上手くいかないことを気持ちの問題にすることは指導者の負けだと思って指導にあたりましょう!
特に小中学生は気持ちよりも技術の問題が大きいです!
〇メンタルの問題にされがちな野球界。
「気持ちがないから打球を逸らすんだ!」
「必死さが足りないから簡単に三振するんだ!」
「意識が低いからカバーリングを忘れるんだ!」
こういった気持ちのせいにする指導、よく見かけませんか?
正直、スポーツならなんでも最終的にはメンタルが左右するところはあると思います。
気持ちの持ちようで勝敗が決することもあることでしょう。
しかし、指導者がなんでも選手の気持ちのせいにするのはまた違うのではないかと考えています。
たとえば、
「気持ちがないから打球を逸らすんだ!」
と言いますが、そこに技術的な問題は何もないのでしょうか?
小学生や中学生のレベルで見れば、守備のエラーはほぼほぼ技術的な問題です。
古い指導、体で止める云々の前に、打球に合わせることができれば体で止める必要はありません。
「必死さが足りないから簡単に三振するんだ!」
確かに食らいつこうという気持ちは必要かもしれませんが、気持ちがあっても技術がなければやはり三振します。
追い込まれる前に甘いボールを仕留めることができる選手は技術が高い。
厳しいコースをカットできる選手も、やはり技術の高い選手です。
↑気持ちの問題にされやすい見逃し三振についてはこちらの記事もご覧ください。
「意識が低いからカバーリングを忘れるんだ!」
それもあるかもしれないですが、知識不足、経験不足があるからそこまで意識が回らないのです。
考えることも技術とするのであれば、これもやはり技術不足なのです。
〇実際は技術力が不足しているだけ。
もしもチームで一番上手な選手にそういった指摘をしているのであれば、あながち間違えていないと思います。
「彼くらい上手な選手があんなに簡単に後逸するとは、集中力不足としか思えない」
「彼のようなバッターがあのスピードのストレートを安易に見逃すなんて、気持ちが入っていないのかもしれない」
「いつもカバーリングができている彼が今日はやらなかった。打てないことを引き摺ったまま守備についていたのかもしれない」
などと、考えるのは自然なのかもしれません。
しかし、多くのチームで「気持ちの問題」と指摘されているのは、あまり上手ではない選手です。
簡単に言えば、下手だからミスをしているのに、指導者によって気持ちの問題にすり替えられてしまっているのです。
これは非常に不幸なことで、実際は技術の問題なので、気持ちでどうにかしようとしてもうまくいきません。
指導者は言っても良くならないので、さらに気持ちの問題が大きいと指摘します。
そうしているうちに、実際にプレーが怖くなり、本当にメンタルの問題にもなっていきます。
また、指導者の目を気にしてプレーをするようにもなります。
最悪、イップスにもつながってしまいます。
時間が経って、ある程度上手くなり、以前はできなかったことができるようになると、急に指導者が、
「気持ちが強くなったな!」
などと褒めてきます。
実際は技術的な問題が解決したからということがほとんどです。
キャッチャーのストッピング、ピッチャーのストライク率なんかは典型的だと思います。
逆に、上手な選手はメンタルに課題が無いかのように扱われることが多いです。
特に少年野球や中学野球では、個人のレベルの差、発達の差が大きいため、上手な選手は抜きん出て上手なことが多いですよね。
そうなると、何をやってもうまくいくことが多くなります。
満塁で打席が回ってきても、ピッチャーのレベルが相対的に低いので、簡単に打つことができます。
守備でもピッチングでも一緒です。
うまくいくことが多いのでプレッシャーもあまりかかりません。
これは別に気持ちが強いからではありません。
上手だからです。
本当に気持ちが強いかは、周りも同じようなレベルの選手が集まったときに分かることと思います。
〇極力気持ちの問題にしない指導を!
このように、本当は技術の問題が大きいのに、指導者の手によってメンタルの問題にすり替えられていってしまうわけです。
これは指導者が自らの指導力不足を棚に上げてしまっていることにならないでしょうか?
こうしたことから、私は極力、メンタルに原因を求めないように指導をするようにしています。
※ただし、実際はメンタルだって当然関わってきます。
そのため、メンタルトレーニングはメンタルトレーニングでしっかりと指導するようにしています。
こちらの記事を参考にどうぞ。
気持ちの問題にしてしまう指導は野球界の旧態依然の問題の一つではないかと勝手に思っています。
指導者がわざと選手を罵声で追い込み、それに耐えさせるなんてのも、「気持ちの問題」にしがちなところと繋がっているのではないでしょうか?
基本的に野球は楽しいものです。
小中学生のうちは、技術を高めてあげ、上達していく中で野球をさらに好きになってくれたら良いのではないかと考えています。
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