BPL理論が提唱している「肩乗せ打法」とは!?
パンチャータイプの選手におすすめできるバッティングスタイルです!
これを機にBPL理論についても知ってみませんか?
〇BPL理論への危機感!
私は宮川理論の公認指導員です。
したがってBPL理論の記事を書くことは完全にお角違いなのですが、それでも今後定期的にBPL理論について取り上げていきたいと思っています。
BPL理論は以前から何度も取り上げていますが、
塚口洋祐氏が提唱しているメジャーリーガーのバッティング・ピッチングを研究してたどり着いた野球理論です。
はっきり言ってすごいです。
まだまだ研究として突き詰めることはできるとは思いますが、メジャーリーガーを研究し、「パンチャー」と「スインガー」の二つのタイプに分類しただけでもすばらしいとしかいいようがありません。
BPL理論ではさらにパンチャーを中心としてどのように育成していくのかメカニズムを明らかにしています。
優秀なスラッガーを輩出し、塚口氏が研究したMLBでも「パンチャー」と「スインガー」のメカニズム的な違いについては分かっていないと思われます。
塚口氏はこのBPL理論を広めるためにホームページやSNSで様々な努力をしてきましたが、残念ながらそれほど注目を集めることはありませんでした。
塚口氏自体、SNSで一般人と喧嘩をしてしまうなど、BPL理論の普及とは別の部分で注目を浴びてしまい、BPL理論の信憑性が疑われてしまったことなど正直、塚口氏にも原因はあったかと思うのですが、塚口氏は残念なことに現在は野球への興味を失ってしまったように、ホームページの更新やSNSでの活動をやめてしまいました。
ツイッターで政治関連のツイートは頻繁にしているものの、野球関連のツイートは最近見受けられません(私自体そんなにツイッターはしていないので、確認不足でしたらすみません)。
私はこのまま塚口氏が野球に関わるのをやめてしまったら野球界の大きな損失だと思います。
もし仮に彼がBPL理論のホームページを削除してしまい、野球と距離を置いてしまったら、と思うと恐ろしいと思っています。
そこで、塚口氏にとっては本当に余計なお世話だと思うのですが、彼のホームページで紹介されている技術論を少しずつ当ブログでも紹介させていただこうと思います。
塚口氏は以前から「自分以外にはBPL理論を100%理解することはできない」と述べていますが、正直その通りだと思います。
私が紹介しても誤りがあるかもしれないのですが、それでもBPL理論のすばらしさが少しでも広まれば嬉しいと考えています。
ちなみに、塚口氏は否定していますが、BPL理論と宮川理論は相反する理論ではありません。
特にスイングパスについては共通する部分があります。
他にも共通する部分が多々あるのですが、宮川理論を本格的に学ばないと分からない部分なので今回は置いておきたいと思います。
↑スイングパスについてはこちらをご覧ください。
〇肩乗せ打法とは何か?
前置きが長くなってしまいましたが、今回は「肩乗せ打法」というパンチャータイプのバッティングスタイルを紹介したいと思います。
その名前の通り、バットを肩に乗せて構えるバッティングスタイルです。
塚口氏が推奨しないタイプの肩乗せ打法もあるため、正確には「完全肩乗せ打法」と言います。
こちらが完全肩乗せ打法です。
構える際にバットを完全に肩に乗せてしまいます。
※本来は塚口氏が指導した選手の動画を貼っていましたが、削除されてしまったため、加藤選手です。加藤選手も完全肩乗せからのパンチャーです。
パンチャーのことを知らないと何をやっているのかちょっと分からないと思うのですが、そこからオートマチックステップという全力でスイングしようとすることで自動的に起こる下半身の動きを使いスイングしています。
パンチャー、オートマチックステップについてはここで簡単に説明できることではないので、こちらの記事をご覧ください。
パンチャーだけでもおすすめできるバッティングタイプです。
塚口氏はパンチャーとスインガーはあくまでも分類であって、どちらかに優位性は無いと述べていますが、一方で全く同じ能力の2選手がパンチャーとスインガーを極めた場合、パンチャーの方が若干良い成績を残すと予想しています。
私もそう思います。
ボールに合わせてオートマチックにステップし、着地でタイミングを合わせるのでタイミングを取りやすいです。
スインガーの場合、予備動作が必要となるのでタイミングを合わせるという点ではパンチャーに劣ると私は考えています。
そのため、スインガーはシンクロ打法と兼ねることが必須になると思います。
シンクロしたとしても緩急に弱いのはやはりスインガーではないでしょうか?
ただ、パンチャーは全力でスイングすることが前提になるので、当てただけのバッティングというのは苦手です。
その分、空振りは増えると思いますが、パンチャーが空振りするボールはスインガーは当てただけになるのだと思います。
↑まあスインガーの方がこういうテクニックはしやすいと思います。
〇肩乗せ打法のメリット!
ちょっと話が逸れました。
肩乗せ打法に話を戻しましょう。
塚口氏は肩乗せ打法のメリットを以下のようにまとめています。
『肩に乗せる事によって腕が楽になるから、腕の筋肉がリラックス出来る。そのぶん、腕力に頼った打ち方にならずに、下半身、体幹の力を使ってバットを加速出来る。』これが肩乗せ打法のメリットです。
「腕が楽になるだけかよ」と思われるかもしれないのですが、それは大きなメリットだと述べています。
塚口氏はバットを立てて構えるのと、寝かせて構えるのではどちらが良いのかという話にも言及しています。
理由(1)フォーム上のメリット あらかじめトップの角度にバットを寝かせて構えておく事によって、前脚着地までの間の動きから無駄を省く事が出来る。
理由(2)解剖学上のメリット バットを寝かせて構える事によって前腕部が回内し、肩関節も内旋し、それに連動して肩甲骨、骨盤のポジショニングまで良くなる。また、グリップも前腕の回内と連動して自然にしまります。
こういったメリットがあるそうです。
しかし、バットを寝かせて構えると大きなデメリットがあり、それは
しかし、バットを寝かせた構えには一つ致命的な欠点があります。それが「腕に負担がかかる」というものです。これは下図のようなテコの原理によるものです。バットが横になってヘッドとグリップの間の水平距離が大きくなるほど、腕には負担がかかるのです。
ということのようです。
つまり、肩乗せ打法とはバットを寝かせて構えるメリットをそのままに、バットを寝かせるデメリットを無くすというバッティングフォームということになります。
ただ、塚口氏は肩乗せ打法には弱点もあると述べています。
ただし、そんな肩乗せ打法も、残念ながら完全無欠の打法であると言うわけではありません。バットを肩に乗せる事で、手や腕のポジショニングが解剖学的に理想的な位置から少し外れてしまうのです。そのぶん、メカニクス的には若干のデメリットが発生します。
塚口氏の意見を汲むと、要するに完璧なバッティングスタイルというのは存在しないと思うんです。
どのくらい弱点が少なく、自分に合ったバッティングスタイルを選択するかが大切になってくるというわけです。
その選択肢の一つとして肩乗せ打法はおおいにアリだと思います。
BPL理論に興味を持ち、パンチャータイプになろうという方は肩乗せ打法採用も検討してみてください。
練習方法、習得方法についてもホームページで詳しく解説されています。
〇肩乗せ打法の注意点!
ただし、注意点もあるそうです。
もちろん、お手軽なだけでは無く、トップの位置から無駄なくバットが出せるので、子供にそういうスイングを身につけさせる上でも、有効です。ただし子供に教える場合、並行して肩に乗せない打法での素振りなども行うようにしてください。でないと力がついて行きませんから。
また、理由については割合しますが、完全肩乗せオートマチックステップでの「素振り」は止めた方が良いでしょう。あくまでもボールを打つ時専用の打ち方という認識で取り組んでください。
そろそろ、肩乗せ打法についてのお話を終えたいと思いますが、最後に、この打法は前述してきましたように「小さなデメリットを受け入れて大きなメリットを掴みに行く」という戦略に基づいた打法です。
ですから、そこの所を理解して、デメリットを最小限にするために普段から肩に乗せない打法でのスイングも練習しておく事が非常に重要になります。
肩乗せ打法、特に完全肩乗せ打法は、それ自体は非常にシンプルで簡単な打ち方です。しかし、その反面、(方に乗せない打法も練習する等)取り組み方自体は少々複雑になる部分があります。そこは試合で楽して最高の結果を出すために必要な労力として割り切って考えてほしいと思います。
ここの解釈は少し難しいです。
特に完全肩乗せ打法での素振りはやめたほうが良い理由が書かれていません。
私個人の解釈では、
①完全肩乗せ打法は楽な打ち方なので、スイングを力強くするための素振りには向かない。
②完全肩乗せ打法だけを練習しているとオートマチックステップが起こりにくくなる。
の2点が理由ではないかと思います。
①はそれに近いことが書かれてあるので間違いないと思いますが、②はちょっと自信がないですね。
ただ、オートマチックステップは強くスイングしようとすることで起こるメカニズムです。
誤解を恐れずに言えば、「力む」ことが前提になります。
肩乗せ打法は悪い意味での力みを取ることができますが、練習でも常に肩乗せ打法で打っているとオートマチックステップに必要な良い意味での力みまで無くなっていく可能性があるのではないでしょうか?
だから、素振りでは肩乗せ打法を勧めないのではないでしょうか?
これは宮川理論が脱力を勧めるのと似ている気がします。
「試合では力んでしまうのだから、とにかく練習では脱力しよう」と宮川理論では指導します。
試合ではやはり力みはどうしても出るのでオートマチックステップが成立しても、練習でも続けてしまうとスイングの力強さが失われてしまう。
これはあるかもしれませんね。
また、ここからは個人的な見解になりますが、パンチャーであれ、スインガーであれ、足を大きく上げるタイプの選手は完全肩乗せ打法とマッチしにくいと思います。
柳田選手はパンチャーですが、大きく足を上げるタイプです。
こういった選手は構える時点においてはバットを立てる方がバッティングが崩れにくくなると思います。
以上、BPL理論の「肩乗せ打法」の紹介でした。
先にも述べましたが、BPL理論の専門家ではないので間違い等ありましたら申し訳ございません。
詳しくはホームページで確認することをお勧めします。
※追記
塚口氏はついにHPも閉鎖してしまいました。
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