ビートランニングを野球に採用しよう!
ビートランニング×野球体操!?
〇改めてビートランニングとは?
ビートランニングとは陸上競技の練習として、都立高校教諭の棟方拓也先生が提唱している練習方法になります。
すでにビートランニングは紹介済みなのですが、改めて様々な動画やブログを見て
「やはりビートランニングは野球にも有効だ!」
と感じました。
音楽で"カラダと時間"を操る 超感覚「走」トレーニング ビートランニング
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こちらの本・DVDによると、ビートランニングは三つのドリルから構成されています(本の出版から8年が経過していますので、さらに進化しています。どうやら書籍は絶版の模様)。
1、「ビート・ウォーク」ドリル
2、「ビート・ジョグ」ドリル
3、「ビート・ランニング」ドリル
この三つのドリルは単純にウォーク→ジョグ→ランニングとステップアップしていくと考えて良いので、野球に応用したいドリルは「ビート・ランニング」となります。
その「ビート・ランニング」はさらに三つに分けることができます。
①ノリ編…動作の間(タメ)をつくる
②ジク編…体のバランス・軸をつくる
③スプリント編…タメと軸をスピードにつなげる
という構成になっています。
ちょっと言葉だけでは分かりにくいので動画で見てみましょう。
ノリ編のスキップ
11.09.03 ランニングプログラム活動風景 ビートランニング
ノリ編のツーステップ
11.09.03 ランニングプログラム活動風景 ビートランニング
ジク編のスイングジャンプ
スプリント編のもも上げ(本に載っていないのですがたぶんそうだと思います…)
実際はもっともっとメニューがありますし、いくらでも応用がきくので多くのメニューが陸上競技界では行われていることでしょう。
〇ビートランニングは野球に効果があるのか?
以前の記事で、ビートランニングそのものが野球にも効果があるはずだということと、野球部版を作りたいという話をしました。
実は棟方先生も本の中で野球の動作にもつながるという旨のことを書いていらっしゃいます。
「タイミングさえ上手に合わせることができるようになったら、一流バッターになるのになぁ。」野球では、そんな風に評される選手が数多くいます。バットスイングは速く、フォームも安定していて、フリーバッティングでは常に柵越えを連発します。しかし、いざ試合で打席に入るとピッチャーの投球に対して上手くタイミングを合わせられず、フォームを崩されヒットが打てなくなってしまうのです。練習のときには、ピッチングマシーンが常に同じテンポでボールを投げてくれますから、タイミングを合わせるのは容易です。しかし、実践では相手ピッチャーがタイミングを狂わせようと、さまざまなことをしてきます。これに対応できなければ一流のバッターにはなれません。
タイミングを相手ピッチャーに狂わされることなく打つためには「間」を上手にコントロールできなくてはなりません。ピッチャーとバッターとの関係で、バッターが感じる「間」。これはピッチャーがボールを放した(あるいはモーションを起こした)瞬間から始まり、キャッチャーのミットにボールが入るまでの時間です。この間に、バッターはうまくタメをつくってタイミングを合わせ、バットでボールをとらえねばならないのです。バッターはスイング前に、バットをわずかに引きますが、これがタメの動作であると考えると分かりやすいでしょう。
このタメの動き、そしてタメの感覚を体得しているか否かで相手ピッチャーの投げるボールの体感速度が変わってきます。たとえば、同じ135kmのボールであっても、バッターボックスで「速い!見えない」と感じる人がいれば、「ゆっくりだ!よく見える」と思える人もいます。当然、速度を遅く感じることができれば、その分、ボールの変化やコースにも反応できる時間が増え、ボールをバットでとらえやすくなるはずです。
この部分は、野球の技術向上を目指す上で大切なポイントでしょう。ところが、ボールの速度が遅く感じるようになることを目的としたトレーニングは、これまでほとんど行われていません。いや、速いボールを打ち続けることで目を慣らすという考え方はありました。動体視力の強化です。では、それだけで速いボールが打てるようになるのでしょうか?目は慣れてもカラダが反応してくれなくては、結局、速いボールを確率よく打つことはできないでしょう。
好打者になるには、自然体のポジションから、あらゆる変化、スピードに反応できるカラダの状態をつくる必要があります。これは、意識を伴った動きの中からは生まれません。投げ込まれてくるボールに対して、その速度や変化を直感的に予測し、カラダが無意識に反応してこそ、高確率でヒットが打てるのです。
野球が専門ではない棟方先生のご意見ですが、私は「至極最もだ」と感じました。
野球ではバッティング以外にもピッチング、守備、走塁、いろんな部分でタメが必要になってきます。
野球経験者はこうしたタメの部分を「センス」などという言葉で片づけてしまいがちですが、棟方先生は鍛えられる部分であるとおっしゃっているわけです。
野球というスポーツを外から見ているからこそ感じることなのかもしれません。
また、野球界のランメニューは当然陸上競技の練習メニューよりも遅れています。
コーディネーショントレーニングも少ないですし、特にコーディネーショントレーニングの中でも「リズム」を養うことに関して野球界はほとんど行ってこなかったと言っても良いと思います。
陸上競技 走跳投に必要なトップスピードを高める練習 (身になる練習法)
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〇野球体操とビートランニングを組み合わせてみてはどうか?
野球体操は野球界で広く知られているトレーニングです。
野球体操をウォーミングアップに取り入れているチームもよく拝見します。
このように野球で使う部位を中心に鍛える体操になると同時に優秀なコーディネーショントレーニングでもあります。
↑野球体操はこちら。
しかし、やはり野球体操もリズムという点ではあまり鍛えることはできません。
このリズムがタメを生むわけですから、野球体操にリズムの要素をプラスしてはいかがでしょうか?
音楽のリズムに合わせた動きにする。
そうすることで野球体操の効果がさらに増すのではないかと思います。
また、+アルファでビートランニングのメニューを導入するのも良いと思います。
正直、まだ私の頭の中で考えている段階ですが、一生懸命メニューを考え、近々「ビートランニング×野球体操」を発表できるようにがんばりたいと思います。
通常のビートランニングだけでも非常に効果が高いので、ぜひ取り入れてみてください。
↑記事執筆後にビートランニングを各競技に応用したDVD、「ビートトレーニング」が発売になりました。
購入しましたが、私の発想に近いものでした。
早打ちに応用するのは微妙かなとも思うのですが、参考になりますのでぜひご覧ください。
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