中学校野球部!絶対に強くなるヒント集

中学野球や部活動の経営をしている方々のお役に立てるように、野球技術のみではなく、組織づくりのことなど、野球部の経営に役立つ情報をどんどん発信していきます。また、野球小僧を育てたい親御さんに役立つ情報も掲載していきます。宮川理論の公認指導員です。

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グッドルーザーを目指そう!強いチーム作りにもつながりますよ!

「敗戦の弁」まで考えた指導をしていますか?

人間形成の観点からグッドルーザー(良き敗者)を目指しましょう!

さらに、グッドルーザーを目指すことは強いチーム作りにもつながります!!

大阪桐蔭高校のチーム作りも参考にしてみましょう!

※「グッドルーザー」=負けて潔い人、負けっぷりのいい人。

 

〇試合後のことまで考えた指導をしていますか?

変な話ですが、みなさんは「負けた後どうするか」を考えて公式戦に臨んでいますか?

私は選手には大会のたびに「グッドルーザー(良き敗者)になろう」と指導しています。

以前記事にもしましたが、野球部通信にも以下のような記述をしました。 

www.taguchizu.net

「選手権大会を勝ち上がるということ」

 選手のみなさん、まずは選手権大会1勝おめでとうございます。みなさんには都大会に出るとはどういうことなのかたびたび話をしています。それと似た話になるかもしれませんが、選手権大会を勝ち上がるとはどういうことなのかお話ししたいと思います。
 今回、我々は〇〇中に勝利しました。この瞬間、〇〇中の3年生が都大会に出場できる可能性はゼロになりました。この先もいくつかのチームに勝利して都大会に出場するわけですが、勝利するたびに、相手チームの「都大会出場」という目標がついえていくわけです。もちろん、それは悪いことをしているわけでもなんでもありません。正々堂々と戦った結果、勝利したのであれば胸を張って都大会に出場すればいいのです。しかし、そこで忘れてはいけないのは、みなさんは多くのチームからバトンを受け取って都大会に出場するのだということです。
 みなさんがもし都大会に行けず、どこかで敗戦したら、どのような気持ちになりますか?私は見ていませんが、昨年の先輩たちが引退するときにはどのような表情をしていましたか? みなさんが負けたら保護者の方々はどのような思いになるのでしょうか? 今回の〇〇中も含め、敗れたチームの気持ちは皆同じです。それならば、バトンを渡してもらえる良き勝者を目指しましょう。試合が終わった後、「最後にきみたちと戦えて良かった。都大会でがんばってきてください。」と相手チームからバトンをもらえるチームを目指しましょう。それが選手権大会を勝ち上がるということです。
 今回、〇〇中との戦いぶりは堂々としたものであったと思います。しかし、試合後のグラウンド整備を〇〇中の選手に一部任せてしまうということがありました。敗戦後、〇〇中の選手はどんな思いでグラウンド整備をしてくれたのでしょうか…。みなさんが今、委員会を中心に様々なことをがんばっていることは私も、さらには他の中学の先生も評価しています。ただ、それでも都大会の招待状を受け取るためには、まだ少し足りない部分もあるのではないかということを考えて欲しいと思います。みなさんたちならそこまで考える力があると思っています。

『自作の野球部通信』より

 

こちらは勝利した場合のことについての内容ですが、敗戦した場合のことについてもちょくちょく記事にしています。

 

「グッドルーザー」

 残念ながら選手にとって初めて、野球部にとって久しぶりの都大会は1回戦で敗れてしまいました。私は相手チームを当日初めて見ましたが、固い守りの非常に良いチームだと感じました。礼儀正しく、マナーも良く、見本になるチームでしたね。ですが、みなさんも負けてはいなかったと思います。バッティングや走塁に関してはここまでやってきた成果もあり、相手チームを上回っていた部分もあったと思います。
 しかし、残念ながら敗戦。ただ、この敗戦に関しては誰かの責任ということではなく、全員が一生懸命にやっての結果です。強いチームではありましたが、絶対に勝ち目が無い相手ではなかったということもみなさんも感じたのでしょう。試合後は悔しがる選手が多く、これもまた一つの成長と言えるでしょう。春季大会の準決勝で負けたみなさんはグッドルーザー(良き敗者)ではありませんでした。しかし、都大会での敗戦直後のみなさんの振る舞い、グラウンド整備に向かったところ、最後までお礼を忘れずに言えたところ、自分たちでミーティングをする姿、どれも市の代表にふさわしい姿だったと思います。
『自作野球部通信より』

※どちらも個人情報が分からないように改変しています。

 

これらはごく一例ですが、日々の指導の中でも「勝利した後のふるまい」、「敗れた後のふるまい」に関しては丁寧に指導するようにしています。

勝利した後のふるまいに関しては、選手も気分が良いので、正直指導は入りやすいですし、すんなりと行動に移せる場合が多いです。

※ちなみに、私は「ガッツポーズするな」という類の指導はしていません。自然と出る喜びや感動などを表現することは悪いことではないと考えているからです。しかしながら、度を越える表現(自然ではない喜び方)、相手に向かってガッツポーズするなど、相手チームが不快に思うようなことは慎むように指導しています。

 

本当に人間力が試されるのは「敗れた後のふるまい」です。

本気でプレーして敗れれば、ほとんどの試合で悔しいはずです。

「悔しい」「悲しい」「むなしい」

場合によっては相手チーム、チームメイト、審判、指導者などなど、誰かを責めたくなる気持ちも出てくるかもしれません。

そんな場面で「悔しい、けれどもその悔しさと向き合う。」という姿勢が非常に重要になってきます。

トーナメントで勝ち残るのはたった1チームです。

つまり、他の全てのチームは敗れてトーナメントを終えます。

ということはほぼ全てのチームで「敗戦後にどうするか」という指導が必要なことになります。

当然、目指して欲しいのは「グッドルーザー」です。 

球育

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〇なぜグッドルーザーを目指すのか?

グッドルーザーを目指す一番大きな理由は「人間形成」の観点からです。

私は野球部が部活動であるからには「人間形成」を目的にすべきだと考えています。 

www.taguchizu.net

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これらの記事をはじめ、さまざまな記事で触れていますが、当然勝つことを目標にやっていきますが、「勝つためには何をしても良い」という指導は行いません。

最終的な目的は選手の人間的な成長だと考えています。

※部活動について話をしていますが、クラブチームだとしても同様であるべきだと思いますし、実際多くのクラブチームでも取り組んでいることと思います。 

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そう考えると、選手が社会人となったときに必要な力を、部活動を通じて身につけることが必要になります。

社会に出た際、たとえば就職してから、一度も仕事で失敗しない人はいないでしょう。

場合によっては大きなミスをしてしまい、多くの人に迷惑をかけることもあるかもしれません。

当然そうならないようにする努力もできるようにすべきですが、大切なのは「ミスをした後、そのミスに真剣に、誠実に向き合うこと」だと思います。

素直に頭を下げることができるか、真剣に自分の失敗を反省できるかがその人の評価を二分すると思うのです。

 

また自分に大きなミスは無くとも、同僚が大きなミスをするかもしれません。

その時にフォローできるか、一緒に失敗を受け入れることができるかも非常に重要だと考えます。

 

自分のミスに向き合えない人、仲間のミスを許容できない人は社会に出て通用しません。

※同僚の適当な仕事を「あー、いいよいいよ笑」とするのとは違います。

それが続けば、白い目で見られますし、誰かを解雇する必要が出てきた場合、真っ先にその対象となるかもしれません。

何より、そういう人は周囲の人を幸せにできません。

 

こういった力は成功体験を積むだけではなかなか身につきません。

スポーツで言えば、敗れたときにどう振る舞うのかということに非常に似ています。

だから「グッドルーザー」を目指すべきなのです。

 

中には残念なことに、指導者がすでにグッドルーザーでは無い場合もあります。

選手は指導者の姿勢を見ています。 

www.taguchizu.net

プロ野球でも敗戦後に相手チーム批判や選手批判をする監督がいます…。

それが自らのチームが強くならない理由だと思うのですが、なかなか分からないものですね…。

まずは指導者がグッドルーザーであるべきではないでしょうか?  

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〇グッドルーザーを目指すことは勝利にもつながる!

これは一見矛盾するかもしれませんが、グッドルーザーを目指すことは勝利にも近づくことになります。

グッドルーザーになるためには、一度敗れた自分を想像する必要が出てきます。

私は大会前に、その大会で優勝したとき、そして敗れたときのイメージトレーニングをさせます。

優勝したときであれば「ヒーローインタビュー」、敗れた場合は「敗戦の弁」を述べるところまでイメージさせます。

時間がある場合は実際にやってみます。

これはメンタルトレーニングにもなります。

敗れた場合を考える=最悪のケースを想定するということです。

サヨナラ負けかもしれない。

コールド負けかもしれない。

どんな場合であっても自分たちに足りなかったものを受け止め、勝者を称えることを事前に練習しておくわけです。

そこまでしっかりと準備しておくことを繰り返していくと、グッドルーザーになる準備が出来てきます。

一度の大会では難しいですが、繰り返していくことで、いい意味で

「この試合で自分たちも負ける可能性がある」

という備えができていきます。

これは、試合のプレーにもつながります。 

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自分たちが負ける姿を想像できないチームは、勢いそのままにトーナメントを勝ち上がることもありますが、思いもよらないところで足元をすくわれることもあります。

序盤に少し失点しただけで焦り、普通にやっていればいつかは逆転できそうなものを、焦りからミスを繰り返してジャイアントキリングを許してしまうチームは見たことがありませんか?

それに対して、グッドルーザーになる準備が出来ているチームはブレない、焦りにくい。

ミスが出るかもしれない。

先行され、苦しい展開になるかもしれない。

そこまで考えることができています。

最後まで自分たちの戦いを貫き、良い意味で力を出し切って負ける準備ができている。

しかし、そういうチームはなかなか負けません。 

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〇グッドルーザーの代表例「大阪桐蔭」!

今回、この記事を書くにあたってイメージしているチームがあります。

それは2018年春夏甲子園連覇を達成した大阪桐蔭高校です。  

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正直に言えば、大阪桐蔭はあまり好きではありませんでした。

理由としては2013年のセンバツで県岐阜商との対戦で見せたラフプレー(タックルで守備妨害、試合終了)のイメージがずっと引きずっているというのが1点

OBプロ野球選手の印象があまり良くないというのが1点。

このあたりは「人間形成」に関わる部分ですから、しつこく人間形成をうたっている私が良く思わないのも理解していただけるのではないでしょうか?

しかし、甲子園で勝利を重ねるたびに大阪桐蔭というチームは「人間形成」の点でも進化を遂げていると感じています。

これは西谷監督の指導力がさらに増しているからかもしれませんし、さらに良い選手(人間力の観点でも)が集まるようになったからかもしれません。

 

2018年の甲子園で大阪桐蔭は一度も敗戦を喫することはありませんでした。

しかし、大阪桐蔭が、西谷監督が、試合後のことまで考えて取り組んでいたことは明らかだと思います。

敗れてはいませんが、いつ敗れたとしてもグッドルーザーになっていたことでしょう。

そして、その姿勢が多くのファンを作り、強いチームを作ったと感じるのです。 

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具体的な例を見てみます。

世間一般には意外な苦戦と見られた感のある、夏の甲子園の高田商戦。

www.daily.co.jp

試合後のインタビューで西谷監督は

西谷浩一監督(48)は高岡商・山田について「いい投手と分かってはいたが、これまでの試合とは少し配球を変えてきた」と振り返った。「(データでは)まっすぐ勝負が多かったのに、中川、藤原、根尾にはフォークや落ちる球が来た。描いていたゾーンと全然違うゾーンに来た」と裏をかかれた形となり「エースのプライドを感じた」とたたえた。

https://www.daily.co.jp/baseball/2018/08/16/0011548329.shtml より

と述べています。

高田商戦に関わらず、西谷監督は試合後のインタビューで相手チームをこれでもかというほど褒め称えるのが特徴です。

そして自チーム、特に自分のことにはとても謙虚です。

また、自チームの選手を責める発言もありません。

 

さらに、選手も同様です。

大阪桐蔭ナインも、舌を巻く投球内容。3打数1安打1三振の根尾(3年)は「腕を振って、ストライクぎりぎりにもってきていた。変化球もしっかり沈め、高低をうまく使われました」と言えば、2三振の中川は「ストレートが力強く、フォークが落ちていた。思っていた以上にいい投手。こういう苦しいゲームは今までなかったんじゃないかなと思います」とコメント。

 4打数無安打2三振の藤原(3年)は「外を攻められ、完全にフォームを崩された。まったくタイミングが合わなかった」と脱帽した。

https://www.daily.co.jp/baseball/2018/08/16/0011548329.shtml より

選手も西谷監督と同じように相手を称えるコメントが多いです。

残念ながら自分の調子が悪いときに、審判を批判したり、コンディションのせいにしたりする選手もいます。

というか、まだ高校生なんですし、本当は打たれたり、打てなかったりしたらものすごく悔しいに決まっています。

特に負けたら誰かのせいにしたくなる気持ちも普通だと思います。

それでも堪えてグッドルーザーになれる。

それが大阪桐蔭の強さなのでしょう。

 

「いやいや、負けてないからこういう姿勢でいられるんだろう?」

とおっしゃる方もいるかもしれません。

こちらをご覧ください。

www.daily.co.jp

史上初となる2度目の春夏連覇に挑んだ大阪桐蔭が、仙台育英に逆転サヨナラ負け。1点リードの九回2死から安打と四球、失策で満塁とし、中越え2点二塁打を許した。西谷浩一監督の一問一答は以下。
 -あと一歩だった。
 「夏の日本一を目指してやってきた。子供たちの頑張りを勝利に導いてやれず、監督として申し訳ない」
 -九回に伝令を2回出した。
 「厳しい場面だったが、こういう場面で粘らないと強くはなれない。ピンチをしのいでうまくなってこいと言った」
 -2年生の柿木が先発し8回2/3を2失点。
 「よく頑張ってくれた。柿木のためにも勝ちたかった。甲子園初先発に臆することなく、自分の投球をした」
 -守備のミスもあった。
 「全員で戦ってきて、誰がどうこうということではない。子供たちはぶれることなく夏の日本一を目指して一致団結してやってきた。チーム全員で戦った結果」
 -今年のチームは。
 「主将の福井を中心に非常にまとまりがあるチームができた。こういうチームで勝ちたいと思えるチームになったことはうれしい。大阪桐蔭にとって、大きな財産になると思える」
 -悔いはあるか。
 「勝てなかったことだけ。私が導いてやれなかった。(選手は)やることは全部やった。そこに何の悔いもない」
 -2年生が多いが。
 「2年生のチームだと言われるが、3年生のチーム。この悔しさを1、2年生が間近で見てどうするか。3年生の財産を元に新チームを明日からスタートしたい」

https://www.daily.co.jp/baseball/2017/08/19/0010477238.shtml より

これは2017年に仙台育英戦で思わぬ形で敗れた際のインタビューです。


20170819 大阪桐蔭 VS 仙台育英 ファーストの足を蹴り上げ?

故意かどうかは不明ですが、1塁での交錯があった試合です。

話題になったので覚えている方も多いことと思いますが、このプレーののち、9回裏にファーストの中川選手が1塁ベースを踏めず、その後サヨナラ負けを喫しています。

 


大阪桐蔭主将 中川卓也 仙台育英戦でのあのプレーを語る

選手もこのような敗戦にも関わらず、相手を責めるような発言はありません。

故意かどうかは不明ですが、結果として蹴られる形になった中川選手も相手チームのせいにはしていません。

また、大阪桐蔭の先輩、元主将の福井選手も相手チームも、中川選手のことも責めている様子はありません。

まさにグッドルーザーと言えます。

この姿勢が多くの観客を味方につけ、2018年の春夏連覇を生んだのだと私は思います。

※ただし、金足農業の登場で決勝はヒールのようでしたが…。あれは大阪桐蔭が応援されないチームであったわけではなく、致し方ないと思います。 

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ここまでご覧になってどうでしょうか? 

グッドルーザーを目指すことは人間形成のみならず、強いチーム作りにもつながるということが分かっていただけたかと思います。

もちろん、振る舞いだけ覚えても足りません。

最終的には心までグッドルーザーになれるかが重要です。

指導者は試合後の気持ちの部分まで指導していけるといいですね。 

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↑こちらの記事も参考にしてください。

ちなみに、公式戦の声かけについてはこちらの記事をご覧ください。 

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