ピッチャーは、ランナーがいなくとも完全静止しなくてはいけないのか!?
野球の細かなルールを確認するシリーズ第3弾です!
ここまでのシリーズはこちらです。
〇ランナーがいなくても静止しないとダメ?
指導者の方々や保護者の方々の多くが悩むのは「ボーク」にまつわる野球のルールのようです。
ボークについて説明したこちらの記事は当ブログでも人気の記事となっています。
今回は、ピッチャーのイリーガルピッチにまつわるテーマになります。
「Q、ランナーがいないときにセットポジションで投げる場合も静止をしなければいけませんか?」
について考えてみましょう。
正解は、
A、しなければなりません。ランナーがいるときと同じように静止をしない場合はイリーガルピッチと判断され、ボールカウントが一つ増えることになります。
となります。
ランナーがいなくとも、セットポジションで投げる場合には、いわゆる「完全静止」をしなくてはいけません。
ただし、このルールはアマチュア野球とプロ野球では異なりますので、以下で丁寧に解説していきたいと思います。
まず公認野球規則のボークの項には、
「投手がセットポジションから投球するに際して、完全に静止しないで投球した場合」(6.02a(13))
とあります。
ただ、これは「ボーク」となるケース=ランナーが塁にいる場合のルールなので、別の項目、「投球姿勢」についても見てみます。
投球姿勢の5.07a(2)セットポジションの項には【原注】として以下のように書かれています。
「走者が塁にいない場合、セットポジションをとった投手は、必ずしも完全静止をする必要はない。~以下略」(5.07a(2)【原注】)
あれれ、完全静止しなくて良いと書いてあるぞ。
と思われるかもしれませんが、慌てないでください。
この次の【注1】に以下のように書かれています。
「アマチュア野球では、本項(原注)の前段は適用しない。」
そうなんです。
実は、プロ野球ではランナーがいない場合は完全静止しなくとも良く、アマチュア野球では完全静止しなければいけないというルールになっているのです。
しかしながら、プロ野球であっても、バッターがしっかりと構えていない場合に投球をする「クイックピッチ」は認められておりません。
アマチュア野球の場合は、バッターを欺く行為に繋がらないようにしたり、危険をできるだけ避けたりする目的で禁止となっています。
正直、私が練習試合で審判をする場合、「しっかり止めようね」と注意はしますが、そんなに厳しくしてはいないです。
多くの方もそうではないかと思います。
指導者の方は流されるからいいやではなく、危険に繋がることもあるので、しっかりと静止するように指導してください。
以上、という非常に細かなルールの確認でした。
野球のルールの細部はかなり複雑です。
私自身、毎年公認野球規則を読み返すようにしていますが、正直それでもシーズン中に何度もあやふやになってしまうことがあります。
選手ならなおさらだと思います。
そこでおすすめなのが、定期的に野球ルール講習会を行うことです。
少しの時間ずつで構わないので、ぜひ取り入れてみてください。
続きはこちらです。
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