オフシーズンに取り入れることの多い筋力トレーニング、ウエイトトレーニングなどのトレーニングメニュー!!
トレーニングの後はどうしていますか?
短時間でもいいので、簡単に野球の動作を入れるといいそうですよ!
※2019年7月追記。しばらく試してみましたが、なんだかあんまり関係ない気がします。最近はもうやっていません。そもそも中学生に野球の動作と関係のないウエイトトレーニングや自重トレーニングはほとんどやらせていません。
〇スイングの力はスイングを繰り返すことでつく!?
先日、私がお手伝いさせていただいているチームの指導者の方々と野球談議をしていました。
その中で、オフシーズンのスイング量の話になったのですが、一人の方が高校時代、1300gのマスコットバットを一日に1000回振っていたという話をなさっていました。
秋季大会で打てなかったことから指導者が考案し、いわゆるノルマを課したそうです。
結果はどうだったかというと、翌春から打線が爆発。
毎試合のように2桁得点できるチームに成長したというのです。
その方はその結果を手放しで賞賛しているわけではなく、
「マスコットバットを振ることで筋トレになっただけだったかも」
とおっしゃっていました。
その方も現在は軽いバットでゆったりと脱力して素振りをしています。
私は以前からマスコットバットでの数多くのノルマスイングは否定派です。
↑こちらの記事に詳しく書いています。
記事にも書きましたが、確かに力はつくでしょうし、スイングスピードも速くなるかもしれません。
しかし、あまりにも重いバットを使用したり、尋常ではない数を目いっぱい振ったりすることで、フォームを崩してしまったり、腰などを故障してしまう可能性があります。
先の方のチームのように故障せずにノルマスイングを乗り越えた選手は打力がアップするのかもしれません。
たとえば、プロ野球選手が一人の選手として、リスクがあることを分かった上で、それでも打力アップのために取り組みたいというのであれば止めません。
ですが、野球指導者として、ましてや部活動の場合は多くは教育者です。
成功すれば得点力はアップするかもしれませんが、その代わり何名かの選手が故障してしまう可能性があるような練習は避けるべきではないかと私は思ってしまいます。
私も父親ですが、もし自分の息子が所属するチームが重いバットでノルマスイングを課して、
「チームは強くなっても息子はバットを振れなくなった」
なんてことがあったら悲しいです。
選手の後ろにはそのがんばりを支える保護者の方がいるということは忘れてはいけません。
ちょっと話が逸れましたが、他の方々も同じ理由で重いバットを振らせることにはあまり賛成では無かったのですが、その方の話を聞いて盛り上がり、
「確かにスイングする力はスイングする中でついていくということはあるかもしれないね」
という意見が出て来ました。
確かにそうですよね。
それは一理あると思います。
スイングをすればスイングに必要な筋肉だけを必ず使っているはずです。
筋力トレーニングやウエイトトレーニングはスイングとは違う動きですから、スイングに必要な筋肉の一部も筋肉がつくかもしれないし、関係無い部分もつくかもしれませんよね。
では、ウエイトトレーニングの効果はマスコットバットの素振りに劣ってしまうのかと一瞬考えてしまったのですが、そこでその場にいた指導者の方の息子さん、現役高校球児くんがいいことを教えてくれました。
〇筋力トレーニングの後には必ず野球の動作を入れよう!
その高校球児くんのチームで取り組んでいることを教えてくれました。
「筋力トレーニングの後には必ず野球の動作を入れる」
これをチームで徹底しているそうです。
トレーニングによって行う動作は違うのですが、
素振りをしたり、シャドウピッチングをしたりすることで、鍛えた筋肉をどう使うのかを身体に教えるという意図らしいんです。
そんなに多い数ではなくとも必ずやるとのこと。
これはなるほどなと思いました。
というか家に帰ってから思い出したんですが、私も高校時代にそうやって教わっていました。
ウエイトトレーニングが大嫌いだったんで忘れていました笑。
私は筋肉について詳しいとかそういうことではありませんが、確かに実際のスイングやシャドウピッチングを行うことで、筋肉もその動きに合わせようとしそうな気がします。
そんなことは無かったとしても、少なくとも本人の中で、
「この筋肉はこの動作に繋げるのだ」
という意識は生まれると思います。
筋力トレーニングをするときにどの部位を鍛えているのか意識することが重要ということは常識になっていますから、その効果を高めてくれそうではありますよね。
調べてみたところ、こちらの記事で同様の指摘がありました。
日本球界には筋肉を増やして失敗してしまった投手が多数います。しかしそれは筋肉を増やしてしまったことが間違いだったのではなく、制御できない筋肉の増やし方をしてしまったことが間違いなのです。
例えば「今日は筋トレ中心の日」と決めている選手は意外と多いと思います。しかし筋トレでトレーニングを終えてはいけません。筋トレをしてそのままストレッチングをして一日を終えてしまうと、筋肉は筋トレのための筋肉になってしまい、投手なら投手、野手なら野手として最大限に活かせる筋肉になってくれないのです。つまり制御できない筋肉が増えてしまうのです。
筋トレをするタイミングの理想は、練習前です。筋トレをしてからチーム練習に入れば、筋肉は否応なく野球の動作でその日を締めくくることになります。そうすれば筋肉を少しずつ増やしていっても、制御し切れなくなることはなくなります。
練習後や寝る前に筋トレをしてしまうと、どうしても筋トレの動作で筋肉は一日を終えてしまうことになります。すると野球の動作に順応することが難しくなり、せっかく体を大きくしてもパフォーマンスが低下してしまう、という結果にもなってしまうのです。ですので筋トレをする際はバランスと、筋トレをするタイミングも大切にしながら頑張るようにしてください。
また、BPL理論でもウエートトレーニング後の動的ストレッチとして素振りもしくはシャドーピッチングを行うことを勧めています。
金本知憲はウェートトレーニングの後に必ず素振りをしていましたが、この行程が非常に重要です。肩の回旋系のストレッチ(特に動的ストレッチ)は重要ですが最も効果的なのはスローイング版の素振りであるシャドーです。投球動作では腕がリラックスした状態で筋肉の反射機能(伸張反射)が働き、さらに静止状態では生まれ得ないような負荷がかかり肩関節が捻られるために非常に動的ストレッチング効果が高いのです。
私が感じたことも、この二つのご意見もエビデンスとして示せるものがありません。
どなたかは研究してそうな事柄ですが、見つけることはできませんでした。
ですが、一理ありそうですし、取り組むリスクがあるということではありませんから、やってみてはいかがでしょうか?
私は今日からやってみようと思います。
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