自分のストライクゾーンをしっかりと認識できていますか?
自分のストライクゾーンを確認し、「甘球必打」を徹底できるようにしましょう!!
〇ストライクゾーン表示の弊害
確かに半分くらいはボールをストライクとコールされている気がするのですが、後の半分くらいはストライクでもおかしくないのでは…。
最近、この四角いストライクゾーンを表す表示と、キャッチャーが捕球した位置の表示が出ますよね。
初心者向けには分かりやすくて良いのかもしれませんが、ストライクゾーンはバッターの前の四角い形ではありません。
公認野球規則ではストライクゾーンは次のようになっています。
「打者の肩の上部とユニフォームのズボンの上部との中間点に引いた水平のラインを上限とし、ひざ頭の下部のラインを下限とする本塁上の空間をいう。 このストライクゾーンは打者が投球を打つための姿勢で決定されるべきである。」
『公認野球規則2020』より
本塁上の「空間」ですから、平面ではなく、立体です。
また、この立体をかすめるように通過してもストライクなので、本来は先ほどの動画の平面のストライクゾーンよりはずいぶんと広くなるはずです。
キャッチャーが捕球した位置はストライクボールとは関わりがありません(球審のジャッジに影響を与えるのはいなめないと思いますが…)。
要するにこの四角いストライクゾーン表示は、本当であればそのボールがストライクかボールなのか、厳しいコースに関しては対応できません。
それにも関わらず、こうした映像が普及するようになったため、年少の野球選手もずいぶんと影響を受けている気がします。
要は正しいストライクゾーンが認識できていない選手が増えている気がします。
〇ストライクゾーンと立ち位置
バッティングで大切なことは無数にあると思いますが、どんなバッティングをするかに関わらず2点共通して重要なことがあると考えています。
1点目は「ストライクゾーンを正しく認識すること」。
打てない選手はそもそも自分のストライクゾーンが分かっていないことが多いと感じています。
ボール球に手を出してしまっていては打率は上がりません。
私は宮川理論の「甘球必打」という考えを選手にも重要なこととして伝えています。
この甘球必打とは自分の打てるゾーンだけを狙い、それ以外は切り捨てることです。
追い込まれた後は「Aゾーンセンター」を採用しています。
この「甘球必打」と「Aゾーンセンター」で捉える率を上げるためには、ストライクゾーンを正しく認識することが非常に重要になります。
「甘球必打」の自分が打てるゾーンの認識はストライクゾーンと大きな関わりがあります。
また、追い込まれて、明らかなボール球に手を出したり、逆にストライクのボールを見逃したりしていては打率は上がってきません。
私は見逃し三振は仕方がないものだと思っています。
↑詳しくはこちらをどうぞ。
よく選手には
「追い込まれても無理に打つゾーンを広げなくて良い。自分がストライクだと思うボールだけを打とう」
という話をします。
追い込まれると「(自分の)ストライクゾーンを広げろ」と指導する方もいるのですが、それだとボール球を振る可能性がかなり高くなります。
見逃し三振は減るかもしれませんが、ヒットにはならないですし、バッティングが崩れる可能性もあります。
ですから私は2ストライクになっても、普段とストライクゾーンを変えず、ストライクだと思ったボールだけ打てばいいと指導しています。
したがって見逃し三振は一向にかまいません。
しかし、それはストライクゾーンを正しく認識していた場合の話です。
そもそもの自分がストライクだと思うゾーンが本来のストライクゾーンと大きくずれてしまっていたら、それは修正しなくてはいけません。
自信をもってボールだと思って見逃がしたコースがかなり際どいゾーンで、どちらとも取れるようなところであったのならば見逃してかまいません。
しかし、誰がどう見てもストライクなのに、本人はボールだと思って見逃がしていたら問題なのです。
このストライクゾーンの確認は定期的に行う必要があります。
2点目は「打席内の立ち位置を確立させること」。
こちらは実践経験が豊富になってくるとそんなに気にする必要は無くなってきますが、経験が少ない選手は、毎回立つ位置が意味なく異なったり、ホームベースから離れ過ぎてしまっていたりします。
立ち位置が変われば見え方も変わるし、離れ過ぎるとボールを点で打たなくてはいけなくなります。
中学生くらいだと、ピッチャーのボールが速かったり、インコースを攻められたりすると無意識に離れてしまうことがあり、これがスランプの原因になることもあります。
この「ストライクゾーンを正しく認識すること」と「打席内の立ち位置を確立させること」はセットでときどき確認してあげる必要があると思います。
私はときどき2人組を作らせ、相互に確認させています。
また、練習試合の際には球審をやってくださった方に試合後にストライクゾーンの認識がおかしい選手がいないか、ベースから離れすぎている選手がいないかを確認するようにしています。
なかなかベンチからは気が付かないことがありますからね。
ということで今回はストライクゾーンを正しく認識しようという記事でした。
そもそも野球規則上のストライクゾーンを知らないという選手も多いので、野球のルールもときどき確認することをおすすめします。
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