指導者による体罰問題。
根絶するにはどうすればいいのか!?
日体大が本気で取り組んでいる!!
〇体罰問題がクローズアップされたのはごく最近。
体罰問題が注目され始めたのはここ数年の話になります。
桜宮高校のバスケット部の選手が顧問による体罰を苦に自殺した事件をきっかけに大規模な調査が入り、そこで行政指導が入ったあたりから世間でも、教育現場でも特に問題視されるようになったのです。
これは教員として恥ずかしい話なのですが、私が教員になったばかりの頃は教育現場では体罰が容認されていました。
もちろん、文科省としては「絶対にやってはいけないこと」としていますし、本来はあってはならないことなのですが、時と場合によっては「愛のムチ」として許されるという認識だったのです。
私は当然体罰はしていませんが、部活動経営でうまくいかなかったときに管理職から「田口くんは怖さが足りない。場合によっては叩いたっていいんだぞ。」と言われたこともあります。
今考えると恐ろしいことですが、当時はそういった認識の人も多くいたのです。
それが一気に世間の目も変わり、教育現場でも体質を変えることが求められました。
しかし、やはり急に変わることができない人もいます。
いまだに毎年のように体罰で処分を受ける人がかなりいますし、体罰までいかなくとも生徒に対する暴言でトラブルになる教員も多くいます。
やはり、教員になってから変わるということはなかなかに難しい部分もあると思うのです。
桜宮高校バスケット部体罰事件の真実―そして少年は死ぬことに決めた―
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〇日体大の体罰を根絶する取り組み。
そうなると教員養成の段階から体罰を根絶するように教員志望の学生を育てていく必要が出てきます。
残念ながら、私は教員養成大学を卒業していますが、体罰根絶についてしっかりと学ぶ機会はありませんでした。
しかし、先に述べたように教員になってから認識を変えることはなかなかに難しいです。
つまり教員を選抜する段階で体罰は絶対に許されないという認識をもった人材を採用する必要があるわけです。
こんな記事を目にしました。
日体大といえば体育科教員を多数輩出している大学です。
体育科教員は体罰の温床になりやすい運動部の顧問を受け持つことが多く、日体大としても危機感を抱いての取り組みのようです。
内容はとてもすばらしい試みだと思います。
この講義と同等のレベルのものを継続できるのかは課題だと思いますが、体育大学の雄である日体大が本気を出して体罰根絶に力を入れ始めたということがものすごく大きな一歩だと私は感じます。
他の大学でも似たような取り組みをし始めているのかもしれません。
ぜひこういった取り組みが全国に広がっていって欲しいなと思います。
なぜ学校での体罰はなくならないのか:教育倫理学的アプローチで体罰概念を質す
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〇暴言は減っていないと感じる!
体罰は減っていますし、日体大のような大学が出てきて今後さらに減ることが予想されます。
しかし、私が危惧しているのは「教員による暴言」です。
特に部活動の指導現場での暴言は時に耳を覆いたくなるような罵声が飛び交うことがあります。
平気で生徒を「お前」呼ばわり。
ミスした生徒に「へたくそ!」「消えろ!」「失せろ!」
残念ながら頻繁に聞きます。
体罰だけではなく、暴言に対しても絶対に許されないという共通認識をもっていかないといけないですね。
ただし、こういう話をすると「叱ってはいけない」といった極論にいく人もいるのですが、それはまた違う話です。
私は場合によっては「怒鳴ること」だって必要だと思っています。
たとえば人権を無視するような発言・行為があった場合。
私だったらすぐに怒鳴ると思います。
暴力があった場合もそうです。
身体や心に大きな傷を残してしまうような危険がある場合、すぐさま止めさせることと、許されないことを伝えるためにときに厳しく叱る、怒鳴る、これは必要なことではないかと私は思います。
当然、そういう事態にならないように普段から指導にあたることが大切なんですけれどもね。
以上、体罰問題について日体大の取り組みを中心にまとめました。
ただ、残念なことにこの報道後も体罰や暴言で処分される教員は後を絶ちません。
↑こちらの記事もお読みいただければと思います。
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