ティーバッティングをバッティング練習として採用しているチームは多い!
しかし、狭いネットにボールを入れる意味はあるのでしょうか!?
〇バッティング練習の代表と言えばフリーバッティングとティーバッティング!
私が現役時代に行ってきたバッティング練習といえば、「フリーバッティング」と「ティーバッティング」でした。
フリーバッティングはみなさんご存知のように、投手もしくはマシンが投げたボールを試合のように打つバッティング練習です。
どのカテゴリーでも行われている、一番メジャーなバッティング練習ではないでしょうか?
新人王 源田壮亮 ティーバッティング 2017 埼玉西武 南郷秋季キャンプ編
このようにプロ野球でも必ず行われていますね。
ただし、私は小学生・中学生の練習ではあまりおすすめしていません。
レベルが低いとフリーバッティングでバッティングを崩す選手が出てくるので、ロングティーやハーフバッティングをバッティング練習の中心とすることをおすすめしています。
このフリーバッティングと同じくらい行われているのがネットに向かって打ち込む「ティーバッティング」ではないでしょうか?
「トスバッティング」と言うこともありますね。
【打撃力UP!】冬で差がつく!高校時代にやっていたティーバッティングを紹介!『打ち込み』の時間を無駄にするな!!【バッティング練習】
いろいろなやり方はありますが、ネットに向かって繰り返し打ったという経験をお持ちの方はかなり多いことでしょう。
私も高校時代はノルマを課されて、一日数百スイングした記憶があります。
個人的には斜めからトスアップすることにはあまり賛成ではないのですが、フリーバッティングよりも場所を取らずに多くの本数をこなすことができるのでバッティング練習としてはアリなのかなと思います。
〇ネットに入れる意味はあるのか?
しかし、狭いネットに打球を入れる意味は本当にあるのでしょうか?
ZETT(ゼット) 野球 ティーバッティング用 練習用ネット(ダブル) BM137Z
- 出版社/メーカー: ゼット(Zett)
- 発売日: 2015/10/27
- メディア: スポーツ用品
- この商品を含むブログを見る
よく野球部で利用されているバッティングネットはこのような商品です。
真ん中に打ち込むようになっています。
行い方はいろいろとありますが、高校野球の練習でもこのようにネットに打球を入れることが前提となって練習が行われています。
この動画のバッティングネットは打球が入る部分が上の商品よりも広くなっていますが、それでも打球の行方は制限されてしまいます。
果たしてこの狭いネットに打ち込むことに効果はあるのでしょうか?
弊害は無いのでしょうか?
〇長打になる角度で打てないのではないか?
このネットに上手に打球が入るように打った場合、打球に角度はほとんどつきません。
もちろん、ネットの広さやネットからどのくらい離れて打つかにもよるのですが、少なくとも外野手の頭を超える打球を打つ練習にはならないのではないでしょうか?
2017年、フライボール革命が広まり、バレルゾーンも話題になりました。
ホームランになりやすい角度は30度前後だということが分かっています(ただし、スイングスピードも関係しています)。
ティーバッティングで30度前後の角度をつけてバッティング練習を行った場合、ほとんどネットには入らないのではないでしょうか?
バレルゾーンの申し子と言われているアーロン・ジャッジ選手のホームランはこんな角度で飛んでいきます。
めちゃくちゃ高く上がっていますよね。
さすがにこんなに打球に角度をつけてホームランを打てる選手はなかなかいませんが、長打を打つにはそれなりの角度が必要になるわけです。
そう考えると、ティーバッティングで狭いネットに打ち込む練習を繰り返しても長打を打つ練習にはならないと言えると思います。
むしろ無理にネットに入れるためにコネるスイングやダウンスイングなどの悪い癖がついてしまう危険があるのではないでしょうか?
〇工夫をしてみよう!
ティーバッティングの問題点を挙げてみましたが、ティーバッティング自体は悪い練習ではないと思います。
①斜めからのトスアップは実践と異なる。
②ネットに無理に入れることで悪い癖がつく。
この2点を改善することで有効な練習になるはずです。
まず、①斜めからのトスアップですが、トスを上げる人がネットに隠れるように行えば正面からトスアップできます。
単純にこうやって行えばいいだけです。
特にロングティーでは場所があるわけですから、必ず正面からトスアップした方がいいと思います。
この動画ではセンターから逆方向を意識していますが、別に引っ張っても構わないと思います。
②のネットに無理に入れると悪い癖がついてしまうことについても、正面からトスアップし、大きな防球ネットに向かって打つことで改善できます。
プロ野球選手もこのような形で、ネットに入れるのではなく、大きな防球ネットに向かって打って練習するケースが多いです。
上の動画ではトスアップする人の前にネットは置いていませんが、レベルが低いほど打球はあさっての方向に行ってしまうので、ネットを置いた上で大きな防球ネットに打ち込むといいと思います。
これで二つの問題点は改善できます。
大きな防球ネットなんて無いというチームもあるかもしれませんが、ほとんどの学校には野球用でなくともある程度の高さのあるネットがあるのではないでしょうか?
私のチームではそこに向かってテニスボールを使ってティーバッティングをしています(他の部活動に配慮して軟球では行っていません)。
クラブチームで、そこまで高いネットが無いというチームはバックネットをうまく活用したり、専用のネットを購入しても良いかもしれませんね。
こういったネットです。
ゲージだと高いですが、このくらいの値段のネットだといけるかもしれません。
ただし、高さが不十分なので、安全面を考えてテニスボールで行うことをおすすめします。
以上、ティーバッティングの効果を高めるためのアドバイスでした。
少なくとも、ネットに入れることを目標にはしない方がいいと思います。
ネットに入れることではなく、打力をアップさせることが目的でなくてはいけませんよね。
関連記事です。