中学校野球部!絶対に強くなるヒント集

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2番打者最強説は本当に効果が高いのか?アマチュア野球でも適用できるのか?

MLBを中心に流行しつつある2番打者最強説!

2番に強打者を置くことは本当に効果が高いのか?

また、それはアマチュア野球でも同じことが言えるのか考えてみました!

 

〇MLB発、日本にも広まる2番打者最強説!

今シーズンのプロ野球を振り返ってみると、MLBで近年広まっている2番打者最強説が少しずつNPBにも取り入れられ始めたように感じます。

MLBでは2016年のMVPのマイク・トラウトクリス・ブライアントの2名がともに2番で起用されていた選手でした。

MLBではセイバーメトリクス研究が非常に盛んで、どうすれば得点力が上がるのかという議論が積極的になされています。

その結果、今までの印象からくる4番打者最強説や3番打者最強説よりも2番打者最強説が得点期待値が高いのではないかという仮説が出てきたわけです。

日本では2番打者といえばバントを中心とした「小技」というイメージが非常に強いです。

プロ野球でも従来の2番打者といえば元巨人の川相選手のようなバントの名手をイメージしてしまいますよね。


川相昌弘 犠打世界新記録達成

 

しかし、2017年シーズンのプロ野球はちょっと違いましたね。

特に目立ったのは楽天ペゲーロ選手。

そしてシーズン途中からですが巨人マギー選手ではないでしょうか?

2人ともバントとは縁遠いパワーヒッターです。

楽天と巨人はこの2番がうまく機能していたように私には感じました。

人によっては2015年に首位打者を獲得したヤクルトの川端選手が日本における2番打者最強説の始まりのように感じるかもしれませんが、川端選手は長距離砲ではありません。

現に首位打者でしたが、OPSは.822と極めて高いとまでは言えません。

MLBで言われる2番打者最強説が普及してきたのは2017年シーズンと言えるでしょう。  

 

〇ランナー1塁で2番打者にヒッティングは効果的なのか?

2番にチーム屈指の強打者を置くということは、0アウト1塁のケースでヒッティングを基本とするということとイコールだと言っても良いと思います。

したがって2番打者最強説を考えるには、0アウト1塁でバントとヒッティングどちらが効果的なのかについても合わせて考える必要があります。

0アウト1塁でバントとヒッティングどちらを選択すべきかについては非常に分かりやすくまとめた記事があります。

こちらです。 

www.taguchizu.net

そうです。

私の記事です笑。

いや、でも自分で言うのもなんですが、改めて見てみると本当に分かりやすいです笑。

こちらの記事を要約すると、プロ野球に関しては

・ヒッティングを選択した方が若干得点期待値は高い。

・しかし、バントを選択した方が若干得点確率は高い。

・どちらを選択するかの分かれ目の基準はOPS.609。

・ただし、そもそも打てるバッターにヒッティング、打てないバッターにバントさせているのでその点も踏まえて考える必要がある。

となります。

さらに、アマチュア野球ではバントに対する守備力はプロ野球よりも低いので、その点も考える必要があります。

 

それを踏まえて2番打者最強説について考えるとOPSの基準については余裕でクリアすることと思います。

MLBで2017年シーズンでシーズン終盤から恐怖の2番として活躍したヤンキースのアーロン・ジャッジ選手。


See all 52 of Aaron Judge's rookie record homers

打率.284、52本塁打、114打点、OPS1.049という驚異の成績を残しました。

OPSが1を超えてますので、バントするかどうかとか全く考える必要が無いレベルですね。

上記の基準で考えると2番バッターに強打者を置いてヒッティングさせた方が得点期待値は高いと言えるでしょう。  

 

しかし、2番打者だけを見て考えることはナンセンスです。

極端な話、少年野球チームにジャッジが加入したとします。

その場合も2番に置くべきなのでしょうか?

私であれば3番に置きます。

1番か2番が出塁して、ジャッジがホームランを打ってくれれば2~3点入ります。

2番に置いたら1~2点になります。

2番打者最強説はその他の打者との兼ね合いも当然考えなければいけません。

ヤンキースの例で言えば、日替わりに近いようなオーダーでしたが、クリーンナップにサンチェスやグレゴリアスなどホームランバッターがいます。

ジャッジを2番に置ける環境にあったと言えるでしょう。  

 

〇アマチュア野球に2番打者最強説は適用できるか?

私は中学軟式に置いては1番打者最強打者説を唱えています。 

www.taguchizu.net

こちらの記事に詳しく書きましたが、中学軟式ではホームランはほとんど期待できません。

特に球場で行う場合はほぼほぼホームランは出ないです。

ロースコアのゲームになりやすいのも特徴です。

そうなると、1番打者に最強打者を置いて、後続がバントやエンドランで1点という作戦が効果的になります。

 

なぜそういった打順を組むかと言うと、正直、普通の公立中学校野球部にそんなに打てるバッターが揃うことはまずありません(当然打てるように一生懸命指導はします)。

先のジャッジが少年野球チームにいたらという例でもお分かりいただけると思うのですが、

打てるバッターが極少数しかいない場合、なかなか2番に最強打者を置くことは難しくなります。

1番で1アウト。

最強の2番が2ベース。

3番が内野ゴロの間に3塁まで行くも、4番が打てずチェンジ。

これならやはり1番に置いた方が1アウト3塁を作れます。

 

これは高校野球でも同じようなことが言えそうです。

普通の公立校に何枚も打てる選手が揃うことは難しいですし、私学であっても超強豪校以外は難しいのではないのでしょうか?

逆に言えば、アマチュア野球でも打てるバッターが5人(1~5番分)ほど揃っていればバントをしない前提で2番に最強打者を置くのも得点期待値的にはいいのではないかと言えます。

中学野球や高校野球で2番打者最強説を採用しているチームは少ないと思いますが、条件に合えば採用してみるのも良いでしょうね。 

大阪桐蔭高校なんかが2番に超強打者を置くところを見てみたい気もします。

 

関連記事です。 

www.taguchizu.net

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