守備範囲を広げるためにはどうすれば良いのか考えたことはありますか?
西武ライオンズの源田選手の守備を参考にまとめてみました!!
〇守備力とは何か?
内野手、外野手ともに、守備範囲が広いに越したことはないですよね。
これまで、守備力は守備率、要するにエラーの少なさで評価されることが多かったです。
しかし、セイバーメトリクス研究の発達により、守備力は守備率だけではなく、守備範囲を表す指標UZRでも評価されるようになってきました。
UZRの詳しい説明はこちらの記事を見ていただければと思います。
守備率は正面付近の打球を正確にさばくことができているかは分かりますが、どのくらい難しい打球に追いついてアウトにできているかは分かりません。
たとえば、プロ野球の2017年シーズンを例に出すと楽天の外野手、岡島選手は守備率1.000を記録しています。
つまり年間で失策が0ということになります。
確かに岡島選手は上手です。
しかし、岡島選手が球界ナンバー1の外野手かと言われると疑問をもつ方も多いと思います。
実際、岡島選手はUZR1.8で左翼手の中で4番目に過ぎません。
左翼手ではトップが日本ハム大田選手の6.4ですし、全体では横浜の桑原選手が13.9です。
【PV】桑原将志 守備でのファインプレー集2018〜ハマのガッツマン〜 横浜DeNAベイスターズ
守備範囲においては圧倒的に他の選手の方が上ということになります。
今回は近年守備力を評価する上で重視されている守備範囲を広げるにはどうすれば良いのかを考えていきたいと思います。
〇守備範囲を広げるには?
ではその守備範囲を広げるにはどうしたら良いのでしょうか?
まず基本的にはフィジカル面が大事になるでしょう。
瞬発力、打球反応、打球を処理する際の下半身の強さ、そういった基本的な身体能力が必要になるのは間違いないと思います。
また、身体の成長、単純に身体が大きい方が手足は長いわけですから、身体の成長も守備範囲に影響するでしょう。
しかし、そういった面は日々のトレーニング、あとは身体の成長を待つしか無いわけですからここで論じるのはちょっと難しいです。
では練習によって守備範囲を広くするということのみに焦点を絞った場合、どのような方法があるのか考えてみたいと思います。
ここで参考になるのが、
プロ野球2017年シーズンで全選手中最高のUZR21.6を記録した西武ライオンズの源田選手の守備です。
《THE FEATURE PLAYER》L源田 54個『たまらんゴロ捌き』を一気に振り返る!!
もちろんかなり難しい打球に関しては飛びついたり、バックハンドで捕球したりしているのですが、「その打球まで正面で捕れるの?」というくらい極力正面で捕る努力をしているのが分かります。
これに対してゴールデングラブ賞を獲得したソフトバンクの今宮選手は意外にもUZRは2.7。
今宮選手といえば球界屈指の守備力というイメージですから、この数字は意外かもしれません。
《THE FEATURE PLAYER》H今宮 唯一無二の好守備まとめ
こちらの動画を見ていただけると分かるのですが、とにかく守備が派手なんです。
飛びついたり、バックハンドで捕ったりと本当に上手です。
球際に強く、難しいバックハンドキャッチもなかなかミスしません。
ですからかなり守備が上手に見えるのですが、守備範囲を広げるという点ではこのバックハンドや飛びつくことがネックになってきます。
〇できるだけ正面で捕る癖をつけよう!
守備範囲を広げるという点において参考にすべきはやはり源田選手です。
もちろんアウトにするためにはダイビングキャッチやバックハンドも上手にできるに越したことはありません。
ただ、普段からあまりにも簡単に正面に入らずにバックハンドで捕る癖をつけてしまうと守備範囲はなかなか広くなりません。
むしろ守備範囲はどんどん狭くなってしまいます。
阪神タイガース 2017年5月14日 対横浜DeNA 鳥谷のサード守備まとめ
2017年の鳥谷選手のサードの守備です。
以前はショートの名手として名をはせた鳥谷選手ですが、守備範囲はかなり狭くなってしまっているのがお分かりいただけると思います。
実はゴールデングラブ賞を獲得したものの、鳥谷選手のUZRはなんと-19.2。
12球団のレギュラーではワーストになります。
もちろん年齢的な問題もあるかと思うのですが、数年前からハンドリングの上手さで守備範囲を補うようになってきていました。
2015年にベストナインを獲得した際もかなり守備範囲は狭くなっており、かなり片手キャッチやバックハンドを連発していました。
阪神タイガース ショート 鳥谷敬 2015年の内野ゴロ守備 ほぼ全部
むしろこちらの方がうまく見えるんですよね。
ですが難しい打球は正面に入れていませんし、前の打球がランニングスローになりがちですよね。
これは本当はもう少しダッシュがつけば少しだけ膨らんで入れるのでランニングスローにならなくて済む打球です。
足が止まってしまっているので、平凡なショートゴロをヒットにしてしまうシーンもあります。
※17:05からの守備はぜひ見てみてください。
鳥谷選手の場合は試合の動画ですし、守備範囲が狭くなったのは年齢的な問題もあると思います。
しかし、伸び盛りの選手であっても、練習で正面に入らないことが癖になってしまえば当然守備範囲はどんどん狭くなっていきます。
結論を言えば、練習ではとにかく正面に入る練習をすべきです。
《THE FEATURE PLAYER》ルーキーらしからぬ安定感!! L源田 いぶし銀の守備
もう一度源田選手の動画です。
派手な部分ではなく、できるだけ正面に入る、前の打球も1塁に投げやすいように若干膨らんで入っているのも注目してみてください。
鳥谷選手と見比べると何気ない一つ一つのプレーのレベルが高いことが分かります。
これを練習で常に意識しましょう。
外野手であっても一緒です。
極力ダイビングキャッチでごまかさない。
とにかく早く落下地点に入ることでファインプレーに見せない努力をすることが大切です。
おすすめはまずはゴロ捕球で難しい打球も全て正面に入る練習を繰り返して欲しいと思います。
ただし、一方でバックハンドやダイビングキャッチなどで捕れるように練習することも重要です。
矛盾するようですが、極力正面に入る努力をすることで守備範囲を広げる。
そして、それでもどうしても捕れないときにはバックハンドやシングルキャッチ、ダイビングキャッチでさらに守備範囲を広げる。
ですから両方の練習をすることが必要になってきます。
そしてノックなどの守備練習の際に指導者が正面に入れる場合は正面に入るように厳しい目で見ていく必要があると思います。
これは選手も指導者も継続力が問われることでしょうね。
根気が必要ですが、ぜひ意識して取り組んでいきましょう。
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