リリースまでの工夫で打ち取れるようになる!
できる工夫を考え、テクニックとして身に着けよう!
〇バッターのタイミングをずらす工夫!
いくら速いボールを投げることができても、マシンのボールは練習を繰り返せば打つことができますよね。
各自のピッチングの目標は高く、できることなら速いストレートで空振りを取れるピッチャーに育ってもらいたいものです。
しかし、野球選手全員が150kmを超えるようなストレートを投げることができるようになるわけではありませんよね。
130kmまでであれば、諦めずにトレーニングを続ければ誰でも投げることができる可能性があるのではないかと思いますが、それ以上となるとフィジカルだとか、持って生まれた才能といった部分に左右されるのではないかと思います。
また、150km投げることができるポテンシャルを持っていたとしても、そこまで成長する過程でストレートだけでは抑えられないということもありますよね。
そう考えるとやはりピッチャーをやるにはバッターのタイミングを外す投球術を覚える必要があると考えています。
本来、タイミングを外す投球術として覚えて欲しいのは、
・変化球を用いた緩急。
・ポゼッションを意識して間を自分のものにする。
↑ポゼッションはこちらをご覧ください。
・ランナーがいなくともクイックを混ぜる。
↑クイックの投げ方はこちらを参考にどうぞ。
この辺りが正統派の工夫として挙げられます。
しかし、私の場合ほぼ全員にピッチャーをまずはやらせてみています。
その中で試合で投げることができそうな選手はどんどん投げさせてみるわけですが、そうなると本職がピッチャーではない選手も多々登板することになります。
その選手たちに変化球による緩急を求めたり、完璧なクイックを期待するのは酷です…(もちろん挑戦はさせます)。
正統派の工夫が難しい場合は若干邪道な方法を教えることもあります。
〇リリースまでにできる工夫はまだまだある!
私は投手だったので、リリースまでの動作もいろいろと工夫をしていました。
以下に思いつくままに列挙してみたいと思います。
①足を上げるスピードを変える。
②腕の回転円の大きさを変える。
③リリースの角度を変える。
④接地してからリリースするまでの時間を変える。
⑤セットポジションやワインドアップから投球動作に入るまでの時間を変える。
⑥腕を振り切る力を変える。
このような工夫をしていました。
これらの工夫は正統派の工夫ではありません。
一番に手をつけるところではないのですが、投手と打者の時間が合う、シンクロすればするほど打たれやすくなります。
それを如何に少しでもずらすかという工夫はレベルが上がるにつれて必要になってきます。
基本がしっかりとできていて、こういった小技も必要となってきたときにこういったリリースまでの動作を覚えることも手かなと思います。
ただし、特に④や⑥ですが、フォームを崩す要因にもなりかねませんので注意が必要です。
私は基本的にはいきなりこういったテクニックを指導はしません。
しかし、以前お話ししたのですが、全員がピッチャーに挑戦する中で、明らかに野手としてレギュラーを取ることが難しい選手に対して、「投手をやってみないか?投げ方がキレイだし、工夫次第で打たれない投手になれるぞ!」と声をかけることがあります。
正直、3番手野手よりも3番手投手、4番手投手のほうが試合に出るチャンスがありますし、練習試合ででもある程度のイニングを放ってくれる選手が増えるとチームとしても助かります。
そしてその選手のモチベーションも上がるならばWinWinだと私は思っています。
そういう経緯でコンバートした選手は当然エースの子と違ってストレートでバンバン押すような力はありませんから、先にお話しした工夫を紹介し、取り組ませてみます。
中にはその流れからエースに成り上がった選手もいます。
彼はMAX110Kmでしたが、とにかく打たれない工夫をしていました。
その記事はこちらです。
〇ではどういう練習をしたらそういった工夫ができるようになるか?
「全員をピッチャーに」という記事でも書きましたが、全員をブルペンで練習させることはちょっと難しいですし、どういう効果があるのかを見極めるにはバッター相手に投げるしかありません。
フリーバッティングやハーフバッティングでどんな工夫をすると打たれにくいのか、とにかく経験を積んでいくべきです。
また、それがある程度できたら、練習試合でも試すことが必要になってきます。
こういった工夫を完成させるには実践練習が一番ということですね。
高校野球でも投手をやるような、エース級の子には小手先で勝負するようになって欲しくないのでこういうテクニックは教えません(それはやらないほうがいいと思っています)が、そうではない子はこういうテクニックを使ってでも抑えられるようになったことがきっかけで練習により力が入ったり、野球が好きになったりすることが多いです。
そういった指導者の引き出しを増やすという意味でこんな工夫もいかがでしょうか?
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