もしもピッチャーがランナーのいない塁へ牽制をしたらどうなるか?
細かな野球のルールシリーズ第2弾です!
〇ランナーのいない塁への送球は…
さて、細かな野球のルールシリーズ第2弾になります。
↑第1弾はこちらです。
野球の指導者や審判をしていると、どうしても細かなルールがとっさに分からず、後で公認野球規則を見返して、「あ~、そうだった」となってしまうことがあります。
それほど勝敗や流れに影響が無ければまだ良いのですが、審判をやっていて、ミスジャッジで勝敗が変わってしまうようなことがあったら大変ですよね。
野球に携わる人はできる限りルールを十分に把握しておきたいものです。
さて、今回のテーマは、
「Q、ランナー1・2塁で投手がセットポジションに入りました。ですが、投球前にランナーがスタートを切ったため、投手は慌ててセットポジションを外さずにそのまま3塁にけん制するような形で送球しアウトにしました。このプレーはボークになりますか?」
です。
A、なりません。通常、ランナーがいない塁にけん制をした場合はボークとなりますが、この場合、3塁でプレーが行われることになりますので必要な行為と認められます。
したがって正規の牽制での送球であればボークではありません。
もちろんプレートを外して送球をしてもボークではありません。
しかし、ランナーが走ったと勘違いし(リードを大きく取った際に内野手が「走った」と声をかけてしまった場合などにあり得る←よくない行為だと思いますが)、プレーが必要では無い3塁に送球してしまった場合はボークになります。
詳しく公認野球規則で見ていきます。
「投手板に触れている投手が、走者のいない塁へ送球したり、送球するまねをした場合。ただし、プレイの必要があればさしつかえない」(6.02a(4))
とあります。
前半部分では走者のいない塁への送球が禁止されていますが、後半部分でプレーが必要な場合はさしつかえないとあるので、送球して構いません。
よく間違えている方がいるので注意して欲しいと思います。
プレーの必要があるかどうかを判断するのは審判です。
セットポジション中に盗塁を企てた場合はもちろん認められることになります。
2塁ランナーのリードが大きいけれども、スタートは切っていないなんて場合は3塁でのプレーの必要は無いのでボークが宣告されることと思います。
また、当然ですが、ランナー2・3塁のケースで1塁に牽制をしたら、プレーの必要は全くないのでボークとなります。
ピンチの際にケースの確認を怠って、まれにそんなことが起こります。
もったいないボークになりますので、ケースの確認は怠らないようにしましょう。
以上、ピッチャーからキャッチャーにサインを出すことは可能なのかという非常に細かなルールの確認でした。
野球のルールの細部はかなり複雑です。
私自身、毎年公認野球規則を読み返すようにしていますが、正直それでもシーズン中に何度もあやふやになってしまうことがあります。
選手ならなおさらだと思います。
そこでおすすめなのが、定期的に野球ルール講習会を行うことです。
少しの時間ずつで構わないので、ぜひ取り入れてみてください。
続きはこちらです。
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