強い組織作りには選手主体のミーティングが必要不可欠!
指導者主体の一方的なミーティングから形を変えてみませんか?
〇強いチームを作るためには組織作りが大事!
当ブログでは何度も、強いチームを作るためには組織作りが重要であるという話をしてきました。
野球だけではありませんが、どんなチームであっても、指導者がチームの全てを管理することは不可能です。
いくら複数の指導者がいても、全ての選手の全ての練習や日常生活を管理はできないし、仮にできたとしても、そのやり方では選手は真には成長しません。
もちろん、発達段階にもよりますが指導者主体の組織から選手主体の組織へと構造を変えていくことが求められます。
はっきり言って、これは非常に大変な作業ですし、指導者主体でどんどんやっていった方が楽だし、短期間なら指導者主体のやり方でも十分に成功する可能性があります。
しかし、中学校や高校の部活動のように長いスパンでの成功が求められる場合、指導者主体ではいつか壁に突き当たります。
たとえば、熱心な指導者がつきっきりで練習を見て、いい雰囲気で練習ができるようになってきたチームがあるとします。
ある日たまたま会議が長引いて部活動に遅れて行ったら、選手たちのモチベーションが低く、だらだらと練習をしていたので、その指導者は
「何をだらだらやっているんだ!!やる気がないなら帰れ!!」
と怒鳴りいなくなってしまいます。
選手たちはどうしたらいいのか分からず、とりあえず片づけをして、言われた通りその日は帰宅します。
その間、指導者は職員室でイライラしながら選手たちが謝罪に来るのを待ちます。
しかし、選手たちはいつまで経っても来ません。
翌日、選手たちはどうしたらいいのか分からないものの、集まって職員室に行くも、
「お前らがやる気が無いのが分かった!もう俺は野球部を見ない!」
と再び怒鳴られ、選手たちはどうしたら許してもらえるのか空いているスペースで相談しだすのです。
今のは私の創り話ですが、これ本当によくある話ですよ。
教員の方なんか笑えないで読んでいると思います。
この後の流れとしては、何回か突き返した後に、ちゃんとやることを約束して練習再開という流れになるんでしょうけど、こういう組織は結局繰り返しますよね。
だって選手は指導者の目を気にしているだけですから。
こういったケースでミーティングという形をとっても、結局は「どうしたら許してもらえるかミーティング」になってしまいます。
そういう経験を繰り返していくうちに指導者の求心力も落ち、最終的には「ハイ!」という返事はするものの、振り返ったら舌を出すような選手が育っていきます。
こうして「十中八九クソ野郎」が量産されていきます。
この指導者は熱心な人かもしれませんが、方向を間違えていますよね。
こうなるのは指導者が間違えているのだと自覚しなくてはいけません。
自分の目が無くとも、選手たちが互いに励まし合い、指摘し合いながら運営できる部活動を作らなくてはいけないのです。
そのためにはやはり選手主体の組織作りが求められます。
〇選手主体の組織を作るために、いろいろな取り組みをしてみよう!
ではどうしたら選手主体の組織を作ることができるのでしょうか?
これはかなり時間がかかりますが、指導者がもっている権限を少しずつ、できそうなところから選手に移譲していくのが良いと思います。
私が以前紹介した取り組みを見てみましょう。
・MVPを決める 。
一日の練習の最後に、その日のMVPを決めるという取り組みです。
私はこれをキャプテン・副キャプテンに選ばせていました。
そうすることによって、キャプテン・副キャプテンの権限を少しでも強め、指導者がいなくてもがんばれる組織を作ることができます。
・グループ練習を行う。
グループ練習というチームをいくつかの小集団に分けて行う練習をします。
指導者はメニューだけ渡して、後は小集団のリーダーに完全に委ねます。
小集団になると互いのチェック機能が働くので、一人ひとりの意識は高くなりますし、キャプテン頼みということもなくなるので、リーダーも育っていきます。
・部活内委員会を設置する。
これはかなりおすすめなのですが、部活内委員会という自治組織を設置します。
この組織を作ることによって、鍵の管理やスケジュール管理は庶務委員会。
倉庫の管理やグラウンドの管理は整美委員会。
練習メニューの決定は練習委員会。
などという形で指導者のもっている権限のほとんどを移譲してしまい、指導者はチェック係、アドバイス係に徹します。
これがうまく回るようになると組織作りはほぼほぼ完成です。
私が都大会ベスト8まで行った代はほぼ完璧にできていましたね。
私が月予定を出すと、庶務委員会が練習試合会場への行き方や交通費、集合時間などを調べて選手に伝えてくれていました。
〇まずはミーティングから変えてみよう!
とは言っても、上記の取り組み、特に「部活内委員会」の取り組みはかなり難易度が高く、指導者主体のチームがいきなり変わるのは難しいです。
そこで、日々のミーティングを選手主体にすることから始めてみませんか?
練習の前と後にミーティングをするチームが多いと思いますが、そのミーティングを選手主体に変えてみるのです。
よく指導者が一方的に指示を出したり、振り返りをしたり、時にはお説教をしたり、というミーティングを見かけます。
時にはそういうことも必要かもしれませんが、それだけでは選手の考える力は育ちません。
意識の低い選手なんて、「ハイ!」と言っているだけのロボットになっていきます。
そこで、指導者は一歩引いて、キャプテンを中心とした選手たちに任せるのです。
振り返りのミーティングであれば、キャプテンからその日の練習の反省を総括してもらう他、選手からも意見を出してもらいます。
私が普段の練習の際に行っているミーティングの行い方を紹介します。
できるだけ指導者が話さなくてもいいように、自ら話す必要の無いことについては事前に選手に任せるようにしていました。
たとえば、倉庫が少し乱れてきたなと思ったら、整美委員会に伝え、整美委員会が選手に話すような形を取ります。
何回か繰り返したら私から話しますが、基本は選手に任せるのです。
そうやって丁寧に指導しながら選手に任せていくうちに、倉庫が乱れてきたら指導者が何も言わなくても整美委員会が動くようになるし、最終的には乱れなくなります。
本当に険しい道のりですが、そうやって少しずつ指導者がやることを減らしていくのです。
こうするとだんだんとチームは指導者の手を離れ、自分たちで「どうしたらさらに良いチームになるか」を考えられる自立した集団になっていきます。
私の経験上、こちらのチームの方が最終的には強いし、みんなが楽しく活動することができます。
〇我慢が必要な取り組み。でも挑戦しませんか?
ここまで読み進めてきて、
・指導者主体でやっているからイライラした人
(そういう人はここまで読んでいないかもしれないですね…笑)
・うちのチームにはレベルが高くて無理と思った人
・取り組んだことがあるけれども我慢できずに断念した人
様々いらっしゃると思います。
しかし、この記事に出会ったのもいい機会ですから、ぜひ挑戦してみませんか?
選手主体のチームを作るにはかなりの我慢が必要ですし、正直何度も何度も裏切られます。
私も何度裏切られたことか笑。
ですが、根気強くやればチームは強くなりますし、何より選手が本当に成長していきます。
野球技術だけではなく、人として成長していくので、指導者のみなさん、ぜひ取り組んでみましょう!
ただ、注意点ですが、選手主体ミーティングと言っても指導者はその場にいるべきです。
口は挟まなくても構いません。
その場に居て、進行を見守るだけで大丈夫です。
指導者がいない場でミーティングをすると、レベルが低いうちは個人攻撃が始まったり、適当にまとめて余った時間はおしゃべりで終わったりしてしまいます。
私もその場におらず失敗してしまったことがあります。
自分たちでしっかりとできるようになるまでにはかなり時間がかかります。
初めは温かく見守ってあげてください。
こちらの記事も参考にしてください。
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