「日本ではマフィアが野球を教えている」そんなふうに海外の人からは思われているそうです。
なかなか変われない日本野球界ですが、近年様々な人が野球界への提言を口にするようになってきました!
これを機に「自分の子どもを入部させたい野球部」を作っていきませんか?
〇なかなか変われない日本野球界。
「日本ではマフィアが野球を教えている。」
海外では日本の少年野球~高校野球を見て、そのように感じる方が本当にいるそうです。
私は過去にもこれらの記事で野球界の現状に警鐘を鳴らしてきたつもりです。
近年、野球人口減の問題や野球界の体質の問題などに対する提言が非常に多くなってきたように感じます。
個人的には上記の記事でも取り上げた広尾氏の『野球崩壊』の影響が大きかったのかなと思いますが、このような提言がなされ、古い日本の野球界の体質を変えようという流れが少しずつ起こってきているのはすばらしいことだと思います。
2018年に入って、話題になったのが筒香選手の提言です。
【勝利至上主義の撤廃】 指導者や親が、子供に勝利を求めすぎる。「楽しいはずの野球なのに、怒られないように子供が大人の顔色をみてプレーしている」と指摘した。
【答えを与えすぎないこと】 子供に技術や動き方など教えすぎるため、指示待ちの子供が増加。「教えてあげたい気持ちも分かるけど、子供が自分で考えることも大事。見守ってあげることも必要」と唱えた。
【飛びすぎる金属バットはよくない】 「日本の金属バットは素材が良すぎる。それは子供たちのためによくないと思う」。米国では大学生も金属バットを使うが反発係数を抑えていると明かし、試打した筒香も「(感触は)かなり木製に近かった」と語った。
主に上記3点の提言を行っています。
特に上の二つ「勝利至上主義の撤廃」と「答えを与えすぎないこと」に関してはほぼ指導者に対しての提言と言っても良いと思います。
彼が中学時代に所属していた「堺ビッグボーイズ」さんは本当に見習うべきところが多いクラブチームとしていろいろなところで取り上げられています。
瀬野代表が思い切った改革に乗り出したのが、2009年、森友哉が中学2年生になる年だった。ひょんなことからドジャースで日本担当スカウトを務めた小島圭市氏に出会い、海外での育成方法など話を聞くうちに「今まで解けなかったパズルがはまった感じ。見つからなかった答えが見つかった気がした」という。早速、小島氏にアドバイザー就任を以来。「勝つための野球」という考えは一切捨てて、「考える野球、伸ばす野球」を目指すことにした。
土日祝の練習は、朝8時20分から午後2時30分までとし、長時間の練習をやめた。練習メニューも張り出すことにした。1日の流れが分かっていれば、子供たちも進んで動くことができるようになる。メニューの中には“自主練習”の時間を組み込み、子供たちが自分に必要だと思うことを何でもさせた。
バッティングをする子もいれば、鬼ごっこをする子もいる。極端な話をすれば、寝てもいい。何が必要なのか、何がやりたいのか、自分で考え、それを大人に伝えられる子供たち
にしたい。「野球だけではなく、普段の生活でも、しっかり自分の考えを持つ人間に成長してもらいたいんです。ゆくゆくは野球をやめてしまうかもしれない。でも、ここで学んだことが、いつか役立つ形を見つけたかったんです」という。
ほんの一部ですが、堺ビッグボーイズさんの他のチームとは異なる部分がお分かりいただけるのではないでしょうか?
この他にも堺ビッグボーイズさんの取り組みが記事の中にまとめられていますし、検索するともっともっといろいろな取り組みが出て来ます。
とにかく見習うべきところが多いクラブチームですので、みなさんもぜひ参考にしていただければと思います。
こんな環境で育った筒香選手だからこそ今回のような提言をすることができたのではないかと私は思います。
〇「自分の子どもを入部させたい野球部」を作ろう!
では、話を現場に戻します。
筒香選手は「勝利至上主義の撤廃」という形で提言をしてくださっていますが、私も同感です。
こちらの記事に書いたのですが、「勝ちたい」という気持ちは持って欲しいと思いますし、指導者はその気持ちを引き出す必要があると思います。
しかし、それと「勝つためには何をしても良い」というのは全く違います。
勝つためなら主戦投手は肩を痛めていても投げなくてはいけない。
勝つためならエビデンスが無い、厳しい根性練習も耐えなければいけない。
勝つためなら指導者の暴言、罵声も許される。
間違った勝利至上主義、行き過ぎた勝利至上主義が「日本ではマフィアが野球を教えている」と言われる所以だと思うのです。
話はちょっと変わりますが、私が尊敬する校長先生が職員に毎回のように
「自分の子どもを通わせたい学校を作りましょう!」
と職員会議でおっしゃっていました。
当時私には子どもはいませんでしたが、何となくおっしゃることの意味は分かりました。
その話を聞いてから、私はそれまで以上に自分のクラスの子、部活動の子、その他関わる子に丁寧で優しい指導を心がけるようにしました。
もちろん叱る時にはしっかりと叱りますが、そこで人権を無視するような暴言や罵声を浴びせることは絶対にありませんでした。
その校長先生、同僚の先生方の努力で、当時の勤務校は「自分の子どもを通わせたい学校」になったと思っています。
それと同じことだと思うんです。
指導者は「自分の子どもを入部させたい野球部、クラブチーム」を作らないといけないと思うのです。
ミスをするたびに「バカヤロー!」と罵声を浴びせられたり、故障していても無理を強いられたりするチームに自分の子どもを預けたいと思うでしょうか?
私の息子はまだ1歳ですが、将来野球をやりたいと言っても、そういうチームには預けることはできないです。
また、同じように「自分の家族が見ている前で出来る指導」を常にすべきだと思います。
自分の親や配偶者、さらには子どもに、あなたがチームの子どもたちに「バカヤロー!」「できないなら帰れ!」などと怒鳴っている姿を見せられますか?
ちょっと私にはできないです。
もちろん、私も厳しく叱ることはありますよ。
チームメイトや相手チームをバカにするような発言をしたり、危険な行為をしたりしたらかなり厳しく叱ると思います。
そしてなぜ私が厳しく叱ったのかをしっかりと説明します。
その姿は家族にも見せることはできます。
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