試合後のミーティングを選手主体に行ってみませんか?
選手が反省点を考え、次に向けてどうしていくのか考えることでチームが成長しますよ!
〇試合後のミーティングはどうしていますか?
みなさん、試合後のミーティングはどのように行っているでしょうか?
先日こんな記事を目にしました。
こちらの記事では試合後の長いミーティングを否定しています。
一部引用させていただきます。
指導者のあなたは試合後にどういったミーティングをしますか?多くの指導者が反省するミーティングをするんでないでしょうか?今日の負けた原因、ミスした場面、打てなかった場面、そう言ったことを探してミーティングをしていませんか?
例えば、私のチームのように4対0で完封負けをしました。内容を言えば投手のリズムが悪く四球が目立った。エラーも出てそれが失点に繋がった。安打数も少なくチャンスに打つことができなかった。
このような試合をして試合後のミーティングではどのような話をしますか?「投手にリズムよく投げろ」と言いますか?エラーした選手に「もっと気持ちを見せろ」と言いますか?チャンスに打てなかった選手に「しっかり打て」と言いますか?
言ったところで・・・ですよね。しかもそんなこと言われなくても選手が一番分かっていますから、さらに言われたら腹が立つか落ち込みますよ。プロ野球選手や社会人野球選手じゃないんですから。
社会人時代はそんな具体性の無いミーティングは一切しなかったです。特に試合後のミーティングに関しては負けた原因を探したり誰かのせいにしたりすることは一切ないです。
監督が一言二言、各コーチが一言二言で終わりです。内容も次の試合に向けてどうするか?とか良かったところを褒める程度です。打てなかったことやミスしたことは見たら分かりますもん。見て分かることを言うようなレベルではないですから!
具体的なアドバイスや話は試合が終わって個人的に呼ばれて話をします。しかも「しっかり投げろ」とか「チャンスで打て」なんて言うレベルの低い話ではなく動作分析や改善方法などをしっかり話します。次に繋がるミーティングをしているのです。
指導者のあなたはどうですか?試合後に全員集まって長々とミーティングをしていませんか?負けた原因を言っていませんか?「こんな事じゃだめだ」なんて言ってませんか?試合後のミーティングで話しても誰も覚えていませんよ。
選手は「話長いなー」としか思いませんよ。他のことを考えていますよ。その証拠に試合後のミーティングでノートをもって書きながら話を聞いている選手はいますか?監督、指導者のあなたの発言をノートに書き留めながら聞いている選手はいますか?
いないと思います。別にノートをもって書きながらミーティングをしろと言っている訳ではありません。むしろする必要はありません。私が言いたいのは試合後に具体性の無い話を長々とする必要はないと言っているのです。
よく見かける光景ですが、試合後に永遠と怒っている監督、指導者をよく見かけます。大きな声で怒っているから話している内容も聞こえてきます。本当にレベルの低い話をくり返し繰り返ししています。しかも名指しで!
「なんであそこでファーボールを出したんだ」と言い選手が答えるまで責め続けます。しまいには選手が泣き出します。さらに「泣いても何も始まらん!泣くな」と自分で泣かせておいてそれはないだろうと思うようなことを平気で言う。
何のためのミーティング何でしょうか?監督、指導者のうっぷん晴らしでしょうか?「違う、チームに強くなってもらいたいからだ」と多くの監督、指導者は言いますが、こんなミーティングでは強くなりません。
それどころか選手のモチベーションは下がりますし、試合中も「ここでミスしたらまたミーティングで言われる」と思ってしまい消極的なプレーになってしまい野球を楽しんでできません。こんな状態では誰のために野球をやっているのか分からなくなります。
チームに強くなってもらうためと思うのであれば試合後の長々としたミーティングを今すぐに辞めることです。今すぐにです。反省は試合後にするのでなく個別で別の日にしてください。そして具体的なアドバイスをしてあげてください。その方が選手は伸びます。
もし、試合後にミーティングをするのであれば褒めるだけのミーティングにしてあげてください。良いところをどんどん言ってあげるのです。そう言った選手が喜ぶようなミーティングにであればやってもいいと思います。
子どもに限らず人間は褒められると喜びます。特に人前で褒められると嬉しくてうれしくてたまりません。嬉しいから、褒められたいからまたミーティングで自分の名前を言ってもらいたいから頑張れるしモチベーションが上がって野球が楽しくなるのです。http://okishige28.com/2018/02/12/%ef%bc%9c間違いだらけの野球教室%ef%bc%9e試合後のミーティン/ より
もう少し続くのですが、私が注目したのは上記の部分です。
私は試合だけに関わらず、練習でももの凄くミーティングを重視しています。
できれば毎日10分以上は確保したいと思っていますし、試合後であれば30分近くやることもあると思います。
しかし、やり方は全く異なります。
次の項で私がおすすめするミーティングのやり方を紹介したいと思います。
〇ぜひ選手が考え、意見を交換するミーティングを!
以前、こんな記事を書いています。
こちらの記事は試合後のミーティングを想定して書いたものではありませんが、試合後であっても同じだと思っています。
先ほど紹介した記事で全く同感なのは、ずっと指導者ができなかった部分を指摘する長いミーティングならやめた方がいいという趣旨の部分です。
これは確かに選手のモチベーションは下がりやすいですし、具体的な指導が無い場合は選手はどうすれば良いのか分かりません。
それであれば簡単に済ませてしまって、個別に具体的な指導という方が確かに良いのかもしれません。
Facebookでアップされた上記の記事に賛同される方も多く、指導者は手短にと思っている方が多いようです。
私がおすすめしたいのはそういった一方的に指導者が話す(もしくは叱る)ミーティングではなく、選手が考えるミーティングです。
ランダムに3人~4人のグループをいくつか作り、試合の反省を行わせます。
私は練習試合は失敗を経験する場、それを通じて成長をする場と選手に話をしていますから、挑戦してできなかった場合は良かったことに分類しています。
一番良くないのは、挑戦しようとしなかったとき、後はチームの決めごとを徹底できなかったときです。
こういったことを中心に試合で良かったことや反省すべき点、次までに改善すべき点などをグループごとに出してもらいます。
この選手主体のミーティングは初めから上手くはいきません。
おそらく初めは
「エラーが多かった」
「先頭にフォアボールを出してしまった」
「ヒットを打てなかった」
というような反省というよりはダメ出しになってしまい、
「じゃあどうするの?」と問いかけるとシーン…となってしまうと思います笑。
しかし、ミーティングの仕方や振り返るポイントを丁寧に指導していくうちに段々とグループでの話し合いはレベルが上がっていきます。
大体の指導者が試合前に
「今日の試合ではこういう点ができるようにがんばろう」
という話をしているはずですし、チームの課題というものがあるはずです。
その点を中心に話し合いができるとなかなか話し合いのレベルも上がってきます。
そして必ず「改善するためにどうするか」というところまで話し合わせます。
このグループでの話し合いを5分程度時間を取ります。
初めは5分ももたないと思います。
順番に一言ずつ反省を言って、すぐに終わってしまい「どうする…」となる場合が多いです。
しかし、訓練していくうちに順番に言うのではなく、「話し合い」になっていきます。
最終的には5分では話し足りないくらいになっていくはずです。
そしてその後は全体で集まり、キャプテンを中心に各グループの代表にミーティングで出た内容を簡単にまとめて発表してもらいます。
その後、キャプテンに総括してもらい選手中心のミーティング終了です。
大体15分程度かかると思います。
ここまで指導者は一切しゃべりませんが、まともにミーティングができるようになってくると指導者が伝えなくてはいけないことは大体選手が出してくれていると思います。
指導者は最後に付け加えがあれば付け加えを簡潔に話すのと、ミーティングの総括をしてあげてください。
どうしたらもっと積極的に意見が出る話し合いになるかを指導者がアドバイスをするのです。
この時間が長いと見るか短いと見るかは人それぞれだと思いますが、指導者が一方的に話すよりは自分たちで話し合った方が圧倒的に記憶に残りやすいですし、何より考える力が身に着きます。
野球は特にトップダウン型の指導が多いと言われていますから、試合後のミーティングから変えてみませんか?
この取り組みは中高生はもちろんできますが、小学校高学年でも指導者がフォローしながらやればできなくはないと思います。
選手が考える時間をぜひ取ってあげてください。
また、このミーティングと野球ノートも関連づけられるとさらに効果は高くなると思います。
〇最初の話し合いを3~4人で行う理由!
ちなみにですが、グループが3~4人なのには理由がありまして、これは授業での研究を応用したものです。
野球指導者の方には関係ない話になりますが、佐藤学氏という方が提唱している「学びの共同体」という授業形態ではグループ活動に重きを置いています。
佐藤氏の研究の結果、一人ひとりが一番主体的に話し合いに参加することができる人数が3~4人なのだそうです。
実際に私はこのやり方で授業をやっていますが、その通りに感じています。
2人だとなかなか意見を言いづらい、もしくは慣れ合いになってしまい、5人だと存在感が薄くなってしまう子が出て来ます。
当然、いきなり全体でやると指導者が一方的に話をするのとあまり変わらなくなってしまうのでおすすめしません。
やはり試合後のミーティングでも3~4人での話し合いを基本とすべきだと思います。
毎回同じメンバーだと慣れ合いが始まるのでランダムに構成するようにすると、毎回中心になる選手が変わりますし、さらに効果が高いです。
ということで、今回はオススメの試合後のミーティングの行い方を紹介しました。
ぜひ取り入れてもらえたらと思います。
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