軟式野球で多く使用される作戦エンドラン!
エンドランを上手に決めるポイントとは!?
また、練習方法も紹介します!!
〇軟式野球ではエンドランを使用することが多い!
軟式野球ではボールの特性上、エンドランが硬式野球よりも多く実行されます。
軟式球は硬式球と比べると打球が弱く、よく弾む特徴を持っています。
2018年より新軟式球に変わっていますが、それでもやはり硬式球よりは打球が弱くて弾みます(旧軟式球よりは弾みませんが…)。
こうした特徴を持つため、軟式野球はエンドランが多用されます。
たとえば、軟式野球ではランナーが1塁や2塁の場合、極端なバントシフトを敷くことが可能です。
私なんかは、ランナー2塁のバントシフトではセカンドをピッチャーの横まで出します。
ボールが硬くて、打球が速い硬式野球では危険なのでここまでのバントシフトを敷くことはなかなかできません。
こうなるとバントを決めることもなかなか難しくなってきますよね。
また、軟式球は弾むので、そもそもバント自体が硬式野球よりも難しいです。
硬式野球だとバットの多少上側や真芯に当たっても、フライにはならず野手の前に落ちることが多いです。
しかし、軟式野球の場合、少しでもバットの上側に当たると簡単にポップフライや弾かれてファールになります。
真芯に当たってしまった場合もピッチャーに捕られる弱いライナーのような打球になってしまいます。
「バントシフトを敷きやすい」、「そもそもバントすることが難しい」、以上の理由から軟式野球ではバントよりもエンドランが多用されることが多いのです。
ランナー3塁の場合もスクイズではなくエンドランを採用しているチームは多いですね。
ちなみにランナー3塁のエンドラン、ギャンブルスタートについてはこちらの記事をご覧ください。
〇エンドラン成功のポイント!
エンドランが失敗する選手にありがちなのが「叩こうとしすぎること」です。
よく、エンドランの際には「転がせ!」とか「叩け!」と指導している方がいますが、そうすると選手は極端なダウンスイングになりやすいです。
ダウンスイングは一見するとゴロになりやすいスイングと思われがちですが、ダウンスイングであってもボールの下部を打ったらフライになります。
よく考えると当たり前のことです。
これはネタでやっていますが、あまりにも「叩け叩け」指導していると本当にエンドランでこんなスイングになっていきます。
ひどいダウンスイングになると、ボールを点で捉えるしか無くなり、ボールを切るように打つことになるので、かえってポップフライが増え、エンドランは失敗してしまいます。
たとえエンドランであっても、基本はレベルスイングです。
こちらの古田氏の動画をご覧ください。
この動画はペッパーのやり方を説明した動画になるのですが、古田氏はどのようにスイングしているでしょうか?
古田氏はダウンスイングでは無く、レベルスイングでバットを出していることが分かると思います。
ペッパーなので通常のスイングと違ってフォロースルーをほぼ取っていないので、不完全な軌道になっていますが、バットの出し方はレベルスイングですよね。
そして、レベルスイングで出してどうやってゴロを打っているかというと、
「ボールの上側を打っている」
これだけになります。
エンドラン成功のポイントは
「叩く」意識ではなく、「ボールの上側を打つ」意識でスイングすることになります!
「なんだ、意識の問題かよ」と思われるかもしれませんが、これだけで全然違います。
プラスして、テイクバックを小さくすることや、フォロースルーを小さくすることなども小ネタとしてありますが、基本的には「レベルスイングでボールの上側を打つ」ことが重要になります。
↑レベルスイングについてはこちら。
〇エンドランが上達するおすすめの練習!
エンドラン練習にオススメしているのは、テニスボール打ちです。
グラウンドを囲む高い防球ネットがあれば防球ネットに向かって、無ければグラウンド内で守備をつけずに行います。
10mくらいの距離で投手がどんどん投げて、バッターはひたすらエンドラン(ゴロ打ち)をします。
もちろん投手の前にはネットを置いて、テニスボールが直撃しないように注意してください。
テニスボールですから軟球や硬球に比べるとフライになりやすいです。
しっかりとボールの芯の上を打たないとフライになるのでエンドラン練習にはもってこいです。
時々わざとボール球を投げても良いと思います。
テニスボールで行うのは、
①軟球よりも安全なので、ある程度近い距離でテンポ良く数をこなすことができる。
②フライになりやすいのでエンドランの良い練習になる。
の2点の理由からです。
もちろん、最終的には軟球でコツを掴むことも大事になってきますが、まずはテニスボール打ちで数をこなしてみましょう。
もう一つオススメな練習があります。
これはありきたりですが、やはりトスバッティング(ペッパー)がオススメです。
先の動画で古田氏がやっていましたが、トスバッティングでレベルスイングでボールの上側を打つ練習を繰り返すことは有効です。
これができるようにならないとケースバッティングで実践を想定して練習しても余り決まらないと思います。
※ただし、私はトスバッティングのデメリットが気になるので、最近は行っていません。ピッチャーに返すことが前提となるとどうしてもコネる癖がつきやすくなってしまうので…。
ただ、そもそもレベルスイングが身についていない選手はトスバッティング以前に、もしくは平行してレベルスイングでバットが出せるように指導する必要があります。
その場合は私は宮川理論をおすすめします。
ゴロを転がす記事でホームランを目指す宮川理論が出てきて驚いた方もいると思うのですが、宮川理論のすばらしいところは正しいレベルスイングの軌道を習得できるところにあります。
宮川理論はフライを上げるだけの理論という批判がありますが、決してフライを上げるための理論ではありません。
その辺りの話は逸れるので、こちらの記事をご覧ください。
レベルスイングができない選手は宮川理論の「L字、逆手」の練習を取り入れることをおすすめします。
詳しくは宮川理論の記事をご覧ください。
※2019年10月をもって宮川理論の公認指導員を辞めることとなりました。
以上、エンドランを上手に決める方法の紹介でした。
今回は軟式野球の前提でお話ししましたが、軟式球で決めることができるようになれば硬式球はそれほど難しくありません。
基本は一緒になるので、反復練習で成功率を上げていきましょう。
指導者の方々は「叩け!」と指導しないようにしてみてください。
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