守備練習の効果をさらに高めるためのポイント2点!
ステップの歩数を意識すること!
捕球姿勢に入る際にグラブを叩くこと!
この2点を意識させるだけで守備がどんどん上手になります!!
↑こうした小さめのトレーニンググラブを使用するのもおすすめです。
〇守備の基礎練習はゴロ捕球!
以前から何度もお話ししているのですが、私は守備練習のほとんどの時間を基礎練習に割いています。
その中でも最も丁寧に時間をかけてやるのが「ゴロ捕球」です。
こちらの記事に詳しくまとめてありますので、練習方法についてはこちらの記事をご覧いただけたらと思います。
私は効率があまり良くないシートノックなどはあまり行わず、ほとんど一年中手投げでゴロ捕球を守備練習として行っています。
↑こんな形でひたすらに手投げで行います。ショートバウンドの練習もします。
もちろんいろいろなケースを想定してゴロ捕球をします。
サードからファースト。
ショートからファースト。
バックホーム。
ゲッツー。
といった形で5分ごとくらいにケースを変えてどんどん数をこなします。
このゴロ捕球を行うときに選手に指導するポイントが主に二つあります。
一つはステップを指定し、意識させて行うこと。
もう一つは捕球姿勢に移る前にグラブを叩くことです。
なぜこの二つを指導するのでしょうか?
次の項から見ていきましょう。
〇ステップをしっかりと意識して行おう!
私はケガ予防のためにも、ステップをとにかく意識させています。
こちらの記事にも書きましたが、正しいステップを踏まないとケガのリスクが高まります。
軸足をしっかりと投げる方向にステップすることが重要になるのですが、守備の動きの中では意外とできていない場合が多いです。
全員上手い!! 明徳義塾ベンチ前ゴロノック! コーチ怖い・・
こちらは説明不要の超名門、明徳義塾高校のベンチ前ノックです。
じっくりと見ていただきたいのですが、全選手徹底して投げる方向にしっかりとステップしているのがお分かりいただけるでしょうか?
このレベルになるとステップが横や斜めになっても地肩でアウトにできると思うのですが、それでもしっかりとステップしています。
指導が行き渡っている証拠です。
このように投げる方向に向かってしっかりとステップすることとプラスして、
私は捕球後のステップの歩数も指定します。
転がしてなんとなくスローイングして終わる指導者が多いですが、ステップの仕方さらに歩数まで指定してみてください。
具体的には捕ってすぐに投げる場合は2歩。
右利きであれば右足→左足の2歩です。
捕ってから余裕がある場合は4歩。
右足→左足→右足→左足の4歩ですが、最初の2歩はクロスするステップになります。
この今宮選手の練習動画がすごく分かりやすいです。
今宮選手が捕ってからスローイングまで4歩でステップしていますよね。
しかも投げる方向にしっかりとステップしています。
これを見本にぜひ4歩の練習もさせてください。
いろいろなチームを見ていると「捕ってから早く!」と2歩の練習はよくしています。
4歩は練習せずに、できる選手が勝手にやっているという感じです。
当然、2歩の方が早いわけですが、
4歩でステップすると投げる距離は短くなりますし、勢いがつくので肩の負担が減ります。
内野守備で余裕があるときはこの4歩でのスローイングができると送球が安定する上にケガのリスクも減っていいことづくしなので、ぜひ歩数を指定してのゴロ捕球に取り組んでみてください。
意外にできない選手が多いですよ。
こちらの源田選手の動画は分かりやすいですね。
余裕があるときは4歩。
余裕がないときは2歩でスローイングしています。
ポイントは初めはゆっくりでいいので3歩目をおおげさに足を大きく上げさせてみてください。
〇捕球姿勢に入る前にグラブを叩こう!
もう一つ私が指導する際に徹底させるのが、捕球姿勢に入る前にグラブをポンと叩くことです。
これについては指導者によって意見が分かれるようですね。
以前「試合で打球を受ける際にグラブを叩く暇など無いからグラブを叩く必要は無い」というご意見をいただいたことがあります。
それはそれで分かります。
私も試合ではどちらでも良いと言っています。
ただし、ゴロ捕球の練習の際は徹底してグラブを叩かせています。
先ほどと同じ動画ですが、明徳義塾の選手もグラブを叩いています。
全員上手い!! 明徳義塾ベンチ前ゴロノック! コーチ怖い・・
ほとんどの選手がグラブを軽くたたいていますね。
やっていない選手もいるので徹底しているわけではなく、「こういうやり方もあるよ」といった指導ではないかと思うのですが、このように捕球姿勢に入る前にグラブを軽く叩くことで大きなメリットがあります。
守備が上手だった指導者ほどちょっと理解に苦しむかもしれませんが、守備が上手でない選手は「リズム感」がありません。
↑良い選手だった人ほどできない選手ができない理由が分からないことがあるので注意してくださいね。
打球を上手に捕れない理由にはいろいろなことがありますよね。
捕る位置が違う、打球への入り方が違う、グラブの使い方が違う、などなど本当にいろいろな原因が考えられます。
今挙げたような原因であれば、アドバイスと反復練習でどうにかなりますが、
「打球に合わない」
ということは守備での「リズム感」が無い選手にはなかなか分からないし、指導者のアドバイスも伝わりません。
「打球に合ってないぞ!」
「グラブを出すのが遅いぞ!」
「歩幅がおかしいぞ!」
などと指摘をしている指導者をよく見かけますが、言われていることは分かっても、ではどうしたら修正できるのかがリズム感が無い選手には分からないのです。
よくそれを「センス」という言葉で済まされてしまいます。
しかし、グラブを捕球姿勢に入る前に叩くことで、選手に基準ができます。
捕球姿勢に入るのが遅かったら、
「グラブを叩くのが遅いぞ。」
と指摘してあげると、選手はグラブを叩く位置を変えれば修正できるということが分かります。
同様に捕球姿勢に入るのが早い場合は、
「グラブを叩くのが早いぞ。」
と指摘してあげればいいし、慣れてくると自分で分かるようになってきます。
「打球に合わない」という問題を「グラブを叩くのが遅い、早い」という問題に変えることで、リズム感のある無しに関わらず、修正が容易になるのです。
また、当然のことながら指導者も指導しやすくなります。
グラブを叩くことでこういったメリットがあるのです。
私はこのグラブを叩く行為を守備の「シンクロ動作」と表現しています。
先に述べたように、試合でやるかどうかは個人に任せますし、打球によってはグラブを叩く暇が無い場合もあります。
しかし、練習ではグラブを叩いて反復練習をすることで、見違えるほど打球に合わせることが上手になっていきますので、ぜひ取り入れてみてください。
ショート守備のお手本 オリックス 安達了一 特守 2017 バファローズ 宮崎キャンプ
プロ野球選手でも基礎を確認する際に取り入れている選手は多いです。
名手オリックスの安達選手もそうですね。
以上、守備練習の効果をさらに上げるために、
・ステップの歩数を指定すること
・捕球姿勢に入る際にグラブを叩くこと
を紹介しました。
私の守備練習の肝になる部分ですが、公開しますので、ぜひ取り入れてみてください。
この練習で基礎ができたら速い打球の処理にも挑戦してみてください。
関連記事です。