変則投手とは!?
どんなタイプがいるのか紹介します!
選手のためになるのであれば、変則投手への転向も考えてみましょう!
〇 変則投手を4タイプ紹介!
以前、変則投手の育成というテーマでお話しました。
身体がある程度できている子であれば、その子のため、チームのために変則投手への挑戦も有りではないかという内容でした。
※もちろん、勝利至上主義から選手の意志を無視し、コマのように選手を用いることを勧めているわけではありません。
今回は、では実際にどのようなタイプがいるのかというお話をしたいと思います。
変則投手といってもいろんな変則投手がいると思います。
1、サイドスローやアンダースロー
…腰を傾ける角度が異なるだけで肩肘の角度はそんなにオーバースローと変わりません。
私も一時アンダースローに挑戦したことがありますがその場合腰をケガしやすいので要注意です。
はじめはサイドスローにしておいた方が良いと思います。
サイドスローの場合、自然なシュート回転が武器にも弱点にもなり得るのでその特性をしっかりと掴むことが大切です。
ダルビッシュ投手の控えというかWエースとして活躍した真壁投手ももともとはオーバースローで、サイドスローに転向してから活躍した選手です。
サイドスロー、アンダースローで浮き上がるようなボールを投げるには、通常オーバースローでは中指側からリリースされるのが普通ですが、人差し指側からリリースできるようにならないといけません。
ちなみにサイドスローは2シームが曲がりやすいです!
2、特殊な変化球を決め球とする投手
…シンカーやスクリュー、2シーム、ナックルなどを決め球とする投手です。
特にシンカーやスクリューはコントロールできると脅威です。
シンカーというとサイドスローやアンダースローのイメージがありますが、オーバースローでも普通に習得可能です。
日本ナンバーワン投手が変化球の秘密を大公開!! 金子千尋の魔球をあなたも投げれる。
金子投手のパワーシンカーは有名ですね。
また、これらの球種はなかなか狙って打てるボールではないです。
投球の7割くらいをこの特殊な変化球にする勇気があっても良いと思います。
まずはキャッチボールで抜く感覚を身につけるところから始めましょう。
ダルビッシュ投手の変化球バイブルも参考になるかもしれません。
3、タイミングを外す投球術をもつ投手
…前回、私が育てた選手がこのタイプになります。
フォームはオーソドックスなオーバースローでしたが、クイックを混ぜたり、セットの秒数を極端に変えたり、足の上げ方を工夫してとにかく打者のタイミングを外す投手でした。
他のタイプと組み合わせることも可能ですからこの投球術を覚えると投球の幅は広がって良いと思います。
↑こちらも参考にしてください。
また、異常に緩い「イーファスピッチ」を使ってみるのも手かもしれません。
4、フォームが独特な投手
…言葉では上手く説明できませんが、多田野投手や岡島投手のように独特なフォームを持つタイプです。
実は私も綺麗な投げ方ではなく、かなり独特なフォームです。
フォームが独特だとタイミングが合わせづらく、打ちにくいでしょうが、こればっかりは育てられないので、このタイプは自然発生する場合はあっても、育成はできないと考えて良いでしょう。
ちなみに、これらの選手に出くわしたときに修正しようとしてしまいがちですが、肩や肘を痛めるフォームでない限りは手を加えなくて良いと私は思います。
〇では、どうやってこういった投手を育成するのか?
ということで大きく分けると以上の四つのタイプがあると思います。
ではどうやってこれらの投手を育成するのかということですが、
私は全員投手に挑戦させることが一番良いと思います。
高校生ではそんな余裕はないかもしれませんが、中学生の段階で全員を投手に挑戦させることは非常に意味のあることだと思っています。
もちろんいきなり試合に投げさせるということではなく、キャッチボールに立ち投げを加える、バッティング練習で投げさせる、などそのレベルのことから挑戦させます。
そうすることで得られるメリットとして
①投手ができる子が発掘できる。
②(①によって)主戦投手の練習試合での負担を減らすことができる。
③変則投手になれる可能性がある子が出てくる。
④投手を経験することで投手の大変さが分かり、守備につなげることができる。
⑤投手を経験することで投手心理が分かり、バッティングにつなげることができる。
以上のようなことがあります。
今回関係しているのは③です。
変則投手になれる可能性がある子が出てきてもまず教えることはピッチングの基本です。
ピッチングの基本についてはこちらをどうぞ。
基本がある程度できてきたら、フリーバッティングなどでバッターとの対戦を繰り返していきます。
特にフォームを変更したり、新しい変化球を習得する場合はバッターを立たせての練習が非常に重要になります。
それもできるようになったら練習試合での実践登板に挑戦です。
ぜひ変則投手の育成に取り組んでみてください。
最後に今一度注意ですが、「勝つため」だけに変則投手を育成するわけではありません。
選手の新しい可能性を引き出したり、それによってモチベーションを上げたりとその選手がさらにがんばれるようにするために行います。
その結果、勝利につながったり、その選手が他の選手に良い影響を与えられたりすれば最高ですね。
くれぐれも勝利至上主義に走り、選手の気持ちを無視した変則投手の育成はやめて欲しいと思います。
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