野球の練習として行われることのある連続ティーバッティングや連続素振り!
フォロースルーが小さくなったり、コネる癖がついたりすることが多いのでおすすめしません!
〇どんな選手でも長打を打てる選手になって欲しい!
野球はバッティングやピッチング、守備や走塁といったいろいろな要素で成り立っています。
どの分野にしても、小さくまとまらず、大きく育って欲しいものですね。
特にバッティングは野球の醍醐味ではないでしょうか?
バッティングこそ小さくまとまらず、長打を打てる選手になってもらいたいです。
そういった選手に育つためには、まず目指すバッティングの最終地点が必要ですよね。
プロ野球選手やメジャーリーガーを目標にするのもよし、身近な上手な選手を目標にするのも良いと思います。
とにかく将来的な目標は絶対に立てましょう。
↑目標設定についてはこちらです。
そしてこの目標設定をする際に、指導者はできればホームランバッターを描かせて欲しいです。
少年野球や中学野球では、確かに身体が小さくて長打を打つのはなかなか厳しい子もいます。
しかし、身体が小さい子もその後大きく成長する可能性もあるし、身体が小さくてもプロで活躍する選手もいます。
100打点!! L森 比類なき勝負強さとバットコントロール《THE FEATURE PLAYER》
西武ライオンズの森友哉選手はホームランバッターと言っても良いと思いますが、身長170cmありません。
本人、もしくは指導者がどこかのタイミングで長打を諦めていたらこうは育たなかったでしょうね。
また、2017年のMLBのMVPホセ・アルトゥーベ選手は森選手よりも小柄ですよ。
Jose Altuve Ultimate 2017 Highlights
167cmですがホームラン24本も打っていますからね。
↑アルトゥーベ選手についてはこちらもご覧ください。
そして、長打を打てる選手を目指すとなると、やはりそうなってくると大きなフォロースルーとレベルスイングは身に着けたいところですね。
↑こちらの記事では大きなフォロースルーを取ることの重要性をまとめています。
フォロースルーが小さいとどうしても打球が飛ばないし、上がらなくなってしまいます。
↑こちらの記事ではレベルスイングはバッティングの基本であるということをまとめています。
レベルスイングは定義を間違えやすいのでこちらの記事で確認して欲しいと思います。
併せてこちらの記事で「スイングパス」という考え方についても知っていただければと思います。
〇連続ティーバッティング、連続素振りは危険!
そのように、誰もが長打を打てるようになって欲しいと考えた場合、フォロースルーが小さくなってしまったり、レベルスイングではなくなってしまったりする恐れのある練習は危険だと思いませんか?
そんな危険な練習の代表が「連続ティーバッティング」と「連続素振り」だと私は考えています。
行っているチームによって呼称は異なると思いますが、下の動画のような練習です。
私も高校時代に頻繁にこの練習をやったことがありますし、恥ずかしながら指導の知識が浅いころは選手に行わせたこともあります。
しかし、こういった連続ティーバッティングはフォロースルーが小さくなりがちです。
また、後ろの手が早く返る(早く返す)練習なのでレベルスイングでは無くなり、コネるダウンスイングになってしまう危険性が大きいです。
特に重いバットで続けて振った場合はフォームを崩しやすいと私の経験上感じます。
スイングスピードが速くなるという説もありますが、科学的根拠があるかは不明です。
私は見つけられませんでした。
遠心力を使わない、手首の使い方もトップが走る使い方ではないのでこの練習で間違ったスイングが定着すると、むしろスイングスピードは落ちる可能性もあると考えています。
たとえスイングスピードが上がったとしても、間違ったフォームが定着してしまうと打てなくなってしまうわけですからあまり意味は無いでしょう。
ちなみに私が正しいと思う手首の使い方の動画です。
毎度宮川理論ですみませんが、レベルスイングやコネないテクニックに関しては宮川理論はかなり進んでいると思います。
〇それでも多くのチームで取り入れられている!
それでも、多くのチームで連続ティーバッティングや連続素振りは取り入れられています。
マルテ選手が福留選手をお手本に初めて連ティーへ挑戦!コーチからも絶賛されたマルテ選手のバッティングをお届けします。
プロ野球のキャンプなどでもよく行われています。
プロがやっている練習が100%正しいと思わないでいただきたいのがまず1点。
残念なことにプロでも、誤った練習やケガのリスクの高い練習を行っていることも多々あります。
また、プロ野球選手はある程度バッティングフォームが完成していて、ほとんどの練習は修正目的や処方箋目的で行われているという点も理解しないといけません。
よくやっている広島菊池選手の連続ティーを見てみると、いい意味で「練習は練習」と割り切ってやれているように見えます。
軽く振って、インパクトまでの練習と割り切っているように見えますよね。
また、菊池選手自身も私が述べているような連続ティーバッティングの弊害も理解して取り組んでいるのではないでしょうか?
そうであれば、悪い癖が身に着く危険性は少ないと言えると思います。
しかし、多くの場合は全力で取り組んでしまっています。
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悪い例のようにアップしてしまい大変申し訳ないのですが、このくらいマスコットバットで一生懸命やってしまったら、筋力はつくと思いますがフォロースルーが小さくなり、コネる癖もついてしまうのではないかと思います。
やらせてみると分かりますが、この練習はコネてダウンスイングする選手の方が圧倒的に上手です。
この練習を上手にやろうとして極端なダウンスイングが定着する危険性もあるように思います。
また、マスコットバットでこれだけ続けて振る練習を繰り返すと野球腰になる危険も高いと思います。
↑その点については以前こちらの記事で指摘しています。
ということで、連続ティーバッティングや連続素振りは、当たり前のように行われている練習ですが、私はおすすめしません。
もちろん、野球には様々な指導法があり、様々な指導者の考え方があるのは当たり前です。
ただし、みんながやっているから取り入れるというのではなく、今一度目的と効果を検証し、どのような練習を行うか検討してみてはいかがでしょうか?
残念ながら、高校野球でもみんながやっているというような理由で取り入れているチームが多いと感じています。
続編もご覧ください。
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