2016年11月の強化試合を終えて、
侍ジャパンに足りないものは何なのか?
それはずばり、スモールベースボールからの脱却です!!
〇強化試合の結果は3勝1敗だったが…
侍ジャパンの強化試合4戦が終了しました。
結果は3勝1敗。
結果だけ見るとまずまずのように思いますが、上の記事のように、決してWBCに向けて安心できる内容では無かったように思います。
Twitterやネットニュースなどを見ていると、見ていた人たちが感じた侍ジャパンの課題は主に以下のようなところのようです。
・特に先発投手を中心とする投手陣の不安。
・小久保監督の実践経験の無さ。
・オランダやメキシコと比べたときに感じる打力の無さ。
この3点を挙げている人が非常に多かったです。
逆に守備力という点では、WBC公式球に慣れてスローイングが安定すれば世界でも十分に戦えるというのがみなさんの評価のようですし、私もそう思います。

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〇投手陣や監督に対する不安について
正直、先に挙げた課題のうち「先発投手を中心とする投手陣の不安」に関しては仕方ない部分ではあるかなと感じています。
今回、全ての有望な投手を呼べたわけではありませんし、前回までのWBCで活躍した投手はメジャーリーガーになっています。
侍ジャパンにダルビッシュ投手・田中投手・岩隈投手・前田投手・上原投手を仮に召集できたとしたならば、おそらくそれだけで課題が解決されます。
確かにその次の投手が出てきていないのは課題かもしれませんが、本来は大谷投手というスーパープレーヤーがいるわけで、日本球界でダルビッシュ投手らに続く投手が育っていないというのも違うと思います。
「小久保監督の実践経験の無さ」。
これも仕方がありません。
小久保監督が一生懸命にやっていないわけではありませんし、これは彼が悪いわけではなく、任命した側に問題があると思います。
しかし、小久保監督が任命された時点で他に誰か適任者がいたかと言われると難しかったのも事実で、この点を責めてもどうしようもないのではないかと思います。
ただし、日本野球界の名選手=名監督というような扱われ方、コーチ経験が無いのにいきなり監督という点については大きな問題であるとは考えています。
その点については秋季キャンプの記事でも触れています。
〇真の課題はバッティングではないのか?
先に述べたように三つの課題のうち、二つは致し方ない部分ではあります。
しかし、三つ目の
「オランダやメキシコと比べたときに感じる打力の無さ」という課題は大問題だと思います。
もちろん、オランダやメキシコだけでなく、アメリカやカナダ、さらには韓国よりも打てないのは事実でしょう。
これはWBCが始まったときからずっと課題になっていることです。
メジャーリーグで大活躍する投手が多くいる一方で、メジャーリーグで大のつく活躍をした打者は松井選手とイチロー選手しかいないと言ってもいいのではないでしょうか?
そのうち、ホームランバッターとして活躍したのは松井選手だけです。
2009/10/29 松井秀喜 ワールドシリーズ 第2戦 決勝ホームラン
松井選手のようにメジャーリーグで4番を打てるような選手が今の日本にいるでしょうか?
ちょっといませんよね。
とにかく日本ではホームランバッターが育っていません。
これは、日本プロ野球界の課題でもあるのですが、日本野球界全体の課題とも言えるかもしれません。
よく、日本人と外国人では身体の大きさが違う、パワーが違うと言う人もいますが、それは言い訳です。
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こちらのアストロズのホセ・アルトゥーベ選手。
もうすでに超有名な選手なので知っている方も多いと思うのですが、彼は身長167cmと日本人の平均身長もありません。
しかし、2014年には首位打者・盗塁王・最多安打のタイトルを獲得。
この年は本塁打2本でしたが、2015年には15本、2016年は24本も打っています。
2016年は.338、24本、OPS.928という驚異的な成績をおさめ、二度目の首位打者を獲得しています。
もし日本人は小柄だからホームランバッターは育たないんだなんて言っていたら、彼に笑われてしまうでしょうね。
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〇「スモールベースボール」を掲げないこと
私は全ての元凶は「スモールベースボール」を良しとする日本人の野球観だと考えています。
諸外国に比べて打てないことを致し方ないこととしてしまっている。
来年の3月のWBCに関しては選ばれた選手にがんばってもらうしかないのですが、日本の野球の将来を考えるのであれば、やはり打てる選手が育つ環境を作っていかなくてはいけないと思うのです。
トッププロがスモールベースボールですから、それに続くアマチュア野球もスモールベースボールになってしまっている。
たとえば、学童野球でもバント。
中学野球でもフライはダメ、右に転がせ。
打てないから左に転向、足でヒットを稼げ。
これはバッティング指導と言えるのでしょうか?
当然、学年が上がるにつれて、細かいテクニックも覚えていかなくてはいけません。
パワーでは他の選手に勝てないと思ったら小技が得意な選手を目指してレギュラーを勝ち取るという選択肢もありです。
しかし、初めから指導者がその選手の可能性を潰してはいけないと思いませんか?
この問題は以前述べた指導者ライセンスの問題とも関わってくると思いますが、まずは今現場で指導している方々が意識を変えていきませんか?
フルスイングで三振をしてもOKな環境を大人が整えてあげることが日本野球界の発展につながっているのかもしれませんよ。
バッティングの指導が苦手だという方はこちらの記事を参考にしていただけたら嬉しいです。
〇WBC終了!結果は3位も、打撃面は好成績!
2017年3月に開催されたWBCでは準決勝でアメリカに敗れたものの、先に私が述べた「打撃面」に関してはかなりの好成績でした
こちらの記事に総括してありますが、今回はスモールベースボールを掲げてはいたものの、野手陣が好調であったために「たまたま」打撃成績も良かったのではないかと感じました。
先日、このような記事を目にしました。
「スモールベースボールが先に来てはいけない」
この記事の中ではそう述べられています。
私も全く同感です。
ピッチングもバッティングもまずは最高を目指す。速球派、ホームランバッターを育てていくわけです。
そして、そういった取り組みをしても、どうしても最後はフィジカルでアメリカや南米
勢に及ばないということも出てくるかもしれません。
そこで、日本のお家芸である「スモールベースボール」が生きてくるのではないでしょうか?
これはU-18など下の世代でももちろん言えることではないかと思います。
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