スクイズを外すときに行うウエスト!
バッターに当てられないようにするために、バッターの背面に投げてもいい!?
ここまでの野球のルールシリーズはこちらです。
〇バッターの後ろに投げてもいいの?
さて、今回はスクイズやエンドランを防ぐときに行うウエストがテーマです。
普通ウエストはバッターが立っている打席の反対側に投球しますよね。
右バッターであれば左打席。
左バッターであれば右打席に外します。
盗塁を阻止しようと行う場合はこれが刺しやすいですが、スクイズやエンドランを警戒してウエストを行う場合、これだと当てられてしまうことがあります。
↑新庄氏の敬遠サヨナラヒットは衝撃的でした…。
そこで、バットに当てられないように、バッターの背面に投げることは可能なのでしょうか?
今回のテーマは、
「Q、スクイズを防ぐためにウエストをする際、スクイズしにくいようにバッターの背後に投げてもよいのでしょうか?」
です。
さて、正解は、
「A、これは非常に危険なプレーになるので、非スポーツマン的なプレーとしてアマチュア野球内規で禁止されています。」
「打者の背後にウェストボールを投げる 投手がスクイズプレイを防ぐ目的で、意識的に打者の背後へ投球したり、捕 手が意識的に打者の背後に飛び出したところへ投球したりするような非スポー ツマン的な行為に対しても規則 6.01(g)を適用し、走者には本塁を与え、打者 は打撃妨害で一塁へ進ませる。 」(アマチュア野球内規)
この文中の規則6.01(g)というのは「危険球」について述べた文章ですから、バッターの背面に投球する行為もかなり厳しく禁じられているということになります。
ランナーは進塁。
バッターも打撃妨害で1塁へ進むことになります。
一応ルール的にはプロ野球では禁止されていませんが、頭部付近にボールがいけば退場処分になりますし、乱闘騒ぎになることも予想されます。
プロ野球でもアンリトゥンルール的に禁止されていると思って良いと思います。
↑アンリトゥンルールはこちら。
自分でテーマを考えておいてアレですが、まず発想が恐ろしいですね汗。
バッターの背面に投げるということは、少しでもコントロールが狂えばデッドボールになるわけです。
バッターは自分の身体付近に向かってくるボールには、経験を積むとある程度慣れていきます。
デッドボールを受けるときも背中で受けるなどできるようになってくるのですが(それでももちろん危険ですが)、自分の背面にボールが来るという経験はなかなかありません。
避けるのが非常に難しくなります。
場合によっては頭部に当たってしまうかもしれません。
これは非常に危険です。
絶対にやらない、やらせないようにしましょう。
ちなみにウエストつながりで敬遠のときの注意点も。
敬遠のときにまれにやってしまうキャッチャースボークがあります。
普段、キャッチャーはキャッチャースボックスから出ていても構わないのですが、敬遠の時のみ、両足が完全にキャッチャースボックスに収まっている必要があります。
ボークの条件に以下があります。
「故意四球が企図されたときに、投手がキャッチャースボックスの外にいる捕手に投球をした場合」(6.02a(12))
これに違反するとボークとなり、ランナーが進塁することになります。
敬遠をするケースはランナーが3塁にいるケースも多いので、このボークが失点に繋がることもあります。
捕手ボークでサヨナラ負け(高校野球•徳島大会一回戦、城東2-1阿波)
↑実際に高校野球でこんなことが起こっています。
申告敬遠がある現在ではまずやらないとは思いますが、ぜひ覚えておいていただければと思います。
続きはこちら。
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