好走塁を生む条件とは!?
プロ野球の好走塁を参考に、常に先の塁を狙うチームを作ろう!
〇「走塁」のチームはある程度作ることができる!
今回は「好走塁」をテーマに記事を書きたいと思います。
まずはこちらの動画をじっくり見てください。
すばらしい好走塁の数々ですね!
私は以前からお話ししていますが、「走塁」に力を入れてチームを作るタイプです。
毎年打てるチームや守備の固いチームを作ることはなかなか難しいです(当然、バッティングも守備も一生懸命練習はしますが)。
しかし、走塁は全員が足が速いチームを作ることは難しいですが、全員が積極的に先の塁を狙うチームは指導をがんばれば作ることができます。
しかも一度ある程度チームとしての形ができてしまえば、伝統として先輩から後輩へ引き継いでいくことが比較的容易です。
たとえば、
「あの1塁後方のファールフライはタッチアップを狙うんだよ。」
と先輩が後輩に伝えることは簡単です。
ですが、
「あの甘いボールはホームランにしないとダメだよ。」
というのは無理があります笑。
ということで、走塁に関しては指導者と選手の意識次第でチームに根付かせることができます。
〇好走塁の条件!
さて、では改めて好走塁に話を戻しましょう。
好走塁とはどのように生まれるのでしょうか?
まず絶対条件として、
「常に先の塁を狙う姿勢がある」
ということが重要です。
先の動画にも出てきていましたが、中日の荒木選手は好走塁の常連です。
いくつかの動画がありますが、そのどの走塁も「先の塁を常に狙っている」のがよく分かりますよね。
「先の塁を常に狙う姿勢がある」
というのは言うのは簡単ですが、やるのはかなり難しいし、勇気が必要なプレーになります。
たとえば、
センター前にヒットを打ったらシングルヒット。
キャッチャーが後ろに逸らしたらワンベース。
タッチアップで進むのは一つの塁だけ。
そんな形で何となく先入観がありますが、その先入観をぶち壊さないと好走塁は生まれません。
もしプロ野球でセンター前ヒットを打って1塁を回って2塁でアウトになったら、そんな先入観をもっているファンから大ブーイングでしょうね。
当然プロ野球でなくとも、勇気の要るプレーになります。
〇指導者の姿勢がチームの好走塁を生む雰囲気を作る!
では、選手に勇気を与えるにはどうしたら良いか?
これはもう指導者の姿勢につきると思います。
「常に先の塁を狙う姿勢が大事だぞ」
と言っていた指導者が、練習試合で積極的な走塁を試みてアウトになった選手に対してどう振る舞うか?
「バカヤロー!」
と怒鳴ったらどうなるでしょう?
その選手は指導者の言う通り挑戦してみたら怒られたので、二度と挑戦しなくなり、安全パイな走塁をするようになるでしょう。
それを見ていた他の選手も積極性が無くなると思います。
こういうチーム、けっこうあります(´・ω・`)
↑結果だけで見ているんですよね…。
しかし、たとえアウトになったとしても、
「そうだよ!そういう積極的な姿勢を求めているんだよ!みんな見習ってどんどん挑戦していこうな!」
と褒めたらどうでしょうか?
その選手は次も積極的な走塁をするでしょうし、他の選手もマネしていくことでしょう。
それを繰り返していくうちに、チーム全体に「先の塁を狙う雰囲気」が出来てきます。
指導者が何も言わなくとも、
「今のはもう一つ行けたぞ!」
「バックネット広いからキャッチャー逸らしたら二つ狙えるぞ!」
なんて声をかけ合うチームになっていきます。
↑こちらの記事にも指導者が責任を取ることの大切さをまとめています。
そして、そういう雰囲気ができてきたら、次は精度を上げることが必要になってきます。
好走塁と暴走は紙一重です。
初めは暴走でもOKですが、本番=公式戦も暴走続きでは困ります。
ある程度積極性が出てきたら、
「今のは完全にアウトのタイミングだったね。次は今のタイミングでは行かないようにしよう。」
といった声かけで、挑戦しただけで満足のレベルから、好走塁を決めて満足のレベルまで引き上げて行かなくてはいけません。
これは、練習だけでは正直なかなか完成しないです。
もちろんケースノックなどの練習を経る必要はありますが、練習試合の緊張感の中で繰り返していってようやくできるものになります。
もちろん、公式戦のときだけ「積極的に行け!」と言ってもうまくいくはずはありません。
↑公式戦の声かけはこちらです。
〇そして最後は相手チームをよく観察すること!
最後のプラスアルファは少し難しいことになりますが、好走塁を生む土壌が出来上がったら、相手チームをよく観察することで、好走塁はさらに出やすくなります。
こちらの超有名な動画をご覧ください。
【プロ野球】1987年日本シリーズ 西武vs巨人 一塁ランナー辻 センター前ヒット一気に本塁に生還 19871101
1987年の日本シリーズであった西武ライオンズ辻選手の超好走塁です。
ランナー1塁からセンター前ヒットで一気にホームまで生還しています。
これは辻選手ももちろん見事なのですが、西武ライオンズが巨人の選手をよく調べてきています。
巨人のセンタークロマティがこういったケースで返球をしっかりと投げていないことを事前にミーティングで共有していたんですね。
クロマティは先に挙げたような先入観で
「センター前ヒットでホームまで行くはずがない」
と思って捕球・返球をしています。
おそらく、巨人の他の選手もそう思っていたでしょう。
本当に見事な好走塁です。
これは、プロ野球での話なので、相手チームの研究は比較的たやすいです。
アマチュア野球だとVTRで相手チームの研究をすることは難しいでしょうが、次の対戦相手の試合を見ることも有効でしょうし、試合前のウォーミングアップでも十分に相手の情報が得られることがあります。
私はウォーミングアップの相手チームのダッシュメニューとキャッチボールはよく見るようにしています。
ダッシュメニューで最後まで真剣に走れない選手、キャッチボールの一球を大切にしない選手は試合でも隙がある場合が多いです。
これを選手にも共有しています。
以上、好走塁を生む条件についてまとめてみました。
走塁は好不調の波が小さいので、走塁が上手になればチームは確実に強くなります。
ぜひ走塁の上手なチームを育ててみましょう!
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