明らかに格上の相手と戦う際に、どのような言葉かけをしますか?
指導者の声かけによって選手がどのくらい喰らいつけるかも変わってきますよ!!
〇ほとんどのチームで絶対にある格上のチームとの戦い!
圧倒的強者、そのトーナメントで圧倒的に強いチームで無い限り、必ずどこかで各上のチームと戦うことになります。
そして、その相手に勝たない限り、優勝することはできません。
↑この辺りの記事もぜひご覧ください。
みなさんは指導者として、格上のチームと対戦する場合に、選手たちにどのような声かけをしますか?
よく聞く台詞として、以下のような台詞が挙げられます。
「1点もやれないからな!」
「絶対に先取点をやるな!」
「一つのミスも許されないぞ!」
このような言葉かけをしてはいないでしょうか?
私が選手のときもこのような言葉かけをされたことがあります。
そして、指導者になってからも似たような言葉かけをしてしまったこともあります。
しかし、これらの台詞はプラスに働くことはあまりありません。
むしろ、かなりの確率でマイナスに働く場合が多いです。
〇格上の相手に喰らいつく、指導者の魔法の言葉!
確かに格上の相手と対戦する場合、投手力や守備力の高い相手ですから得点はあまり期待できません。
ですから1点もやりたくない気持ちはよく分かります。
「1点もやれないぞ!」
という言葉かけの意味は分かるのですが、ただでさえ格上の相手と戦うプレッシャーにプラスして、1点もやれない、ミスは許されないという余計なプレッシャーがかかってしまいます。
序盤でピンチを招いた場合、選手は「1点もやれないんだ!」という気持ちで守ることになるでしょう。
そこで守りきることができればいいのですが、失点してしまった場合、選手はどう感じるでしょうか?
「終わった…」
と気持ちが切れてしまうのではないでしょうか?
よく高校野球で、序盤強豪校と競っていても、一つのミスや失点からガタガタっと一気にコールド負けまでいくことがありますよね?
これはまさに1点もやれないプレッシャーに押し潰されたのだと思います。
先に指導者の方が気持ちを切らしてしまうチームもありますけどね苦笑。
「あー、もうお前のせいで負けだよ!」
なんて罵声が聞こえることも残念なことにあります。
では、どのような言葉をかけるべきなのでしょうか?
相手チームとの戦力差にもよるのですが、短いイニングで達成できそうな目標を立てることをオススメします。
具体的には、
「3回まで2点差以内で喰らいつこう。そうしたら相手は慌ててチャンスが出てくるぞ!」
というような言葉かけがオススメです。
このときの〇点差は戦力差にもよりますが、まあ2点差か3点差が良いと思います。
なぜこういう言葉かけが成功につながるかというと、選手に余裕が生まれるからです。
「1点もやれない」
ではなく、
「1点はやってもいい。」
という思考に変わりますから、ピンチを招いたとしても1点はいいという気持ちで守ることができます。
シフトも極端な前進ではなくてもよくなりますから大量失点しにくくなります。
そうなってくるとミスは出にくくなり、かえって1点もやらなくなるようになります。
また、もし先取点をやってしまっても、
「ここまでは計算通りだな!」
といった形で指導者が余裕を見せてあげてください。
選手は気持ちを切らずにまだまだチャンスがあるんだという気持ちで戦うことができます。
そして、3回までに2点差以内などという目標が達成できたら、次の目標を与えてください。
「6回までに1点取ろう」
などでかまいません。
こうやって試合の中で程よく達成できそうな目標を立ててあげることで、負けているのに思ったような試合運びができているという雰囲気ができていきます。
逆に相手チームは少し慌ててくるはずです。
また球場もジャイアントキリングがあるかもしれないという雰囲気になってくるはずです。
それでも、そこで全く動じない、変化の無い相手だったら申し訳ないですが100回やっても勝てません。
しかし、10回やって1、2回勝てるような相手なら終盤にチャンスがあるはすです。
この言葉かけの匙加減と指導者が余裕を見せるというところがポイントになります。
「3回までに2点差以内でこらえよう」
「1点はやっていいよ」
魔法の言葉と指導者の余裕でぜひチームを勝利に導いてください。
〇練習試合ではプレッシャーに勝つ練習も必要!
ただし、練習試合では敢えてプレッシャーをかけるということもレベルアップのために必要になってきます。
もちろん、怒鳴ってプレッシャーをかけるわけではなく、
「絶対にこの回1点もやるな。」
というような言葉かけを敢えてするわけです。
いくら魔法の言葉かけをしても、1試合を通してプレッシャーがかかるシーンがゼロということはありません。
たとえば格上相手に終盤に逆転できたとしたら最終回に1点もやれないという場面は絶対にきます。
そこで「1点はやっていいよ」とはなりませんから、プレッシャーの中で守る練習は絶対に必要です。
練習試合でそのような場面を敢えて作ってあげてください。
ただし、ほどよく成功するように、練習試合の相手を見てやるようにしてみてください。
毎回失点していたら選手は成功体験を積むことができません。
したがって、敢えて格下の相手とやるときに「1点もやれないぞ!」という場面を作ることも重要です。
練習試合での声かけについてはこちらの記事もご覧ください。
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