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2段モーションの誤解を解く!2段モーションは打者を欺く行為では無い!

2018年シーズンから2段モーションが解禁!

それでもマナー違反なんて声もあるけど、そもそも2段モーションって打者を欺く卑怯スレスレの投げ方なの!?

かなり丁寧に反論させてください!

 

〇2018年シーズンから2段モーションが解禁!

以前記事にしましたが、2018年シーズンから2段モーションが解禁となります。 

www.taguchizu.net 

正確には

「走者がいないときはイリーガルピッチとはしないが、走者がいる場合は従来通りボークとなる」

というちょっと理解できない解釈に変わるそうです。

イリーガルピッチではないのに走者がいるとボークになるというのはどういうことなのかちょっと意味不明です。

実際は走者がいるときに2段モーションで投げる投手はほぼいないと思うので、それほど深く考える必要はないと思うのですが、中途半端に感じますね。

先に挙げた記事では2018年のルール改正についてまとめるとともに、そもそもなぜ2段モーションを用いる投手がいるのかという話もさせてもらいました。

2段モーションにすることで「打者を欺く意図があるのではないか」と解釈されたことが2段モーションを厳格に禁止するようになった理由です。

ですが、それまで2段モーションを採用していた多くの投手は決してそういう意図は無く、単純にそちらの方が強いボールを投げることができるから2段モーションを採用していました。

しかし、残念なことにネット上での意見、さらには野球規則委員会の方の意見でも「2段モーションは打者を欺くような投げ方である」という認識が多く見られます。

私はどうしてもこの誤解だけは解きたいです。

そこで、改めて2段モーションが打者を欺くために用いられているのではないということを丁寧に説明したいと思います。  

ピッチングメカニズムブック 理論編―ピッチングの仕組み

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〇2段モーションは打者を欺くため?

先の記事でも触れていますが、野球規則委員会では2段モーションを打者を欺く卑怯スレスレの投げ方と捉えているようなフシがあります。

打者のタイミングを外すためなら、どんなフォームでもいいわけではない。中本氏は「3回も足を上げたり、これ以上エスカレートするならやめさせる方向にいくと思う」。NPBの井野修審判技術委員長兼野球規則委員(62)は「反則にならなくても何でもやっていいとはならない。マナーの問題。人をだましてというのは、スポーツの根本としてありえない」。ただし、昨季時点の菊池、井口らのフォームなら、今季は反則投球には取られない。

 規則委員会では今後、2段モーションなど動きを意図的に止めるフォームが、科学的に優位性がないという検証を外部の研究機関に依頼するという。

https://www.nikkansports.com/baseball/news/201801120000066.html より

これは以前の記事でも引用させていただいた内容ですが、この言い方だと「国際基準に合わせるために認めることにしたものの、反則スレスレである」というように感じます。

また、Facebookページに、Umpire Medical Servicesさんという参考になるページがあるのですが、そちらでも審判の目線からこのように記述がありました。

勘違いして欲しくないルール改正。

このルール改正はあくまでも反則投球の項目から文言がなくなったというだけで、どうぞ二段モーションをしてくださいというルール改正ではない。

アメリカには二段モーション禁止なんて元々書いてない。なぜか?!そんなのマナー違反だからやらないのが大前提で、わざわざ書かなくていいいからです。誰もやらないんです。
ルールというのは最低限のことしか書いてない。

ではなぜ日本のルールブックにはわざわざ明記されたのか?!それはルールブックに書いてないのだからいいだろうと、二段モーションが行われるようなったからに他なりません。

もちろんルールから文言が無くなったのだから、いいでしょうと言う方もたくさんいるかもしれませんが、走者がいるときに二段モーションは即ボークです。

アメリカでは二段モーションを取る投手は少なくとも私のゲームではみたことがありません。そもそも動作的に考えても、二段モーションの意味は?!とパーフォマンスが上がるの?!と言うところが正直なところです。日本の投手も走者が出ればクイックモーションになるので流石にボークを取られることはないでしょう。

ただし、アメリカの野球に慣れている選手はたとえ走者がいない時であれ、二段モーションをとる日本の投手に対しては、マナー違反的な感覚は持つかもしれません。

二段モーションの文言がルールブックから消えたということは、二段モーションに関してはもう国際的なルールの解釈とマナーが定着したからじゃないんでしょうか?!このルール改正は日本球界の国際化に一歩近づいた証では?!

このルール改正が選手やマスコミ、もちろん審判の方々に正しく解釈されることをただただ祈るばかりです。

日本が野球先進国になるためには、プレーだけでなく、マナーも一流であるべきです。横綱には品格を求める国なのですから。

https://www.facebook.com/Umpire-Medical-Services-774207112653165/?hc_ref=ARQlkUwn2AlvnYypuVoWrgusRAMOffM9uVbtNQWwnuHug54blIhpnjktvdslcxvdlQQ&fref=nf&pnref=story より

このお話しの中の、

「このルール改正が選手やマスコミ、もちろん審判の方々に正しく解釈されることをただただ祈るばかりです。日本が野球先進国になるためには、プレーだけでなく、マナーも一流であるべきです。」

という部分に関しては全く同感です。

野球規則に細かく書かれていないことなら何をしても良いなんてことはあってはならないわけで、その点については指導者がルールのみならず、マナーをしっかりと指導すべきだと私も思います。

しかし、それ以外の点では少々反論したい部分もあります。 

ピッチングメカニズムブック 改善編―ドリル&トレーニング

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〇MLBでは本当に2段モーションの投手、打者を欺くようなモーションの投手はいない?

まず、

「アメリカには二段モーション禁止なんて元々書いてない。なぜか?!そんなのマナー違反だからやらないのが大前提で、わざわざ書かなくていいいからです。誰もやらないんです。」

とありますが、MLBの投手の方が2段モーション、ストップモーションに関しては緩いというか適当というか、けっこうそういう投手は多いです。


【MLB】珍プレー 完全に相手をなめきっている Jクエトの投球


【今年18勝】 ジョニー・クエト 『 スーパーピッチング集 』

このクエトなんかは明らかに打者を欺くことを目的として不思議なモーションやスーパークイックなどを行っています。

しかし、これがボークになってはいませんし、むしろ彼の特徴のように捉えられています。

 


【MLBワールドシリーズ】2017.10.25 カーショウ 先発登板!投球全球 ドジャース vs アストロズ Los Angeles Dodgers Clayton Kershaw

また、私の目にはMLBを代表するクレイトン・カーショウ投手だって2段モーションに見えるのですが。

 

菊池選手のレベルで「マナー違反」でもMLBの投手たちは本当に「誰もやらない」んでしょうか?

2017年シーズンの2段モーション騒動のときにヤクルト真中監督も

「向こう(メジャー)はセットは止まらないし、2段モーションもやってる。
コリジョンルールだけ取り入れて、そっちの方は全くやらないんだもん。
NPBがあいまい。やるならば徹底的に取り入れるべき。
アメリカから来た選手は必ずボークをとられている」

http://nanjpro.site/真中監督、npb審判団に不満爆発%E3%80%80「メジャーはセ/ より

と述べています。

少なくともMLB投手が2段モーションをしないということと、日本人だけがマナー違反しているというようなことはないと私は思います。

個人的にはMLBの投手たち並にモーションの幅を認めるという解釈をしたのですが、それは勘違いなのでしょうか? 

2017シーズンメジャーリーガー555人の通信簿 2017年 12 月号 [雑誌]: スラッガー 増刊

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〇2段モーションではパフォーマンスは上がらない?

さらに、

「そもそも動作的に考えても、二段モーションの意味は?!とパーフォマンスが上がるの?!と言うところが正直なところです。」

とありますが、実際パフォーマンスは上がります。

 

私の経験では4スタンス理論でいうところのパラレルタイプは2段モーションにした方が強いボールを投げられる傾向にあります。


【検証】菊池雄星の投球フォームを1年間追っていたら、二段モーションの真実が見えてしまった


近鉄 岩隈 2段モーション時代.wmv

岩隈投手は典型的なパラレルタイプ、菊池投手は若干迷ったのですが、調べたところやはりパラレルタイプだそうです。

 

クロスタイプは自由な足を上げる際に軸足と交差させるので、それだけで股関節をかませることができます。

簡単に言うと、足を上げる動作がそのまま股関節をうまく使う動作につながるわけです。

しかし、パラレルタイプの投手は自由な足を交差すると投げにくく感じるようです。

そのため、自由な足をまっすぐに上げることが多いのですが、そのままだと股関節をうまく使うことが難しいです。

しかし、2段モーションにすることで股関節がうまくかむようになるので強いボールを投げることができます。

私もA2パラレルタイプなので実体験としてよく分かります。

昨シーズンまでは2段モーションが禁止されていたので、パラレルタイプの投手は2段モーションを取られるギリギリのところで投げるか、完全静止にならない程度のストップモーションで投げる傾向にありました。

私も選手に「3点スイッチ」で正しいフォームを身に着ける指導をしていましたが、これはあまりにはっきりとメリハリをつけてやると、試合ではボークもなっていましたが、これも解禁になります。 

www.taguchizu.net 

この「3点スイッチ」による投手指導もより効果的なものになると思われます。

野球規則委員会では2段モーションに優位性がないことを研究依頼すると言っていますが、この研究は4スタンス理論を正しく理解した上で行わなければ、全く異なった結論が出る可能性があります。

クロスタイプの選手をたくさん集めて研究したら「2段モーションに優位性は無い」という結論で終わることでしょう。

クロスタイプとパラレルタイプの両方の投手を同じくらい集めて研究しないと正しい結果は出ないと思いますし、出るであろう結果は「パラレルタイプには優位性が認められる」だと予想されます。

 

そもそもプロ野球選手にはパラレルタイプは少ないと思われます。

なぜなら、日本の投手指導はクロスタイプの指導が主流だからです。

桑田投手が日本人投手の見本のように私が幼いころはよく言われましたが、桑田投手の投げ方は典型的なクロスタイプです。


【プロ野球、ピッチング集 #19】桑田真澄の全盛期!巨人の18番を背負ったエース!綺麗なフォームから綺麗なストレート、代名詞のキレのいいカーブ!

「自由な足を交差させてヒップファースト」

「肩でバッターを見るように投げる」

このような指導は聞いたことはありませんか?

こういった指導は基本的にはクロスタイプに適した指導であり、パラレルタイプの投手はそういった指導では伸びていかないことが想像されます。

つまり、パラレルタイプの投手はプロ野球選手になりにくいのではないかと考えられるわけです。

得意なモーションである2段モーションを禁止されていたのですからなおさらです。

パラレルタイプにおいては2段モーションでパフォーマンスは上がる傾向にあると思います。

「このルール改正はあくまでも反則投球の項目から文言がなくなったというだけで、どうぞ二段モーションをしてくださいというルール改正ではない。」

とありますが、もし本当にそうなのであれば解禁しない方が良かったと思いますし、公式な場でこのように発言してもらいたいです。

今までもそうですが、2段モーションの方が良いボールを投げることができる投手が、「ルール違反だから」ということで2段モーションをしないように守ってきたわけです。

中にはフォームを修正した投手もいます。

ルールで決まっていたのだから、それは致し方ないことです。

試行錯誤する中で、2段モーションと取られないギリギリのところを探してきたわけです。

何度も言いますがそこに打者を欺こうという意図がある投手はほぼほぼいないと思います。

そういった投手たちが今回の解禁を機にもっと良いボールを投げるために2段モーションにした場合、批判されてしまうのでしょうか?

であれば何のための規則改正なのですか?

2段モーションが合う選手には2段モーションを教えようと考えた私のような指導者は「マナーを理解していない卑怯な指導者」のように扱われてしまうのでしょうか?

私も選手も、ルールの範囲内でもっと良いボールを投げることができるようになりたいだけなのですが…。 

感情をコントロールする技術

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〇そもそも2段モーションで不利を受ける打者はタイミングの取り方に欠陥がある。

2段モーションが好まれない理由は、先に述べたように「打者を欺く意図がある」と取られるためです。

しかし、そもそも2段モーションでバッターが不利になることはあるのでしょうか?

野球解説者の里崎氏は昨年の2段モーション騒動のときに以下のように述べています。

 

1段から2段モーションに変えるような、惑わせる投手がいるなら、取り締まってほしい。しかし、菊池や井口のようにワインドアップから一定のリズムの中、投球の流れで“2段”にされる分なら、打者はそんなに困らない。

https://www.nikkansports.com/baseball/column/satozaki/news/1875660.html

打者を明らかに惑わすことが目的で毎回1段だったり2段だったりしたら、それはやはり打者もやりづらいでしょう。

しかし、里崎氏は

「一定のリズムの中、投球の流れで“2段”にされる分なら、打者はそんなに困らない。

と述べています。

もちろん、困る打者もいます。

しかし、その困る打者というのはタイミングの取り方に欠陥がある選手であり、2段モーションでなくともタイミングをうまく取れないことのある選手です。

少なくとも「シンクロ打法」のテクニックをもっている打者、プロ野球選手のほぼ全ての選手がシンクロできていますが、そのテクニックがあれば2段モーションは全く問題になりません。 

www.taguchizu.net

ですから、要するにそもそも2段モーションには打者を欺く効果自体ほぼ無いのです。 

バッティングが変わる!驚異のシンクロ打法―発見!タイミングの法則

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以上、かなり長くなりましたが、2段モーションに関する誤解を解きたくて長文書かせていただきました。

これからアマチュア野球でもこの発表を受けて確認の場があるそうですが、先にも述べたようにアンリトゥンルール的に書かれてはいないがマナー違反なのならはっきりと公言していただきたいです。

野球規則が改正されて、2段モーションを取り入れたがために不利な裁定を受けたり、白い目で見られるようなことはあってはいけないのではないかと思います。

少なくとも打者を欺く行為ではないということはこの記事でご理解いただきたいです。 

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