮川理論の公認指導員の方々はもちろん「質の高いフライ」を求めて指導しています。

しかし、本質が分からず、「ゴロよりもフライ」という部分だけを取り出して、ダウンスイングのポップフライでも「フライはいいぞ!」なんて指導をしている方を今年頻繁に見かけました。

そこの勘違いは選手の成長にはつながらないので、正しいスイングの軌道での結果としてのフライはOKとなるように、気をつけて発信していきたいところです(というか気をつけてはいるのですが、受け取り手の問題もあります…)。

 

また、「ゴロ禁止」というのは主に練習での話です。

公認指導員になった今はしっかりと理解できているのですが、練習ではロングティーなどで「ゴロ禁止」の練習、フライを打つ練習=長打を打つ練習をします。

もちろん質の高いフライを求めています。

試合では「甘球必打」を心がけていますので、追い込まれるまでは長打を狙うことが多いですが、決して「ゴロ禁止」というわけではありません。

練習試合では「ゴロ禁止」なんてことを試すことはあるかもしれませんが。 

 

〇宮川理論は正しく理解すれば応用がかなり効く理論だ!

これは私の解釈です。

宮川理論は「レベルスイング」の概念を正しく説明してくれているところ、「大きフォロースルー」を奨励しているところ、そしてそれらを習得するための練習方法がはっきりとしているところがとにかく魅力的だと思います。

典型的な宮川理論のスイングは下の動画のようなスイングになります。


宮川理論

こういったスイングが分かりやすい宮川理論のスイングだと思いますが、宮川理論の基本の練習を行い、正しいスイングの軌道を覚えつつ、右手で押し込むバッティングをしたって私は構わないと思います。

実際、私は右手主導のバッティングをしますが、宮川理論をかじってからバッティングがかなりよくなりました。

右手主導を修正する気はありませんが、右手主導のバッティングは力みやすいので、宮川理論を処方箋に使用しています。

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当然コネる頻度は左手主導の選手より高くはなると思いますが、逆方向に強い打球を打てるようになるでしょう。

宮川理論のスイングを習得しつつも、常にセンター返し、内野の間を強い打球で抜けるようになりたいという選手がいてもいいと思います。

大は小を兼ねるです。

宮川理論はバッティングにとっての大なのではないかと私は思います。 

 

この解釈は公認指導員になった現在も変わってはいません。

宮川理論は基本習得後は選手のオリジナリティを大切にします。

ただ、私自身のバッティングについて、

右手主導を修正する気はありませんが、右手主導のバッティングは力みやすいので、宮川理論を処方箋に使用しています。

と先に述べていますが、この点については修正しました。

もちろんこういう選手がいても良いのですが、私の場合、どうしても脱力しきれずに芯で捉えられないという症状が強かったため、左手主導のスイングに修正中です。

練習ではできますが、本番になるとまだまだ力むのでまだまだ練習は必要ですが…。 

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この辺りに関しては、この記事が参考になるかと思います。 

 

もし、今回私が書いた記事、「フライ革命」「ゴロ禁止」の捉え方や宮川理論は応用が効くという内容が公認指導員の方から見て違うのであれば、私も宮川理論についての考え方を正さなければいけないなと思いますが、私見としては上記のように考えています。

間違った解釈、「フライOK」だけが伝わってしまわないように、指導者は注意していきたいですね。 

先に述べたようにこの私見はおおよそ合っていました。

 

この宮川理論を学ぶにはどうしたら良いかまとめた記事はこちらです。 

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私の指導方法についてまとめた記事はこちらです。 

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