新庄監督が用いたことで話題に!
フォースボークというトリックプレーは何か!?
詳しく解説します!
〇新庄監督がフォースボークを命じる!
まずはこちらの動画をご覧ください。
この戦術がフォースボークとなります。
新庄監督は就任以来、走塁にも力を入れており、フォースボークのみならず、1・3塁でのダブルスチールも何度も試みていますよね。
もちろん新庄監督しか行わないわけではなく、近年ではDeNAで監督をしていた中畑監督も2012年の北九州でのソフトバンク戦で実行し、成功させています。
こちらのフォースボークですが、このケースでは結果的にはボークとはなっていません。
ですが、「ボークを強制する」という意味でフォースボークと呼ばれているプレーです。
フォースボークは野球における特殊な戦術(トリックプレー)の一つで、ランナーが1塁・3塁の状況で使用されます。
フォースボークは、投手が牽制動作を行う際にボーク(反則動作)を誘発することを狙った戦術のため、特に左投手に対して効果的です。
これは左投手から見て3塁ランナーが背後に位置するため、投手が牽制動作を行う際に3塁ランナーの動きを把握しにくい、さらに左投手がプレートを外さずに行う1塁牽制は偽投できないという二つの特性を利用したものです。
左投手でなければ成功しないというわけではありませんが、フォースボークといった場合、そもそも左投手の場合のプレーであるとしている方もいます(公認野球規則で定められているようなプレーではないため、明確な定義はありません)。
フォースボークの具体的な考案者、発生時期については、明確な記録や情報が見つかりませんでした。
この戦術は野球の歴史の中で自然発生的に生まれたものと考えられており、特定の個人が発明したというよりは、多くのプレイヤーやチームの工夫と経験によって発展してきたとされています。
↑そもそものボークについてはこちらをどうぞ。
〇フォースボークの具体的な行い方!
では、次にフォースボークの細かい手順を説明します。
こちらを参考にぜひご自身のチームでもフォースボークを戦術に組み入れてみてください。
①フォースボークの基本的な流れ
まず、1塁・3塁の場面で1塁ランナーが大きくリードを取り、ピッチャーに牽制を誘います。
リードを大きく取るのではなく、セットポジションに入ったタイミングで2塁にスタートを切る、もしくはスタートを切るふり(偽装スタート)をするという方法もあります。
ただし、スタートを切るとプレートを外す投手も多いので、リードを大きく取る方が個人的にはオススメです。
ピッチャーが牽制動作を開始した瞬間(右足を動き出した瞬間になります)、3塁ランナーが本塁に向かってスタートします。
ピッチャーは牽制動作を完了しなければならず、途中で止めるとボークが宣告されます。
つまり、1塁ランナーをアウトにしようと1塁への牽制動作を行った場合、ほぼ3塁ランナーはホームスチールもしくはボークで生還することができます。
②成功させるためのポイント
1塁ランナーは極端に大きくリードを取るか、飛び出し気味にリードを取ります。
投手にプレートを外す牽制ではなく、右足をしっかりとあげて行う牽制をさせたいので、セットポジションに入ったタイミングでスルスルと50センチほどリードを広げるとうまく決まることが多いです。
3塁ランナーはピッチャーが右足(自由な足)を動かした瞬間にスタートします。
3塁ランナーもそれなりにリードを大きく取っていないとホームでアウトになってしまうので、警戒されない程度に大きく取りましょう。
また、1塁ランナーよりも3塁ランナーを先にスタートさせる方法もあります。
こちらの方が3塁ランナーがホームでセーフになる可能性は上がりますが、3塁ランナーが動き出した瞬間に1塁ランナーも動かなければならず、少しでも遅れると投手がプレートを外し、3塁ランナーが挟殺プレーにもっていかれてしまうこともあるため、難易度は上がります。
③フォースボークを行うと良い状況
先にも述べたように、フォースボークは左投手の際の1塁・3塁の場面で有効な戦術になります。
基本的には1点を取りに行く作戦であり、1アウトあげてしまうことも多いため、大量得点の可能性がある0アウトの場合や上位の打順の場合に採用すべき戦術ではありません(しかし、それがセオリーになるため、相手によってはかえって0アウトの方が決まりやすいということもあり得ます)。
1アウトもしくは2アウトで、下位打線というシチュエーションで実行すると良いでしょう。
2アウトの場合はサードが3塁ベースから離れるため、3塁ランナーがリードを大きく取れるため、ホームでセーフになる可能性が上がります。
が、1塁ランナーが3塁ランナーのホームインよりも早くアウトになってしまうと得点が認められないため、その点は注意が必要です。
○フォースボークを防ぐには!
では今度はフォースボークを防ぐにはどうしたら良いかまとめていきたいと思います。
フォースボークを防ぐには左投手の1・3塁のケースにおいて、守備側で決めごとを作る必要があります。
そもそも基本的に1塁・3塁は盗塁しやすく、「得点されなければ、2塁・3塁になることは致し方ないこと」だと共通認識する必要があります。
そのため、1塁・3塁ではそもそも1塁に自由な足を大きく上げて行う牽制を行わないということが重要です。
そうすれば、1塁ランナーが大きなリードを取ろうが、スタートを切ろうが、やることは「プレートを外すだけ」になります。
プレートを外し、3塁ランナーに一瞥すれば、フォースボークが成功することはありません。
もしもそれでもしつこく牽制をもらおうとしてくるのであれば、プレートを外したのちに、1塁に速い偽投を行い、その後すぐに反転し、3塁ランナーを見ましょう。
これをしてもなおランナーをアウトにできず、かつ1塁ランナーが同じ動きを繰り返すようであれば無視して構いません。
「得点されなければ、2塁・3塁になることは致し方ないこと」なのです。
もしも投手とファーストの肩が良いようであれば、3塁ランナーを刺しに行っても良いと思います。
両者の肩がいい場合は、自由な足をゆっくり上げる牽制では難しいですが、大きく上げない牽制もしくは軸足を外して投げる牽制であれば、3塁ランナーがスタートを切ってもファーストの肩でアウトにできる可能性があります。
ただし、少しでも送球が逸れるとセーフになってしまうため、自信がない場合は先ほども述べたようにランナーは無視して構わないでしょう。
そもそもバッターが打って得点を上げる可能性が低いケースで実行してくるわけで、守備側はそこもふまえれば、むしろバッターで勝負すれば良いということになります。
〇まとめ
ということで、今回は野球のトリックプレーの一つ、フォースボークについてまとめました。
高木豊さんがこのフォースボークについて自身のチャンネルで詳しく述べていますので、こちらもぜひご覧ください。
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